
注文住宅の間取りを考えていると、対面キッチン、パントリー、ファミリークローゼット、ランドリールーム、回遊動線など、魅力的なアイデアが次々に出てきます。
モデルハウスやSNSを見ているうちに、「これも欲しい」「せっかく注文住宅を建てるなら採用したい」と思うものも増えていくでしょう。
ただし、間取りを考えるときに覚えておきたいのが、「人気の間取り=自分たちにも必要な間取り」ではないということです。
便利なスペースを一つ増やせば、その分だけ床面積を使います。動線を良くするために出入口を増やせば、収納や家具を置ける壁が減る場合もあります。
大切なのは「おしゃれだから」「人気だから」ではなく、そこで実際にどんな生活をするのか、そのために何畳といくらの予算を使う価値があるのかまで考えることです。

パントリーもファミクロも書斎も欲しいです!せっかくの注文住宅ですから。

気持ちは分かるけれど、全部入れるほど家は大きくなるよ。「何を付けたいか」より「毎日の暮らしで何を楽にしたいか」から考えてみよう。
この記事では、注文住宅で検討されることの多い人気の間取りについて、メリットだけでなくデメリットや後悔しやすいポイントまで紹介します。
「快適そう!」「おしゃれ!」で終わらず、「それ、本当に我が家に必要?」と考えながら見ていきましょう。
- 注文住宅で人気の間取り16選|まずは特徴を比較
- 【対面キッチン】家族を見ながら料理しやすい
- 【ウォークインクローゼット・ファミリークローゼット】広さより場所が大切
- 【畳コーナー・小上がり】便利だが段差まで考える
- 【オープンLDK】広く見える反面、音や臭いもつながる
- 【パントリー】まとめ買いする家庭なら使いやすい
- 【ランドリールーム・室内物干し】「洗う・干す・しまう」をまとめられる
- 【回遊動線】家事が楽になる?通路を増やしすぎない
- 【スキップフロア】おしゃれだけれど段差は一生残る
- 【階段下収納】デッドスペースを生かせるが奥行きに注意
- 【シューズインクローゼット・SIC】玄関を片付けやすい
- 【広めの浴室・1.5坪のお風呂】毎日使うが広さの優先順位を考える
- 【ウッドデッキ】つくるより「使える場所」にすることが大切
- 【書斎・ワークスペース】1~2畳でも役立つことがある
- 【吹き抜け・リビング階段】開放感だけで決めない
- 【2階リビング】日当たりとプライバシーを確保しやすい
- 【可変性のある子ども部屋】今の人数だけで決めない
- 人気の間取りで後悔しない5つのチェックポイント
- 宅建士視点|土地を買ってから「希望の間取りが入らない」を防ぐ
- FP視点|欲しい間取りを全部足す前に住宅総額を見る
- 間取り図ができたら「朝から寝るまで」を歩いてみる
- 人気の間取りに関するよくある質問
- まとめ|人気より「自分たちが毎日使うか」で間取りを選ぼう
注文住宅で人気の間取り16選|まずは特徴を比較
最初に、今回紹介する間取りを一覧で見てみましょう。「人気度」のランキングではありません。どんな家庭で使いやすいか、何に注意したいかで比べています。
| 間取り | 特に向いている人 | 注意したいこと |
|---|---|---|
| 対面キッチン | 料理中も家族とつながりたい | 臭い・油はね・通路幅 |
| WIC・ファミリークローゼット | 衣類をまとめて収納したい | 通路部分も床面積を使う |
| 畳コーナー・小上がり | 寝転ぶ・遊ぶ場所が欲しい | 段差・将来の使い道 |
| オープンLDK | 広がりを感じるLDKにしたい | 音・臭い・空調計画 |
| パントリー | まとめ買い・食品ストックが多い | 奥行き・収納量の過不足 |
| ランドリールーム | 部屋干し中心・洗濯量が多い | 換気・除湿・床面積 |
| 回遊動線 | 家事や身支度の移動を減らしたい | 通路・扉が増え収納壁が減る |
| スキップフロア | 空間に変化をつけたい | 段差・費用・掃除 |
| 階段下収納 | デッドスペースを生かしたい | 奥行き・天井高さ |
| シューズインクローゼット | 靴・ベビーカー・外用品が多い | 玄関面積とのバランス |
| 広めの浴室 | 入浴時間を大切にしたい | 掃除・建築費・優先順位 |
| ウッドデッキ | 庭を第二のリビングとして使いたい | 視線・メンテナンス |
| 書斎・ワークスペース | 在宅勤務・趣味の場所が欲しい | 将来使わなくなる可能性 |
| 吹き抜け・リビング階段 | 明るさ・開放感を重視したい | 音・臭い・空調 |
| 2階リビング | 採光・プライバシーを重視したい | 階段移動・老後 |
| 可変性のある子ども部屋 | 将来の家族構成に備えたい | 窓・扉・収納の位置 |
どれも便利そうに見えますが、16種類すべてを入れる必要はありません。ここからは、「何が良いのか」だけでなく「何を失うのか」まで見ていきます。
【対面キッチン】家族を見ながら料理しやすい

