「グラスウールと吹付ウレタンなら、どちらが暖かい?」
「セルロースファイバーは高いけれど、本当にそれだけの価値がある?」
注文住宅を検討していると、住宅会社によって使っている断熱材が違うため、どれを選べばいいのか迷います。
結論からいうと、「一番優秀な断熱材」を素材名だけで決めることはできません。
同じグラスウールでも製品によって性能は違いますし、熱伝導率が低い断熱材でも、厚みや施工方法が違えば住宅としての性能は変わります。
これから家を建てるなら、「グラスウールかウレタンか」だけで比較するのではなく、熱伝導率・厚み・施工方法・断熱等性能等級・UA値・窓まで見てください。
この記事では、グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、吹付け硬質ウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポリスチレンフォームなど、住宅で使われる主な断熱材の特徴と選び方を解説します。
※断熱材の熱伝導率や仕様は、製品・密度・JIS区分などによって異なります。本文中の数値は代表例であり、実際に採用する製品の仕様書をご確認ください。
- 結論|断熱材は「どれが最強?」ではなく自分の家の仕様で選ぶ
- 断熱材と一緒に「断熱等級・UA値」も見る
- 断熱材の熱伝導率を比較|数字が小さいほど熱を伝えにくい
- グラスウール|安いから性能が低いわけではない
- ロックウール|耐火性・吸音性にも特徴がある
- セルロースファイバー|断熱+吸音・吸放湿性が特徴
- 吹付け硬質ウレタンフォーム|複雑な部分に施工しやすい
- グラスウールと吹付ウレタンはどっちがいい?
- フェノールフォーム|薄くても高い断熱性能を確保しやすい
- ポリスチレンフォーム|床・基礎・外張り断熱でも使われる
- 充填断熱・外張り断熱・付加断熱の違い
- 断熱材の価格を比較するときは「材料単価」より変更差額を見る
- 断熱材選びで失敗しない7つのチェックポイント
- 宅建士・FP視点|契約前は断熱材より「自分の仕様」を残す
- 断熱材についてよくある質問
- まとめ|断熱材の名前ではなく「自分の家がどうなるか」で選ぼう
結論|断熱材は「どれが最強?」ではなく自分の家の仕様で選ぶ

断熱材にはそれぞれ得意なことがあります。
| 重視したいこと | 候補になりやすい断熱材 |
|---|---|
| コストと性能のバランス | 高性能グラスウールなど |
| 複雑な部分への施工性 | 吹付け硬質ウレタンフォーム |
| 薄い厚みで高い断熱性能 | フェノールフォームなど |
| 吸音性・吸放湿性も重視 | セルロースファイバー |
| 床・基礎・外張り断熱 | ポリスチレンフォームなど |

じゃあ、「セルロースなら高性能」「グラスウールなら普通」みたいには決められないんですね。

そうだね。「何を使うか」だけでなく「何mm使うか」。その結果、自分の家がどのUA値・断熱等級になるのかまで見よう。
断熱材の商品名は比較の入口です。
最終的には、自分が契約する住宅の性能で判断する。これを覚えておけば、住宅会社の「高性能断熱材を採用しています」という説明だけで迷いにくくなります。
断熱材と一緒に「断熱等級・UA値」も見る
2025年4月以降に着工する住宅では、省エネ基準への適合が原則義務化されています。
省エネ基準適合住宅の断熱性能は断熱等性能等級4以上ですが、住宅性能表示制度にはさらに等級5・6・7があります。
そのため、昨今のハウスメーカー選びで「断熱材をしっかり入れています」だけでは、性能の違いがほとんど分かりません。
| 見る数字・項目 | 何が分かる? |
|---|---|
| 熱伝導率(λ値) | 断熱材そのものの熱の伝わりやすさ |
| 厚み | 実際にどれだけの厚さを施工するか |
| 熱抵抗値(R値) | 熱伝導率と厚みを合わせた熱の通しにくさ |
| UA値 | 窓などを含む建物外皮全体の熱の逃げやすさ |
| 断熱等性能等級 | 住宅全体の断熱性能を比較する公的な基準 |
例えば、熱伝導率の低い断熱材を使っていても施工厚が薄ければ、それだけで高断熱住宅とは判断できません。
逆に、比較的安価な断熱材でも必要な厚みを確保し、窓まで含めて設計すれば、高い断熱性能を目指せます。
UA値や断熱等性能等級について詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。

