「戸建てはマンションより防犯面が心配……」
マイホームを検討している方の中には、このように感じている方もいるのではないでしょうか。
確かに戸建て住宅は、玄関だけでなく勝手口や1階の窓、場合によっては2階の窓など、侵入口になり得る場所がいくつもあります。
しかし、戸建てだから防犯性が低いと決まっているわけではありません。大切なのは、侵入されやすい場所を知り、家の弱点に合わせて対策を重ねることです。
そして、高価な防犯設備を付ける前に忘れてはいけないのが、「きちんと施錠する」という基本です。警察庁の「住まいる防犯110番」でも、一戸建てでは窓からの侵入に注意が必要で、ガラス破りだけでなく無締りによる侵入への対策も重要とされています。
この記事では、今日からできることから新築・リフォーム時に検討したい設備まで、戸建ての防犯対策を10項目に整理して紹介します。

ポイントは「この家は簡単には入れなさそうだ」と思わせること。1つの設備だけに頼らず、侵入しにくい工夫を重ねていきましょう。
- 戸建ての防犯対策おすすめ10選
- 戸建ての防犯は「侵入しにくい家」にすることが基本
- 1.まずは窓・玄関の「無締り」をなくす
- 2.窓に補助錠・防犯フィルムを追加する
- 3.防犯ガラスを採用する
- 4.雨戸・シャッター・面格子を付ける
- 5.玄関・勝手口の防犯を強化する
- 6.人感センサーライトを設置する
- 7.録画機能付きインターホンを設置する
- 8.防犯カメラを設置する
- 9.外構・植栽・防犯砂利で死角を減らす
- 10.ホームセキュリティを導入する
- 新築・リフォームなら設計段階から防犯を考える
- 防犯対策は「全部やる」より予算に合わせて優先順位を決める
- 戸建て防犯のチェックリスト
- 戸建ての防犯対策でよくある質問
- 戸建ての防犯対策は「やる」と「やらない」では大きな違い
戸建ての防犯対策おすすめ10選

まずは、「結局何をすればいいの?」という方のために全体像をまとめます。
| 防犯対策 | 主な役割 | 特に確認したい場所・場面 |
|---|---|---|
| 1. 窓・玄関を確実に施錠 | 無締りを防ぐ | すべての戸建て |
| 2. 補助錠・防犯フィルム | 窓からの侵入に時間をかけさせる | 1階の窓・掃き出し窓 |
| 3. 防犯ガラス | ガラス破りへの対策 | 道路から見えにくい窓 |
| 4. 雨戸・シャッター・面格子 | 窓へ直接アクセスしにくくする | 1階の窓・小窓 |
| 5. 玄関・勝手口の防犯強化 | 出入口からの侵入対策 | 玄関・勝手口 |
| 6. 人感センサーライト | 暗がりを減らす | 玄関・家の裏・駐車場 |
| 7. 録画機能付きインターホン | 訪問者の確認・記録 | 玄関 |
| 8. 防犯カメラ | 監視・記録 | 玄関・駐車場・死角 |
| 9. 外構・植栽・防犯砂利 | 死角や侵入しやすい環境を減らす | 庭・建物周辺 |
| 10. ホームセキュリティ | 異常検知・通報・駆けつけ | 留守が多い家庭など |
すべてを一度に導入する必要はありません。
まず施錠を見直す→窓と玄関の弱点を確認する→必要に応じて外周や防犯カメラなどを追加するという順番で考えると、無駄な出費も抑えやすくなります。
戸建ての防犯は「侵入しにくい家」にすることが基本

戸建ての防犯を考えるとき、「防犯カメラを付ければ安心」「高い塀で囲えば安全」と、1つの設備だけで考えないことが重要です。
侵入されにくい家にするには、次のような要素を組み合わせます。
- 窓や玄関を確実に施錠する
- 侵入するまでに時間がかかるようにする
- 人目につきやすい環境をつくる
- 音や光で不審な行動を目立たせる
- 防犯カメラなどで記録する
例えば窓なら、「施錠+補助錠+防犯ガラス」のように対策を重ねる方法があります。
「これさえ付ければ絶対に安心」という設備を探すより、簡単には侵入できない家に近づけていくほうが現実的です。
高い塀=防犯性が高いとは限らない
プライバシーを守るため、高い塀や植栽で道路から家を見えにくくしたい方もいるでしょう。
ただし、外から見えないことが必ずしも防犯上プラスになるとは限りません。いったん敷地内に入られると、塀や植栽が外部からの視線を遮る死角になる場合があります。
家の中が丸見えになる必要はありませんが、玄関や窓の周辺に人が隠れられる場所を増やしすぎないことも大切です。
窓やドアを選ぶなら「CPマーク」も判断材料
新築やリフォームで窓・玄関ドア・シャッターなどを選ぶ場合は、CPマークも判断材料の一つになります。
CPマークは、官民合同会議が定めた試験に合格し、「防犯性能の高い建物部品目録」に掲載された製品に表示できるマークです。
対象には、ドア、錠、サッシ、ガラス、防犯フィルム、雨戸、面格子、窓シャッターなどがあります。
もちろん、CPマークが付いていればどのような状況でも侵入を防げるという意味ではありません。防犯性能を重視して設備を選ぶ際の、一つの目安として考えてください。
1.まずは窓・玄関の「無締り」をなくす