対面キッチンは、リビングやダイニング側を向いて作業できるキッチンです。
なお、対面キッチンとアイランドキッチンは同じものではありません。対面キッチンには、片側を壁につけたペニンシュラ型や、キッチンの周囲を回れるアイランド型などがあります。
対面キッチンのメリット

大きなメリットは、料理や後片付けをしながらリビング・ダイニングの様子を確認しやすいことです。
小さな子どもがいる家庭なら、遊んでいる様子を見ながら料理ができます。家族と会話をしながら作業できるため、キッチンだけが孤立しにくいのも特徴です。
キッチンの正面近くにダイニングテーブルを配置すれば、料理を運ぶ距離も短くできます。
対面キッチンのデメリット
一方、壁付けキッチンに比べて、キッチン本体だけでなく背面収納と通路を確保する必要があります。限られたLDKでは、キッチンを広くした分だけダイニングやリビングが小さくなることもあります。
また、LDKとつながっているため、揚げ物や焼き物の臭い、油はねが気になる家庭もあるでしょう。換気扇だけでなく、コンロ前の壁やパネルをどうするかも確認しておきたいところです。
料理中も家族の様子を見たい家庭には相性が良い一方、LDKの広さを最優先したいなら壁付けキッチンも比較してみてください。
【ウォークインクローゼット・ファミリークローゼット】広さより場所が大切

ウォークインクローゼットは、人が中に入って衣類を出し入れできる収納です。
さらに家族の衣類や日用品を一か所にまとめる「ファミリークローゼット」も、家事動線を考えるうえで検討されることが増えています。
ウォークインクローゼット・ファミクロのメリット

衣類だけでなく、バッグ、帽子、季節用品などをまとめやすく、各部屋に収納を分散させるより管理が楽になる家庭があります。
特に相性が良いのがランドリールームとの組み合わせです。洗濯物を干す場所と収納する場所が近ければ、「洗う→干す→しまう」の移動を短くできます。
帰宅後の着替えに使うなら、玄関や洗面所の近くに置く方法もあります。
大きければ良いとは限らない
ウォークインクローゼットは、人が歩く通路部分にも床面積を使います。
例えば同じ面積でも、壁面収納の方が収納効率が良くなるケースがあります。また、ファミリークローゼットをつくっても家族がそれぞれ自室で着替える生活なら、結局衣類を各部屋へ運ぶことになるかもしれません。
「何畳あるか」より、「脱いだ服はどこへ行き、洗濯した服をどこで干し、誰がどこで着替えるか」で配置を決めるのがおすすめです。
【畳コーナー・小上がり】便利だが段差まで考える

