土地の契約も終わり、設計図面も承認されると、いよいよ夢のマイホームの工事が始まります。
一般的な住宅ならばここから3〜4ヶ月で完成です。まさに「あっ」という間に完成してしまいます。
そして「あっという間」だからこそ大切で、なにも知らないと怖い部分でもあります。
しっかり管理してくれる現場監督がいるから大丈夫でしょ。
いいえ、残念ですが現場監督はほとんど現場に来ません。
ほとんど(とくに大手ハウスメーカー)の場合、現場を監督するはずの現場監督が現場に来るのは、なんと週に1度あるかないか。理由は、1人の現場監督がいくつもの現場を担当しているからです。そもそも、新築工事における現場監督のメインの仕事は、工事にかかわるスケジュールを組むことなのです。
そして実際に毎日現場で工事をする大工さんや業者は下請けであり、依頼したハウスメーカーの社員ですらない場合がほとんどなんです。
だからこそ、あなた自身の目でしっかりと現場をチェックする必要があります。改めて、失敗しないマイホームのために、いよいよ最重要パートに入ったことをお忘れなく。
また、この時点で無駄な生命保険の見直し(解約)を始めましょう。
というのも、住宅ローンを組むと一般的に団信(生命保険のようなもの)に加入することになり、生命保険が2重になってしまうからです。
大手リクルート運営の保険相談(無料)「保険チャンネル」をおすすめしておきます。
さて話がそれましたが、今回は注文住宅の新築一戸建て工事の流れを「工程表」にしました。
現場を見に行くたびに「今はここまで進んだのか」と確認するためにもお役立ていただければと思います。
※業者や工法によって若干工程に違いがあります。
- これだけは見逃すな!新築工事のチェックポイント
- 【地鎮祭】新築工事・工程
- 【地盤調査】新築工事・工程
- 【仮設工事】新築工事・工程
- 【地盤改良工事】新築工事・工程
- 【基礎工事】新築工事・工程
- 【外部給排水工事】新築工事・工程
- 【プレカット搬入・土台敷き】新築工事・工程
- 【建て方(棟上げ)】新築工事・工程
- 【上棟式】新築工事・工程
- 【屋根工事】新築工事・工程
- 【木工事】新築工事・工程
- 【構造躯体検査】新築工事・工程
- 【サッシ・窓設置工事】新築工事・工程
- 【電気工事】新築工事・工程
- 【中間検査】新築工事・工程
- 【断熱工事】新築工事・工程
- 【ユニットバス工事】新築工事・工程
- 【フローリング工事】新築工事・工程
- 【外壁工事】新築工事・工程
- 【板金工事】新築工事・工程
- 【石膏ボード貼り付け】新築工事・工程
- 【クロス(壁紙)工事】新築工事・工程
- 【左官工事】新築工事・工程
- 【設備機器設置工事】新築工事・工程
- 【クリーニング工事】新築工事・工程
- 【内覧会・完成検査】新築工事・工程
- 【フラット35検査】新築工事・工程
- 【竣工・引き渡し】新築工事・工程
- 【外構・エクステリア】新築工事・工程
これだけは見逃すな!新築工事のチェックポイント
- 上棟という感動的な1日
- 梁や柱など完成後には隠れてしまう部分のチェックと撮影
これらは見逃し厳禁ですし、
中でも必ずチェックしたいのは「断熱材」の施行パートです。たった1日か2日で完了し、しかもすぐに施工ボードで隠されてしまうのに、マイホームの寿命を左右します。
詳しくは断熱材の項目で紹介しますが、プロでもなければわからないことが、いろいろな方向に悪影響をきたしますので注意です。
建築現場のチェックは素人ではわかりにくいものです。マイホームチェックのプロ「ホームインスペクター」に立会いを依頼することも可能なのですが、費用は約3万円ほどかかります。
とても悩みましたが、私はホームインスペクターをしている市村氏著の「建てる前に読む!絶対にしくじらないハウスメーカー選び 大手11社徹底解剖! [ 市村博 ]」という本で建築業界や施工現場の実態を勉強し、セルフチェックでマイホームを守りました。
みなさんも、新築工事工程を現場でチェックする際には、さまざまな情報で勉強をしてから挑みましょう。
それでは次の項目から、さっそく工事工程を確認してまいります。
【地鎮祭】新築工事・工程
まずは、工事を始める前に地鎮祭です。
地鎮祭とは、着工から竣工まで建築工事が無事に終わりますようにと祈願する儀式です。同時に、その後その土地で暮らす家族の安心や繁栄も願います。
最近ではやらないという方や、行っても簡易的にという方が増えてきているようですが、記念にもなりますので私はやることをおすすめします。
多くの場合で、地鎮祭の後に現場監督と今後の工事の流れ・工程についての打ち合わせがあります。
また、ご近所挨拶もこのタイミングで一度やっておくと安心です。新築工事はなかなかの騒音です。約3ヶ月、ご近所に迷惑をかけることになります。挨拶もせずに工事を始めては、マイホーム生活のスタートがご近所トラブルの修復からとなってしまう場合も。
【地盤調査】新築工事・工程
地鎮祭が終わると、いよいよ土地での作業が始まります。