最初に確認したいのは、高価な防犯設備ではなく毎日の施錠です。
玄関は閉めていても、次のような場所が無締りになっていないでしょうか。
- 庭に面した掃き出し窓
- 洗面所や浴室の窓
- 勝手口
- 2階の窓
- 短時間の外出時の玄関
防犯ガラスや防犯カメラを設置していても、別の窓が開いたままでは意味が薄れてしまいます。
「ゴミ出しだけ」「近所のコンビニまで」という短時間でも、玄関や窓を施錠する習慣をつけておきたいところです。
また、2階だから安心とも限りません。カーポート、物置、室外機、脚立などが足場になり、2階へ近づきやすくなっていないかも確認してみてください。
2.窓に補助錠・防犯フィルムを追加する

比較的取り入れやすい窓の防犯対策が、補助錠や防犯フィルムです。
一般的な引き違い窓では、ガラスを破られてクレセント錠を操作されると、そこから侵入される可能性があります。
補助錠を追加しておけば、クレセント錠を開けられても、もう一つの錠を解除しなければ窓を開けられない状態にできます。
防犯フィルムは、ガラスが破壊されても簡単に大きな穴を開けにくくし、侵入に時間をかけさせるためのものです。
ただし、市販のフィルムをクレセント錠の周辺だけに貼れば、本格的な防犯フィルムと同じ性能になるわけではありません。
防犯性能の高いフィルムは、対象となるガラスや施工方法、貼り付け範囲などに条件があります。十分な性能を求める場合は、製品だけでなく施工方法まで確認し、必要に応じて専門業者へ相談しましょう。
3.防犯ガラスを採用する


予算に余裕があるなら、防犯ガラスも有力な選択肢です。
防犯ガラスは、ガラスの間に特殊な中間膜を挟むなどして、打撃を受けても簡単に侵入口となる穴を開けにくくしたガラスです。
ここで注意したいのが、「防犯ガラス=絶対に割れないガラス」ではないこと。
目的は絶対に割れなくすることではなく、破壊に時間をかけさせて侵入を難しくすることです。
新築だけでなく窓リフォームでも検討できます。防犯性能を重視するなら、CPマークの対象となっている防犯ガラスも候補になります。
4.雨戸・シャッター・面格子を付ける


窓ガラスへ直接触れにくくする方法として、雨戸や窓シャッターがあります。
不在時や就寝時に閉めておけば、窓ガラスを直接破壊するまでにもう一段階必要になるため、侵入のハードルを高くできます。
ただし、「シャッターが付いていれば安心」とは限りません。製品によって構造や防犯性能は異なるため、防犯を重視する場合は仕様まで確認しておきましょう。
浴室・洗面所・トイレなど、シャッターを付けにくい小さな窓では面格子も選択肢です。
面格子は簡単に外されにくい構造や取り付け方法であることが重要です。また、設置位置によっては面格子自体が2階へ上がる足場になる可能性もあるので、周辺環境まで含めて考えます。
5.玄関・勝手口の防犯を強化する

戸建てでは窓だけでなく、玄関や勝手口も確認しておきたいポイントです。
例えば、次のような対策があります。
- ツーロックにする
- 防犯性能の高い錠を選ぶ
- 補助錠を追加する
- ドアのすき間からこじ開けられにくい構造にする
- ガラス部分がある場合は窓と同様に対策する
特に勝手口は、玄関より道路から見えにくい位置にある住宅も少なくありません。
玄関ドアだけ高性能なものにして安心せず、勝手口を含めて家全体の出入口を確認しましょう。
カードキーやスマートキーなど便利な機能も増えていますが、便利さと防犯性能は必ずしも同じではありません。鍵の方式だけではなく、ドアや錠全体の防犯性能を見ることがポイントです。
6.人感センサーライトを設置する

夜間の防犯対策として取り入れやすいのが、人感センサーライトです。
人が近づいたときに自動で周囲が明るくなるため、暗い場所で人が行動しにくい環境をつくれます。
設置場所として検討しやすいのは、次のような場所です。
- 玄関周辺
- 勝手口
- 家の裏側
- 掃き出し窓の周辺
- 駐車場・駐輪場
私の家でも人感センサーライトを使っていますが、防犯だけでなく、夜に帰宅したときに足元が自動で明るくなるので実用面でも便利です。
大がかりな工事をせず設置できる製品もあるため、「まず何か対策したい」という方にも取り入れやすいでしょう。
7.録画機能付きインターホンを設置する