LDKの一角に畳コーナーを設ければ、フローリングとは違うくつろぎ方ができます。
畳コーナーのメリット

床に座ったり寝転んだりしやすく、小さな子どもの昼寝や遊び、洗濯物を畳む場所、来客時の簡易スペースなど、用途を固定しすぎず使えます。
小上がりにすれば段差へ腰掛けることもでき、床下を収納として使えるプランもあります。
畳コーナーで後悔しやすい点
ただし、小上がりの段差はメリットにもデメリットにもなります。
子どもが小さい時期の転落や、年齢を重ねたあとの上り下りまで考えると、必ずしも段差がある方が使いやすいとは限りません。
また、「なんとなく和室が欲しい」という理由だけで設けると、ほとんど使わず物置になることもあります。
誰が、何をする場所なのか一つでも具体的に答えられるなら採用候補。用途が思い浮かばないなら、その面積をLDKや収納へ回す方法もあります。
【オープンLDK】広く見える反面、音や臭いもつながる

リビング・ダイニング・キッチンを細かく壁で仕切らないオープンLDKは、同じ床面積でも空間のつながりを感じやすい間取りです。
オープンLDKのメリット

家族が別々のことをしていても、お互いの気配を感じやすいのが魅力です。
壁や建具が少ないため視線が抜けやすく、LDKを実際の畳数以上に広く感じられる場合もあります。
オープンLDKのデメリット
良くも悪くも、空間がつながります。
料理の臭い、テレビの音、子どもの声、食器を片付ける音などがLDK全体へ伝わりやすく、家族の生活時間が違う家庭では気になることがあります。
また、大空間の快適性は単純なエアコンの畳数だけでは決まりません。建物の断熱・気密性能、窓の大きさや方角、日射、空調設備の位置などを含めて計画する必要があります。
「広いLDKにするか」だけでなく、そこで家族が同じ時間に何をしているのかまで想像してみてください。
【パントリー】まとめ買いする家庭なら使いやすい

パントリーは、食品や飲料、調理用品などを収納するスペースです。
パントリーのメリット

米、飲料、保存食品、非常食、調理家電など、キッチン周辺に集まりやすい物をまとめられます。
週末に食材をまとめ買いする家庭や、飲料を箱単位で買う家庭では、特に使いやすいでしょう。
玄関やシューズインクローゼットからパントリー、キッチンへつながる配置にすると、買ってきた荷物をリビングまで運ばず収納できることもあります。
パントリーのデメリット
注意したいのが「広ければ便利」という考え方です。
棚の奥行きが深すぎると、奥に置いた食品が見えず、賞味期限切れのストックが増えることがあります。独立したパントリーをつくれば、その分だけ通路や壁にも面積を使います。
毎日買い物をして食品をあまりストックしない家庭なら、1~2畳のパントリーよりキッチン背面収納を充実させる方が合う可能性もあります。
今の家に食品ストックがどのくらいあるか、一度全部並べてから必要量を考えると判断しやすくなります。
【ランドリールーム・室内物干し】「洗う・干す・しまう」をまとめられる

雨や花粉、時間帯を気にせず洗濯物を干したい家庭では、室内物干しスペースやランドリールームが候補になります。
ランドリールームのメリット

洗濯機、室内物干し、作業台、収納などを近くへまとめれば、「洗う→干す→畳む」の移動を短くできます。
隣にファミリークローゼットを配置できれば、「しまう」まで一続きにすることもできます。
共働きで夜に洗濯する家庭や、外干しをあまりしない家庭には使いやすい間取りです。
ランドリールームにもデメリットはある
以前のこの記事では「デメリットはありません」と書いていましたが、これは言い過ぎでした。
洗濯物を室内で乾かすには、換気や除湿、空気の流れを考える必要があります。せっかく専用スペースをつくっても乾きにくければ使いにくくなります。
また、独立したランドリールームをつくれば当然床面積も必要です。
洗濯量が少ない家庭なら、洗面脱衣室に天井物干しを付ける、浴室乾燥を利用するなど、専用室をつくらない方法もあります。
「ランドリールームが欲しい」ではなく、「我が家はどこで干したいのか」から考えてみましょう。
【回遊動線】家事が楽になる?通路を増やしすぎない