まずは、建物を建てても安全な場所なのかを調べるべく、地盤調査を行います。いくら耐震構造に優れた建物を建てようとも、地盤が弱ければ意味がありません。
多くの調査で採用されているのは「スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)」というもので、建物四隅と中心の5カ所を調査します。
費用は3〜7万円ほどですが、多くのハウスメーカーでは込みの料金になっています。
【仮設工事】新築工事・工程
次に、これから新築工事をするにあたっての設備や足場組みなどの仮設工事を行います。
- 足場工事
- ネット
- 仮囲い
- 仮設トイレ
- 仮設電気
- 仮設水道
- 養生
- 産廃処理
を行います。足場工事やネットを張るのは上棟のタイミングで行うことが多いです。
費用は全工事費の2〜3%ほどですが、やはり多くのハウスメーカーでは込みの料金になっています。ローコスト住宅は別料金の場合あり。
ゴミ置場の管理や仮設トイレの臭いなどはご近所トラブルになりやすいので要チェックです。
【地盤改良工事】新築工事・工程
地盤調査で改良が必要と判定された場合は、地盤改良工事の工程が追加されます。
地盤改良をすることで、建物が不揃いに沈んでいく「不同沈下」や液状化現象による外壁の亀裂、さらには建物の歪みによるドア・窓の開閉不具合などを起こらないようにします。
費用は数十万円〜百万円ほどで、調査結果がコストにかなり影響します。
【基礎工事】新築工事・工程
地盤の安全が確保できたら、いよいよ基礎工事が始まります。
基礎工事は、
- 布基礎工法
- べた基礎工法
の2つが代表的ですが、耐震強度への関心が高まっている昨今、多くの場合で「べた基礎工法」が採用されています。
以下は一般的な「べた基礎工法」の工程(4〜5週間)です。
- 水盛り・地縄張り・やり方(もしくはレーザーレベル)
- 根切り(〜2日)
- 整地・砂利敷き(半日)
- 防湿シート敷き(半日)
- 捨てコンクリートの打設(半日)
- 外周部型枠工事(1日)
- 配筋工事(2〜3日)
- 配筋検査(継ぎ手長さや補強筋の確認など瑕疵保険の第三者の検査)
- 床ベース生コンクリート打設(同日)
- 基礎内部の型枠工事(2〜3日)
- アンカーボルト設置
- 立ち上がり生コンクリート打設(1日)
- 養生期間(夏3日・冬5日)
- 型枠バラシ(半日)
- 玄関・勝手口・土間コンクリート打設
- 雑コン・仕上げ(1〜2日)
- 基礎完成
このような流れで進んでいきます。
基礎のコンクリートに雨は天敵です。よほど急がない場合、雨の季節は避けることをおすすめします。もし梅雨の時期に強行する場合は、雨養生がしっかりされているかは最低限のチェック事項です。
また、水が凍るほど寒さが厳しい場合も調整を推奨します。
【外部給排水工事】新築工事・工程
屋外給排水工事とは「トイレ」「キッチン」「お風呂」「洗面所」など生活で使用する水の給水・排水のために、建物の外(屋外)、敷地内を設置する工事です。
基礎工事と同時進行で行う場合もあります。また、下水が流せない土地では浄化槽の設置も必要になります。
【プレカット搬入・土台敷き】新築工事・工程
基礎が完成すると、プレカットが搬入されます。プレカットとは家を造るために必要な材料をあらかじめ工場で加工したものです。
土台敷きとは、基礎コンクリートの上に土台や大引を設置していく作業です。基礎も大事な工程ですが、この土台敷きやこのあとの構造部分は住宅の骨組みとなる大事な工程です。
写真のように建築資材が運ばれてきてからは天候に要注意です。基礎同様、建築資材の天敵は雨です。濡れないように雨養生がしっかりなされているかをチェックしましょう。
断熱材までセットになった木質パネル工法の資材は、とくに雨濡れ厳禁です。
【建て方(棟上げ)】新築工事・工程
棟上げは、施主が一番感動する工程になるでしょう。いままで図面上でしか見てこなかったものが、ほぼたった1日で形を成します。
木造住宅で、主要な構造(土台・柱・梁)を一気に組み立てます。
- 基礎パッキン敷き
- 土台置き・アンカーボルト
- 1階の柱を立てる
- 梁・胴差しで柱をつなぐ
- 2階の柱を立てる
- 梁・桁で柱をつなぐ
- 梁に小屋束を建てて母屋を上げる
- 一番高いところに棟木をあげて上棟
こういった流れで進みます。完成した時は、非常に感慨深いものです。
なお、鉄骨造で建築をする場合は大切なチェック項目があります。
クレーンなどで釣り上げて柱を組み立てていきますが、その際に金属同士がぶつかることがあります。というか、ほぼ間違いなくぶつかっています。
そのぶつかってできた箇所には傷が付いているはずですが、そこの補修をしっかり行わなければそこから腐食していきます。補修作業を必ずチェックしましょう。
【上棟式】新築工事・工程
一番高いところに棟木をあげて上棟が完了となり、その後に上棟式を行います。
大工さんに食事や飲み物を振舞ったり、大工さんや職人さんにご祝儀をお渡しするのが通例です。
ただ、上棟式は最近では割愛する方も多いようです。
→おすすめの「引っ越し業社」が判明!他社が認めた引っ越し業社は?