モニター付きインターホンも、戸建てでは役立つ防犯設備です。
玄関を開ける前に訪問者を確認できるほか、録画機能があれば、不在中に誰が訪れたのかも確認できます。
製品によってはスマートフォンと連携し、外出先から来訪者を確認・応答できるものもあります。
選ぶときは「最新モデルだから安心」ではなく、
- 録画機能があるか
- 夜間でも訪問者を確認しやすいか
- 必要ならスマートフォンと連携できるか
など、自分の生活に必要な機能を確認してください。
8.防犯カメラを設置する

防犯カメラは、敷地内で起きたことを記録するための設備です。
カメラが設置されていることが分かれば、不審者に侵入をためらわせる効果も期待できます。
設置するなら、ただ台数を増やすのではなく、
- 玄関
- 勝手口
- 駐車場
- 家の裏側
- 死角になりやすい窓
など、侵入されやすい場所を考えて配置することが大切です。
また、防犯カメラを設置するときは、隣家の窓や敷地を必要以上に撮影しないなど、近隣のプライバシーにも配慮しましょう。
ダミーカメラだけに頼るよりも、予算が許すのであれば実際に録画できるカメラを優先したほうが、万が一被害が起きたときにも役立ちます。
9.外構・植栽・防犯砂利で死角を減らす

建物の設備だけでなく、外構も戸建ての防犯性に関係します。
まず注意したいのが、塀や植栽による死角です。
道路から室内が丸見えになる必要はありませんが、玄関や窓の周辺に人が隠れられる場所を増やしすぎないようにします。

植木が大きくなっている場合は定期的に剪定し、見通しを確保しておくとよいでしょう。
さらに、次のような物が2階への足場になっていないかも確認します。
- 物置
- カーポート
- エアコンの室外機
- 脚立
- 大型の収納ボックス
家の裏側など、人が歩いても気付きにくい場所には防犯砂利を敷く方法もあります。
歩いたときに音が出るため、敷地内へ人が入ったことに気付きやすくなります。ただし、防犯砂利だけで侵入を防げるわけではありません。窓の施錠やセンサーライトなどと組み合わせて使うのが基本です。
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10.ホームセキュリティを導入する

自分で設置する防犯設備だけでは不安という方は、セコムやALSOKなどのホームセキュリティも選択肢になります。
窓やドアへの侵入などをセンサーで検知し、異常時に警備会社へ通報して駆けつけてもらえることが、自宅だけで行う防犯との大きな違いです。
特に、
- 日中に家を空ける時間が長い
- 長期出張や旅行が多い
- 子どもだけで留守番することがある
- 高齢の家族が暮らしている
- 設備だけでなく異常時の対応まで任せたい
といった家庭では検討する価値があります。
ただし、ホームセキュリティ会社によって、基本サービスに含まれる内容やオプション、初期費用、月額料金、補償・見舞金制度などは異なります。
例えば火災への対応についても、契約するプランによって扱いが異なる場合があります。「何かあったらすべて対応してもらえる」と考えず、申込み前にサービス範囲を確認してください。
新築・リフォームなら設計段階から防犯を考える

これから注文住宅を建てる方や、大規模なリフォームを予定している方は、完成後に防犯設備を追加するだけでなく、間取りや外構の段階から防犯を考えられます。
例えば、
- 道路から大きな死角になる窓を減らす
- 侵入しにくい大きさの窓を使う
- 勝手口の位置を検討する
- 2階への足場になる物をつくらない
- 防犯カメラやセンサーライト用の電源を準備する
- 外構で大きな死角をつくらない
といった方法があります。

例えばスリット窓は、採光や通風を確保しながら、人が通り抜けにくいサイズにできるのがメリットです。
とはいえ、窓が小さければ必ず安全というわけでもありません。開閉方法や設置場所、周囲に足場となる物がないかまで含めて考えます。
宅建士として戸建てを見るときも、建物内部だけではなく、「道路から玄関・窓がどう見えるか」「塀や植栽で死角ができていないか」「隣地やカーポートなどから2階へ近づきやすくないか」といった敷地全体を見ることが重要だと考えます。
建売住宅を購入するときも、室内の設備や間取りだけで判断せず、一度家の外をぐるっと歩いて確認してみてください。
防犯対策は「全部やる」より予算に合わせて優先順位を決める