回遊動線とは、行き止まりを少なくし、家の中をぐるりと回れるようにつなげた間取りです。
例えば「キッチン→洗面室→ランドリールーム→ファミリークローゼット→LDK」とつなげたり、「玄関→シューズインクローゼット→パントリー→キッチン」とつなげたりします。
回遊動線のメリット
目的地へ行くために同じ場所を往復する回数を減らせるため、うまく設計できれば家事や身支度がしやすくなります。
家族が同時に移動するときも、出入口が複数あれば一か所へ集中しにくくなります。
回遊動線のデメリット
一方、回遊させるためには通路や出入口が必要です。
扉が増えれば、その部分には収納棚や家具を置けません。そのため、動線を便利にした結果、収納できる壁が減ってしまう場合があります。
使わない通路までつくれば、単なる床面積の浪費になってしまいます。

回れるほど便利だと思っていました。出入口を増やすと収納が減ることもあるんですね。

そうなんだ。図面に矢印を書いて、毎日本当に通るルートなのか確認するといいよ。回遊すること自体を目的にしないのがコツだね。
【スキップフロア】おしゃれだけれど段差は一生残る

スキップフロアとは、一つの階の中に高さの異なる床を設ける間取りです。
スキップフロアのメリット

壁で完全に仕切らなくても床の高さが変わることで、空間を緩やかに分けられます。
子どもの遊び場、スタディスペース、趣味スペースなど、LDKとつながりながら少し独立した場所をつくりたいときに向いています。
スキップフロアのデメリット

当然ですが、段差が生まれます。
ロボット掃除機が一台で全体を掃除できなくなったり、年齢を重ねたときに段差が負担になったりする可能性があります。通常の床より構造や施工が複雑になれば、追加費用も考えなければなりません。
ちなみに筆者が過去に約4畳のスキップフロアを検討した際には、当時の見積もりで50万円以上の追加となりました。ただし、これはあくまで当時の筆者宅の一例です。現在の金額は住宅会社・構造・仕様によって異なります。
見た目だけでなく、「この段差を20年後、30年後もどう使うか」を考えてから採用したい間取りです。
【階段下収納】デッドスペースを生かせるが奥行きに注意

階段下は高さが徐々に変わるため、居室としては使いにくい場所です。そのため、収納として活用するのは合理的な方法です。
階段下収納のメリット

掃除機、日用品、非常用品、季節用品などの収納場所として活用できます。
リビング階段ならリビング用品、玄関近くなら外出用品というように、階段の位置に合わせて収納する物を決めると使いやすくなります。
階段下収納のデメリット
階段下収納にも弱点があります。
奥行きが深すぎると奥の物が取り出しにくく、低い部分には大きな物を置けません。とりあえず物を詰め込む収納にすると、何が入っているのか分からなくなりがちです。
「空いているから収納にする」のではなく、何を置く場所なのか決めて棚の奥行きや扉を設計しましょう。
【シューズインクローゼット・SIC】玄関を片付けやすい

シューズインクローゼット(SIC)は、玄関横に設ける土足で使える収納です。
シューズインクローゼットのメリット

靴だけでなく、家庭によって次のような物を収納できます。
- ベビーカー
- 傘・レインコート
- アウトドア用品
- ゴルフ用品
- スノーボードなどのスポーツ用品
- 子どもの外遊び用品
- 園芸用品
- 防災用品
土や水滴を室内へ持ち込みたくない物を置けるのが大きなメリットです。
シューズインクローゼットのデメリット
SICを広くすれば、その分だけ玄関や居室に使える面積は減ります。
靴がそれほど多くない家庭なら、大きなSICより一般的な玄関収納の方が床面積を有効に使える場合があります。
また、臭いや湿気がこもらないよう換気も考えておきたいところです。
現在の玄関に置かれている靴と外用品を数えてみると、本当に必要な広さが見えてきます。
【広めの浴室・1.5坪のお風呂】毎日使うが広さの優先順位を考える