【屋根工事】新築工事・工程
次の工程は屋根工事(ルーフィング)、つまり屋根を作っていきます。
- 野地板の施工
- 下葺き材(防水シート)の施工
- 仕上げ材(ガルバニウム鋼板や瓦)の施工
の順に作業がすすみ、完了すると工事中でもある程度雨の心配がなくなります。
【木工事】新築工事・工程
大工さんが中心になって住宅の骨組みを木材で造っていく工程です。重要かつ長い工程ではありますが、多くのハウスメーカーで、大工さん1人〜2人(特殊な工事を除く)で行います。
土台、柱、梁、桁、小屋組み、
昨今は、木造軸組工法でも金具で補強の仕上げをすることがほぼです。金具がしっかり止まっているかをチェックしましょう。
【構造躯体検査】新築工事・工程
構造計算書と現場を照らし合わせながら、土台、床組、柱梁の大きさ、位置やずれ、接合は適正か、各所耐力壁の施工は適正かといった、構造躯体の施工検査が第三者機関により行なわれます。
【サッシ・窓設置工事】新築工事・工程
構造躯体検査が無事終了すると、サッシ工事が始まります。
サッシや窓が取り付けられると、我が家がますます家っぽさを増します。この時点ではまだ網戸が取り付けられていないこともありますが心配はいりません。
【電気工事】新築工事・工程
スイッチやコンセント、LAN、電話線まで配線や配管をつなぐ工事・工程です。
この工事が終わった後には一度チェックをしに行きましょう。図面と見比べながら、スイッチの高さや配置場所に差異がないかを確認します。
【中間検査】新築工事・工程
建築物を新築する際の中間工程のことを「特定工程」といい、この特定工程が終了した時点での検査が義務付けられています。
- 図面通りに工事が行われているかどうか
- 定められた基準通りに補強金物が設置されているか
- 構造上の欠損がないか
- 電気配線
- 給排水の配管
など、様々な検査項目を第三者機関がチェックしていきます。
【断熱工事】新築工事・工程
中間検査を通過すると、断熱工事が始まります。マイホームの快適さを左右するとても大切なポイントです。1〜2日ほどで終わってしまい、しかも施工後はすぐに施工ボードで隠されてしまいます。
絶対に見逃し厳禁のパートで、写真もバシバシ撮影しましょう。
多くの家でグラスウールという断熱材を壁に設置していくかと思います。職人さんによっては折り曲げて無理やり断熱材を詰め込んだり、仕上げが雑だったり、排気口のためにビニールに穴を開けたのに、気密テープなどで補修していなかったりすれば、断熱性能は大幅に差が出ます。
それどころか、断熱材を包むビニールに穴が開きっぱなしでは、中に湿気が入り、壁内結露でカビが発生します。ハウスダストの温床になるのはもちろん、主要な柱や梁にまでカビが侵食すれば、構造躯体の腐食や劣化につながります。
新築工事の工程もいよいよ終盤です。このあたりで、火災保険をどこにするかを調べておく必要があります。調べておかないと「特にこだわりがなければ、こちらで手配できる火災保険を紹介します」などと、よく分からないままハウスメーカー側に紹介料が入る火災保険に自動的に加入することになってしまいます。無料の「火災保険の一括見積もりサービス 」を活用し、知識だけでもつけておきましょう。
【ユニットバス工事】新築工事・工程
断熱工事のあとは、ユニットバスの工事が行なわれます。1日で完了します。
他の部屋はまだ断熱材がむき出しな中、壁やシャワー、鏡にドアに浴槽まで設置され、浴室だけ一気に完成します。
【フローリング工事】新築工事・工程
ほぼ同時期に、フローリングの工事も始まります。
徐々にですが、自分たちで決めた色味が家についてきます。このあたりを目安に引越し業者を決めていきましょう。
→おすすめの「引っ越し業社」が判明!他社が認めた引っ越し業社は?