断熱材の熱伝導率を比較|数字が小さいほど熱を伝えにくい

住宅でよく使われる断熱材には、グラスウールなどの繊維系と、ウレタンフォームやフェノールフォームなどの発泡プラスチック系があります。
まず知っておきたいのが「熱伝導率(λ値)」です。
単位はW/(m・K)で、同じ厚みで比べるなら、基本的には数値が小さい断熱材ほど熱を伝えにくくなります。
| 断熱材 | 熱伝導率の代表例・目安 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| グラスウール | 約0.050~0.032W/(m・K) | 製品グレードが多く、コストと性能のバランスを取りやすい |
| ロックウール | 製品により異なる | 無機繊維系で耐火性・吸音性にも特徴 |
| セルロースファイバー | 約0.040W/(m・K) | 吸音性・吸放湿性にも特徴 |
| 吹付け硬質ウレタンフォーム | JIS区分・製品により異なる | 現場で発泡させ、複雑な部分にも施工しやすい |
| フェノールフォーム | 0.020W/(m・K)クラスの製品もある | 薄い厚みで高い熱抵抗を確保しやすい |
| ポリスチレンフォーム | 種類・製品により異なる | 床・基礎・外張り断熱などにも使われる |
ここで面白いのがグラスウールです。
「安い断熱材」というイメージを持つ人もいますが、現在は熱伝導率0.032W/(m・K)の高性能グラスウールもあります。
一方、日本セルローズファイバー工業会のセルロースファイバーは、通常施工で0.040W/(m・K)として設計できるとしています。
つまり、素材名のイメージと熱伝導率の優劣は必ずしも一致しません。
熱抵抗値(R値)なら厚みも含めて考えられる
もう一つ覚えておきたいのが「熱抵抗値(R値)」です。
熱抵抗値は、断熱材の厚みを熱伝導率で割って求めます。基本的には数値が大きいほど熱を通しにくくなります。
例えば、熱伝導率ではAの断熱材が優秀でも、Bの断熱材をより厚く施工すれば、同程度の熱抵抗を確保できる場合があります。
住宅会社から断熱材の名前を聞いたら、続けて「壁には何mm入りますか?」と聞いてみてください。
これだけでも比較の精度がかなり変わります。
グラスウール|安いから性能が低いわけではない

グラスウールはガラスを細い繊維状に加工し、その間に空気を保持して断熱する材料です。
住宅用断熱材として広く使われており、製品の選択肢が多く、コストと性能のバランスを取りやすいのが特徴です。
グラスウールのメリット
- 比較的コストを抑えやすい
- 製品の種類が多い
- 高性能グラスウールも選べる
- 無機繊維系で燃えにくい
- 吸音材としても使われる
「グラスウール=断熱性能が低い」という認識は正確ではありません。
高性能グラスウールには熱伝導率0.032W/(m・K)の製品もあり、「グラスウール」という名前だけでは性能を評価できないからです。
グラスウールの16K・24Kとは?数字が大きければ高性能とは限らない
グラスウールを調べていると、「10K」「16K」「24K」「36K」などの数字を見かけます。
このKは密度を表す区分として使われますが、Kの数字だけを見て断熱性能を決めるのはおすすめしません。
現在は、より細いガラス繊維を使うことで断熱性能を高めた「高性能グラスウール」もあります。
例えば同じメーカーでも、16Kで熱伝導率0.038W/(m・K)の高性能グラスウールがある一方、超細繊維を使った36Kでは0.032W/(m・K)の製品があります。
住宅会社には「何Kですか?」だけでなく、製品名と熱伝導率を聞く方が確実です。
グラスウールは施工と防湿も見る
グラスウールでは、筋交いや配線、コンセントボックスなどの周囲まできれいに充填されているかが重要です。
防湿層が必要な仕様では、防湿・気密層が適切に施工されているかも性能や耐久性に関わります。
担当者には、
- 壁・天井または屋根・床に使う製品名
- それぞれ何mm施工するか
- 防湿層をどのようにつくるか
- 断熱施工後にどのような検査をするか
を聞いてみてください。
ちなみに、我が家の壁にもグラスウールを使っています。
実際に暮らしてみて「グラスウールだから寒い」と感じたことはありません。
むしろ私が気になったのは、真夏に窓の近くへ行ったときの熱や換気でした。
もしもう一度家を建てるとしても、私は「グラスウールかどうか」より、自分の家のUA値と窓仕様を先に確認します。
ロックウール|耐火性・吸音性にも特徴がある