浴室を広くすると、洗い場に余裕が生まれ、子どもと一緒に入る場合や入浴介助が必要になった場合にも使いやすくなる可能性があります。
広い浴室のメリット

入浴を一日の楽しみにしている人にとっては、ゆったり過ごせること自体が大きな価値になります。
浴室で子どもの体を洗ったり、複数人で使ったりする家庭でも広さを生かせます。
広い浴室のデメリット
床や壁が広くなれば掃除する面積も増えます。また、浴室を広くした分だけ洗面室・脱衣室・収納などに使える面積が減る場合があります。
なお、浴室を広くしたからといって必ず水道代が増えるわけではありません。実際の使用水量は、選ぶ浴槽の容量や入浴方法によって変わります。
毎日長く使う浴室を広くするのか、同じ面積を脱衣室やランドリールームへ使うのか。水回り全体で比べてみましょう。
【ウッドデッキ】つくるより「使える場所」にすることが大切

ウッドデッキは、室内と庭をつなぐ中間的なスペースとして使えます。
ウッドデッキのメリット

天気の良い日に椅子を出して過ごしたり、子どもの水遊びをしたり、庭で食事をしたりと、室内ではできない過ごし方ができます。
リビングの床と高さをそろえると、窓を開けたときに室内から外へ空間が続いているように感じやすくなります。
ウッドデッキのデメリット
道路や隣家から丸見えでは、せっかくつくっても使わなくなる可能性があります。
日差しが強すぎる、蚊が多い、掃除が大変といった理由で使用頻度が下がる家庭もあります。また、天然木か人工木かによってメンテナンス方法も異なります。
木の素材によっては、キノコが生えてきます。ゾッとするのでご注意。
図面ではウッドデッキだけを見るのではなく、道路・隣家・日当たり・目隠しまでセットで確認してください。
【書斎・ワークスペース】1~2畳でも役立つことがある

書斎というと本棚に囲まれた一室を想像しがちですが、在宅勤務や趣味が目的なら必ずしも広い部屋は必要ありません。
書斎・ワークスペースのメリット

仕事、読書、ゲーム、模型、音楽など、自分が集中する場所をつくれます。
仕事用であれば、オンライン会議の声がリビングへ響きにくい場所を選ぶこともできます。
独立した部屋を確保できなくても、階段下や廊下の一角、寝室の一部などにデスクを造作する方法があります。
書斎・ワークスペースのデメリット
今は在宅勤務をしていても、10年後も同じ働き方とは限りません。
独立した部屋をつくる場合は、将来仕事で使わなくなったときに収納、趣味室、家族共用スペースなどへ転用できるかも考えておきましょう。
コンセントの数、照明、エアコン、Wi-Fiや有線LAN、防音も使い勝手を大きく左右します。
【吹き抜け・リビング階段】開放感だけで決めない

吹き抜けやリビング階段は、LDKを明るく開放的に見せやすい人気のプランです。
吹き抜け・リビング階段のメリット
上下階に視線が抜けるため、床面積以上の広がりを感じやすくなります。
周囲の建物によって1階へ光を取り込みにくい土地でも、高い位置に窓を設けることで採光を確保しやすくなる場合があります。
吹き抜け・リビング階段のデメリット
空間がつながるため、テレビや会話の音、料理の臭いなども上下階へ伝わりやすくなります。
高い位置にある窓や照明は、自分で簡単に掃除・交換できない場合もあります。
また、吹き抜けの快適性は建物の断熱性能や窓、日射、空調計画にも左右されます。「最近の家だから大丈夫」と決めつけず、住宅会社に具体的な計画を確認しましょう。