ここまで紹介した対策をすべて導入すれば、当然その分だけ費用は大きくなります。
だからといって、「全部できないなら何もしない」と考える必要はありません。
例えば、次のような順番で考える方法があります。
- お金をかけずにできること:施錠、植栽の剪定、足場になる物の移動
- 比較的取り入れやすい対策:補助錠、防犯フィルム、人感センサーライト、防犯砂利
- 工事を伴う対策:防犯ガラス、シャッター、面格子、玄関ドア、防犯カメラ
- 継続的な費用をかける対策:ホームセキュリティ
特に新築では、防犯設備以外にも外構、家具・家電、カーテン、引っ越しなどの出費が続きます。
防犯設備を片っ端から追加するのではなく、自宅の弱点を確認し、効果が期待できる場所から予算をかけるほうが現実的です。
家本体の価格だけを見るのではなく、入居までに必要になる費用全体の中で優先順位を考えてみてください。
戸建て防犯のチェックリスト

ここまで読んだら、自宅の状況も簡単に確認してみましょう。
- □ 短時間の外出でも玄関・窓を施錠している
- □ 1階だけでなく2階の窓も確認している
- □ 勝手口の鍵も毎回かけている
- □ 窓に補助錠や防犯フィルムなどを検討した
- □ 玄関・勝手口の防犯性能を確認した
- □ 家の裏側や窓周辺に大きな死角がない
- □ 植栽が伸びすぎていない
- □ 室外機・物置・脚立などが2階への足場になっていない
- □ 夜間に暗くなる場所を把握している
- □ 防犯カメラを設置するなら死角まで確認した
- □ 長期不在時に郵便物などをためない
- □ 必要に応じてホームセキュリティも比較した
チェックが付かなかった項目が多くても、すべてを一気に改善する必要はありません。
まずは施錠や家の周囲の整理など、お金をかけずにできるところから始めれば十分です。
戸建ての防犯対策でよくある質問

戸建ての防犯対策は何から始めるべきですか?
まずは玄関・勝手口・窓の施錠状況を確認してください。
そのうえで、1階の掃き出し窓や道路から見えにくい窓、死角になっている勝手口など、自宅の中で侵入されやすそうな場所から対策するのがおすすめです。
最初から高額な設備をそろえる必要はありません。補助錠やセンサーライトなど、比較的取り入れやすいものから始めてもよいでしょう。
防犯フィルムだけでも効果はありますか?
防犯フィルムは、ガラスを簡単に破って侵入口をつくらせないための対策として役立ちます。
ただし、製品や施工方法によって性能は異なります。特に本格的な防犯性能を求める場合は、貼る範囲や施工条件まで確認してください。
また、防犯フィルムだけに頼らず、補助錠などと組み合わせたほうが防犯対策としては考えやすくなります。
2階の窓にも防犯対策は必要ですか?
必要です。
「2階だから入れないだろう」と思いがちですが、物置、カーポート、室外機などが足場になれば、2階の窓やベランダへ近づける場合があります。
特に足場になりそうな物がある場所では、窓の施錠や補助錠なども確認しておきましょう。
シャッターは毎日閉めたほうがいいですか?
シャッターを防犯目的で設置していても、開いたままでは窓を直接狙われる可能性があります。
就寝時や長時間の外出時など、必要な場面で閉める習慣をつけておくことが大切です。
ただし、シャッターだけで完全に侵入を防げるわけではないため、窓の施錠など基本的な対策も続けてください。
防犯カメラとホームセキュリティはどちらがおすすめですか?
目的が違うため、単純にどちらが上とは言えません。
防犯カメラは、敷地内の状況を記録したい人に向いています。一方、ホームセキュリティは、異常を検知したあとに警備会社への通報や駆けつけまで求める人向けです。
「記録できればよいのか」「留守中の異常対応まで任せたいのか」で選ぶと分かりやすいでしょう。
戸建ての防犯対策は「やる」と「やらない」では大きな違い

戸建ての防犯対策で大切なのは、「これさえ付ければ絶対に安全」という設備を探すことではありません。
まずは玄関や窓を確実に施錠する。そのうえで補助錠、防犯フィルム、シャッター、人感センサーライト、防犯カメラなどを、自宅の弱点に合わせて組み合わせていきます。
何の対策もない家より、鍵が複数あり、窓を破るのにも時間がかかり、周囲が明るくなり、防犯カメラにも記録される家のほうが侵入のハードルは高くなります。
つまり防犯対策は、1つの設備で完璧を目指すのではなく、「簡単には入れない家」に少しずつ近づけていくことがポイントです。
これから新築する方は設計段階から、すでに戸建てに住んでいる方は今できることから、家族と住まいを守るための防犯を見直してみてください。
また、防犯設備だけでなく、ご近所との日頃のコミュニケーションや、長期不在時に郵便物をためないといった日常の対策も忘れないようにしましょう。


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