ロックウールは、鉱物などを高温で溶かして繊維状にした無機繊維系の断熱材です。
断熱材としてだけでなく、耐火性や吸音性を生かしてさまざまな建築物に使われています。
ロックウールのメリット
- 無機質系で燃えにくい
- 吸音性がある
- 住宅用断熱材として長く使われている
一方、「ロックウールだからグラスウールより上」とは限りません。
採用されている製品と厚みを見たうえで、家全体の性能を比較します。
セルロースファイバー|断熱+吸音・吸放湿性が特徴

セルロースファイバーは、新聞などの古紙を主原料とした木質繊維系の断熱材です。
日本セルローズファイバー工業会では、通常施工における熱伝導率を0.040W/(m・K)として設計できるとしています。
セルロースファイバーのメリット
- 繊維の間に空気を保持して断熱する
- 吸音性がある
- 木質繊維の吸放湿性を持つ
- 吹込み工法で施工できる
断熱性能だけでなく、吸音性なども含めて断熱材を選びたい人には検討候補になります。
「調湿するから結露しない」わけではない
セルロースファイバーには吸放湿性がありますが、それだけで住宅の結露対策が不要になるわけではありません。
壁内部の結露リスクは、断熱材だけでなく、防湿層・透湿層・通気層など壁全体の構成や地域の気候条件にも左右されます。
また、吹込み工法では所定の密度や厚さで施工することも重要です。
セルロースファイバーを希望するなら、材料の特徴と合わせて、その住宅会社や施工会社の施工方法・実績も聞いておきたいところです。
吹付け硬質ウレタンフォーム|複雑な部分に施工しやすい

吹付け硬質ウレタンフォームは、施工現場で原液を吹き付けて発泡させ、断熱層をつくる工法です。
柱や配管の周囲など、複雑な形状にも追従させやすい点が特徴です。
吹付け硬質ウレタンフォームのメリット
- 複雑な形状にも施工しやすい
- 下地へ密着させやすい
- 連続した断熱層をつくりやすい
- 種類によって高い断熱性能を持つ

吹き付けなら、施工する人による差は気にしなくていいんですか?

そこは注意したいね。吹付けウレタンも現場で施工する断熱材だから、吹付け厚さや原液、施工条件などの品質管理が必要だよ。
吹付けウレタンは「職人の技量を気にしなくていい断熱材」ではありません。
ウレタンフォーム工業会も、現場施工であることから原液・施工の品質管理を重視し、品質自主管理基準を設けています。
担当者には、「壁は何mm吹き付けますか?施工後の厚みはどう確認しますか?」と聞いてみましょう。
吹付ウレタン=高気密住宅とも限らない
吹付けウレタンは下地に密着し、複雑な部分にも施工しやすいため、隙間の少ない断熱層をつくりやすい特徴があります。
ただし、住宅全体の気密性能は断熱材だけで決まるものではありません。
「吹付ウレタンだからC値も良いはず」と推測せず、気密性能まで重視するなら、実際の住宅で気密測定をするかを住宅会社へ聞いてください。
グラスウールと吹付ウレタンはどっちがいい?