【2階リビング】日当たりとプライバシーを確保しやすい

住宅密集地や狭小地では、LDKを2階へ配置する間取りも候補になります。
2階リビングのメリット
1階より隣家や道路からの視線を受けにくく、日当たりも確保しやすくなる場合があります。
2階にLDKとバルコニーをつなげれば、外部空間を生活に取り込みやすくなることもあります。
2階リビングのデメリット
最大の注意点は階段です。
買ってきた食材を2階まで運び、ゴミを1階へ下ろす生活になります。大型家具や冷蔵庫を搬入できる経路も確認が必要です。
高齢になったときも2階中心の生活を続けられるかは考えておきましょう。
2階リビングは「流行」ではなく、道路や隣家との位置関係を解決するために選ぶとメリットを生かしやすい間取りです。
【可変性のある子ども部屋】今の人数だけで決めない

子どもが小さいうちは広い一室として使い、成長したら壁や家具で2部屋に分けられるよう計画する方法もあります。
可変性のある子ども部屋のメリット
小さい時期には広い遊び場として使い、個室が必要になったら分割できます。子どもが独立したあとに再び一室として使うことも考えられます。
後から分けられるよう最初に準備する
単に広い部屋をつくるだけでは、きれいに2部屋へ分けられないことがあります。
将来2室にする可能性があるなら、最初から窓、扉、照明、コンセント、エアコン、収納の位置を考えておきましょう。
間取りは建てた時点で完成ではありません。家族構成が変わった後にも使い続けられるかを見ることが大切です。
人気の間取りで後悔しない5つのチェックポイント

ここまで見て、「結局どれを採用すればいいの?」と迷った方もいるでしょう。
そんなときは、次の5つを図面を見ながら確認してみてください。
- その場所を1日に何回使うか
- その間取りのために何畳使うか
- 本当に生活動線・家事動線が短くなるか
- 10年・20年後も使えるか
- その面積と予算を別の場所へ使った方が満足しないか
例えば、週末に1週間分の食料をまとめ買いする家庭ならパントリーを毎週使うでしょう。一方、スーパーが近く毎日必要な分だけ買う家庭では、広いパントリーの使用頻度はそれほど高くないかもしれません。
毎日室内干しをする家庭ならランドリールームの優先度は上がります。しかし、洗濯物が少なく乾燥機を中心に使うなら、大きな専用室は必要ない可能性があります。
人気かどうかではなく、自分の家で何回使うのか。これだけでも優先順位はかなり変わります。
宅建士視点|土地を買ってから「希望の間取りが入らない」を防ぐ

土地から注文住宅を建てる方に知っておいてほしいのが、土地が決まれば好きな大きさ・形の家を自由に建てられるわけではないということです。
土地には建ぺい率・容積率をはじめ、用途地域、接している道路、建物の高さなど、さまざまな条件があります。土地の形や高低差、隣家との位置関係によっても、使いやすい間取りは変わります。
例えば、「広いLDKとランドリールーム、ファミリークローゼット、SICを全部1階に入れたい」と考えていても、土地に対して建てられる1階部分の大きさが足りなければ実現できません。

土地を先に契約してから間取りを考えるのではなく、「この土地で希望する暮らしができそうか」を住宅会社にも確認してから契約へ進むと安心だよ。
特に土地代が高いエリアでは、希望の間取りを入れるためだけに大きな土地を買えば総予算も増えます。土地と建物は別々ではなく、セットで考えてください。
FP視点|欲しい間取りを全部足す前に住宅総額を見る

注文住宅では、一つひとつの要望を見ると「これくらいなら追加してもいいかな」と感じやすいものです。
しかし、パントリー、SIC、ランドリールーム、ファミリークローゼット、書斎と追加していけば、必要な延床面積そのものが大きくなる場合があります。
住宅会社や仕様によって建築費は違うため、「1坪増えれば必ず○万円」とは言えません。それでも、床面積が増えれば建築費へ影響する可能性が高く、予算配分は考えなければなりません。
FPの視点で特に気を付けたいのは、住宅ローンで借りられる金額と、長期間無理なく返していける金額は同じではないということです。
家を建てたあとにも、教育費、車、固定資産税、住宅の修繕、老後資金などが必要になります。
「一生に一度だから」と人気の間取りをすべて追加するより、毎日使う場所、生活が明確に楽になる場所から予算を配分する方が、住み始めてからの満足度につながりやすいでしょう。
間取り図ができたら「朝から寝るまで」を歩いてみる