【外壁工事】新築工事・工程
同時期に外壁工事も行なわれます。ハウスメーカーで注文住宅を建てる場合、外壁工事は、大工さんとは別の業者が行うことが多いです。
多くの一戸建てで採用されるサイディングの場合、
- 防水シートの施工
- 胴縁の施工
- サイディングの施工
- シーリング工事
の流れで行われ大部分の作業は1日〜2日で、完了までは10日ほど要します。家の外観がガラリと表情を変えて実感がわきます。ただ、実際には足場にシートが張っているため全貌を明らかにするのはまだ先です。
【板金工事】新築工事・工程
住宅における板金工事とは、必要箇所に金属鋼板を加工して取り付ける工程です。ステンレス板、カラー鋼板、ガルバリウム鋼板、アルミ板、銅板、チタン板などを取り付けることで、雨水の侵入を防いだり耐久性をあげます。
- 屋根工事
- 棟板金
- 破風板工事
- 雨どい工事
- 笠木巻き板金工事
- 水切り工事
などをおこないます。
【石膏ボード貼り付け】新築工事・工程
断熱材を壁全体に設置したら、それを覆うように壁一面に石膏ボードで蓋をしていきます。
写真のように機材でカットして、隙間なく埋めていきます。最近では、有害物質ホルムアルデヒドを短時間で吸収分解し、安定した物質と水に変える石膏ボードも人気です。
【クロス(壁紙)工事】新築工事・工程
クロス、つまり壁紙を貼る工程です。
- 下地処理
- クロスの裁断・糊付け
- クロス貼り
- 糊の拭き取り
- 養生機関
といった流れで進みます。
この工事が完了すると室内の表情がガラリと変わります。より生活していく自分たちが想像でき嬉しくなります。
一方で、きちんと施工がなされているか、特に継ぎ目や柄物の壁紙は要チェックです。浮き、汚れ、ちぎれ、糊跡がないかを確認します。
このあたりで引越し業者がまだ決まってないとそろそろ本当にやばいです。
【左官工事】新築工事・工程
外壁にサイディングではなく塗り壁、室内に壁紙(クロス)ではなく左官工事にて行う場合はこのタイミングで組み込まれます。
- パテ処理・下地作り
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り(仕上げ塗り)
といった工程で進み、一般的に工期や費用はクロスなどよりかかります。
【設備機器設置工事】新築工事・工程
新築戸建ての工事もいよいよ大詰めです。もうすぐマイホームが手に入ります。
このあたりからシステムキッチンやエアコン、洗面台など、設備機器が搬入設置されていきます。徐々に現実的に暮らせる家を成していく工程です。
エアコンはフラット35で住宅ローンを組んだ場合、検査の後でしか取り付けられないので注意です。
【クリーニング工事】新築工事・工程
最後に床や天井、サッシ、各設備など、あらゆる部分が念入りに清掃・クリーニングされます。
これまでの作業工程中、フローリングや壁の砂埃の汚れが気になっていたのですが、さすがにそのまま引き渡されることはありませんのでご安心ください。
【内覧会・完成検査】新築工事・工程
役所や第三者機関が行う公的な完了検査とは別に、施主、住宅会社、設計士立会いで完成検査が行われます。
担当者と一緒に現場を見て回り、建物が打ち合わせ通りにできているかを検査します。
【フラット35検査】新築工事・工程
住宅ローンをフラット35で申し込んだ場合は、最後にフラット35による建物の検査が行われます。
- 住宅の規格
- 断熱構造
- 耐火性能
- 接道
- 配管設備
などが基準に満ちている必要があります。
【竣工・引き渡し】新築工事・工程
ようやくここまでくると引き渡しとなります。
- 引き渡しの際には
- 鍵が全て揃っているか
- 引き渡し書類の記載内容に間違いはないか
- アフターメンテナンスの連絡先
- 工事の保証期間の記載
- 完成検査後の補修工事の終了時期は明確か
こういったことをチェックしましょう。
【外構・エクステリア】新築工事・工程
引き渡し後、先に入居してしまう場合、外構、エクステリアの工事はその後も続きます。
- 駐車場のコンクリート
- 駐輪場の屋根
- ブロック塀
- 人工芝
- 玄関アプローチ
- 門柱
- 柵や手すり
- インターロッキング
- ウッドデッキ
などなど、申し込んだ工事が完了すれば、ようやくマイホームの完成です。
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