断熱材選びで特に比較されるのが、グラスウールと吹付け硬質ウレタンフォームです。
| 比較項目 | グラスウール | 吹付け硬質ウレタンフォーム |
|---|---|---|
| 価格傾向 | 比較的抑えやすい | グラスウールより高くなるケースがある |
| 断熱性能 | 製品グレードで大きく異なる | 種類・JIS区分で異なる |
| 施工 | 隙間なく充填する技術が重要 | 吹付厚や施工条件の管理が重要 |
| 複雑な部分 | 形状に合わせて施工する | 発泡するため追従させやすい |
| 気密 | 気密層を含む施工を見る | 密着しやすいが、住宅全体の気密性能とは別 |
| 向いている人 | コストと性能のバランスを取りたい人 | 吹付施工の特徴を生かしたい人 |
ここで「吹付ウレタンの勝ち」「グラスウールなら安いから妥協」という結論にはしません。
例えば、グラスウール仕様で希望する断熱等級・UA値を十分に達成でき、価格も抑えられるなら、それは合理的な選択です。
反対に、建物形状や住宅会社の標準工法との相性から、吹付けウレタンを採用する方が施工しやすい場合もあります。
比較するときは住宅会社に、
- グラスウール仕様ならUA値はいくつか
- 吹付ウレタン仕様へ変更するとUA値はいくつになるか
- 変更差額はいくらか
- 窓など他の仕様も変わるのか
まで出してもらうと判断しやすくなります。
材料名で勝敗を決めるより、「希望する性能をいくらで実現できるか」を比べる方が実用的です。
フェノールフォーム|薄くても高い断熱性能を確保しやすい

フェノールフォームは、フェノール樹脂を発泡させたボード状の断熱材です。
代表的な製品である旭化成建材「ネオマフォーム」は、熱伝導率0.020W/(m・K)以下を公表しています。
フェノールフォームのメリット
- 熱伝導率が低い高性能製品がある
- 薄い厚みでも高い熱抵抗を確保しやすい
- 外張り断熱や付加断熱にも利用される
壁厚に制約がある場合や、より高い断熱性能を目指す住宅では有力な選択肢です。
ただし、材料性能が高くても、ボードの継ぎ目や柱・金物周辺などの納まりは重要です。
標準仕様から変更する場合は、「高性能になります」だけでなく、UA値がどこまで変わり、追加費用はいくらなのかを出してもらいましょう。
ポリスチレンフォーム|床・基礎・外張り断熱でも使われる

ポリスチレンフォームには、ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)や押出法ポリスチレンフォーム(XPS)などがあります。
どちらも発泡プラスチック系ですが、製造方法や製品グレードによって性能は異なります。
ボード状で使われることが多く、壁の外張り断熱だけでなく、床・基礎などでも採用されています。
仕様書に「ポリスチレンフォーム」とだけ書かれている場合は、EPS・XPSのどちらなのか、製品名と厚みまで見てください。
充填断熱・外張り断熱・付加断熱の違い

断熱性能を考えるときは、材料だけでなく「どこに施工するか」も重要です。
充填断熱
充填断熱は、柱や間柱など構造材の間へ断熱材を入れる方法です。
木造住宅では広く使われ、構造材の間のスペースを利用できるため、コストと断熱性能を両立しやすい方法です。
一方、筋交いや配線、配管などがある部分まで適切に施工する必要があります。
外張り断熱
外張り断熱は、柱などの構造体の外側へ断熱材を施工する方法です。
構造材の外側を連続して覆いやすいため、柱などを通って熱が移動する「熱橋」を抑えやすい特徴があります。
外側へ断熱材を施工するため、「断熱材が厚い分だけ室内が狭くなる」と単純に考える必要はありません。
一方で、断熱材・外装材の固定方法や外壁側の納まりなど、外張り断熱ならではの設計・施工も必要です。
付加断熱
より高い断熱性能を目指す住宅では、柱間の充填断熱に加えて、構造体の外側にも断熱材を施工する「付加断熱」が使われます。
重要なのは「断熱材を二重にしている」という宣伝文句ではなく、その仕様でどのUA値・断熱等級になるのかです。
住宅の工法について詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。