間取り図を見ていると、どうしても部屋の広さや形に目が行きます。
しかし、実際の生活では家の中を何度も移動します。
そこで図面ができたら、家族それぞれについて次の行動を指でたどってみてください。
- 朝起きてから家を出るまで
- 買い物から帰宅して食品を収納するまで
- 服を脱いで洗濯し、干して収納するまで
- 料理を作って食卓へ運び、片付けるまで
- 来客が玄関からリビングへ入るまで
- 夜に入浴して寝室へ行くまで
さらに、冷蔵庫や収納の扉を開けた状態、家族同士がすれ違う場面、家具を置いた状態まで想像してみましょう。
図面では広く見えた通路が、家具を置くと狭くなることもあります。
人気の間取りに関するよくある質問

Q. 人気の間取りはできるだけ多く取り入れた方がいい?
いいえ。家族構成、生活習慣、土地、予算によって必要なものは変わります。
採用数を増やすより、「毎日どのくらい使うか」「そのために何畳使うか」で優先順位を決める方が失敗を減らせます。
Q. 家事が楽になる間取りは?
ランドリールーム、ファミリークローゼット、パントリー、回遊動線などは家事負担を減らせる可能性があります。
ただし、設備や部屋の名前だけで決まるわけではありません。「洗う場所」と「干す場所」が離れていればランドリールームの良さを生かしきれないなど、配置の方が大切です。
Q. ファミリークローゼットとウォークインクローゼットの違いは?
ウォークインクローゼットは、人が中へ入って使える収納形式を指します。
ファミリークローゼットは家族の衣類などをまとめて収納する使い方を指す言葉で、ウォークイン型だけでなく、通り抜けできるウォークスルー型などもあります。
Q. 回遊動線は絶対あった方が便利?
絶対ではありません。
うまく設計すれば移動を短くできますが、通路や出入口を増やすことで収納や家具を置ける壁面が減る場合があります。
毎日本当に使うルートだけを回遊させることが大切です。
Q. 間取りは住宅会社によって提案が違う?
同じ土地・家族・要望でも、設計者によって部屋の配置や動線のつくり方は変わります。
一つ目の間取りをそのまま正解と思わず、なぜこの配置になっているのか説明を聞き、必要であれば別案も比較してみると良いでしょう。
まとめ|人気より「自分たちが毎日使うか」で間取りを選ぼう

注文住宅には、対面キッチン、パントリー、ランドリールーム、ファミリークローゼット、回遊動線など魅力的な間取りがたくさんあります。
ただ、すべてを入れた家が一番暮らしやすいわけではありません。
間取りを決めるときは、「人気だから」ではなく「我が家では誰が、いつ、何回使うのか」を考えてみてください。
そのうえで、床面積、予算、家事動線、収納、10年・20年後の暮らしまで比較すると、残すものと削るものが見えやすくなります。

「欲しいものリスト」だけじゃなくて、「毎日使うものリスト」を作ってみます!

それがいいね。間取りは「たくさん付けた家」ではなく、「暮らしに不要なものまで付けなかった家」の方が使いやすいこともあるよ。
また、間取りには一つだけの正解があるわけではありません。同じ要望を伝えても、住宅会社や設計者によって提案は変わります。
すでに1社から間取りを提案されている方も、「別の配置ならどうなる?」と比較してみると、自分たちが本当に優先したいものが見えてくることがあります。
タウンライフ家づくりでは、希望条件を入力して、対応する住宅会社へ間取りプランや見積もりを無料で依頼できます。必ず利用する必要はありませんが、まだ住宅会社を絞り込んでおらず、複数の間取り案を見比べたい方なら選択肢の一つです。
完成した家の中で朝起きてから夜寝るまでの自分たちを想像しながら、必要な間取りを選んでみてください。


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