断熱材の価格を比較するときは「材料単価」より変更差額を見る

断熱材の価格は、種類だけでなく施工面積・厚み・工法・住宅会社によって変わります。
そのため、「グラスウールなら○万円」「セルロースなら○万円」という一律の金額だけで比較するのは難しいところです。
注文住宅で知りたいのは、自分が検討している住宅会社で標準仕様から変更すると、総額がいくら増えるのかです。
| 知りたいこと | 担当者への質問 |
|---|---|
| 標準仕様 | 壁・屋根・床には何の断熱材を何mm使いますか? |
| 標準性能 | このプランの断熱等級とUA値はいくつですか? |
| 性能アップ | 断熱等級を上げる場合、どの仕様を変更しますか? |
| 追加費用 | 変更すると建物総額はいくら増えますか? |
| 窓 | 断熱材だけでなく、サッシやガラスも変更しますか? |
FPの視点では、「断熱性能を上げれば上げるほどいい」と予算を青天井にする必要はありません。
例えば断熱グレードアップにまとまった費用が必要なら、追加額だけを見るのではなく、住宅ローンに組み込んだ場合の負担、入居後の冷暖房、快適性、何年住む予定なのかまで含めて判断します。
一方、断熱材や窓は、キッチンの水栓や壁紙のように完成後簡単に交換できる部分ではありません。
建築時にお金をかける部分と、後から変更できる部分を分けて予算配分することが大切です。
断熱材選びで失敗しない7つのチェックポイント

住宅会社を比較するときは、次の7項目を仕様書や担当者への質問で確認してください。
- 断熱材の商品名
「高性能断熱材」だけで終わらせず、具体的な製品を聞く。 - 熱伝導率
同じ種類でも製品グレードによって違う。 - 施工厚
壁・屋根または天井・床または基礎を部位別に見る。 - 断熱工法
充填・外張り・付加断熱のどれなのかを見る。 - 断熱等性能等級とUA値
自分が契約するプランの数値を出してもらう。 - 窓・玄関ドア
サッシやガラスも含めて住宅全体を見る。 - 施工・検査方法
断熱施工後に誰が、どのように確認するのか聞く。

営業担当者から「断熱等級6にも対応できます」と聞いたら、「私が検討しているこのプランも等級6ですか?」まで聞いてください。対応可能な仕様と、自分が契約する仕様は同じとは限りません。
宅建士・FP視点|契約前は断熱材より「自分の仕様」を残す

住宅会社のカタログやモデルハウスで高い断熱性能が紹介されていても、その仕様がすべての住宅へ標準採用されるとは限りません。
商品、建築地域、間取り、窓の大きさ、オプションなどによって仕様が変わることがあります。
宅建士の視点で契約前に重視したいのは、営業時の説明だけで終わらせず、自分の住宅に採用される仕様を図面・仕様書などで確認することです。
最低でも、
- 断熱等性能等級
- 自宅プランのUA値
- 壁・屋根または天井・床または基礎の断熱材と厚み
- 窓・玄関ドアの仕様
- 標準仕様とオプションの範囲
を整理してから契約へ進むと、「モデルハウスと同じ性能だと思っていた」というズレを防ぎやすくなります。
またFPの視点では、断熱性能だけを最大化するのではなく、建物総額とのバランスも必要です。
複数社を比較するなら、各社へできるだけ同じ希望条件を伝え、「この価格ならどの性能まで含まれるのか」を比べてください。
届いた見積もりは金額だけを並べず、断熱等級・UA値・窓・断熱材の厚みなど、含まれている仕様をそろえて比べましょう。
断熱材についてよくある質問

結局、一番おすすめの断熱材はどれですか?
一つには決められません。
コストとのバランスなら高性能グラスウール、吹付施工の特徴を生かしたいなら硬質ウレタンフォーム、薄い厚みで高い性能を求めるならフェノールフォーム、吸音性なども重視するならセルロースファイバーなど、目的によって候補は変わります。
まず希望するUA値・断熱等級を決め、その性能を実現できる仕様と価格を比べてください。
グラスウールの家は寒いですか?
グラスウールだから寒いとは言えません。
高性能グラスウールには熱伝導率の低い製品もあり、住宅全体の性能は施工厚、窓、建物形状などでも変わります。
グラスウール16Kと24Kなら24Kの方が暖かいですか?
K数だけでは判断できません。
高性能グラスウールでは繊維の細さなどによって性能を高めた製品もあるため、K数だけでなく、その商品の熱伝導率を見てください。
吹付けウレタンなら気密性も安心ですか?
吹付けウレタンは複雑な部分へ密着させやすい特徴がありますが、住宅全体の気密性能が自動的に決まるわけではありません。
気密性を重視するなら、断熱材の商品名より「完成する住宅で気密測定をしますか?」と聞く方が確実です。
セルロースファイバーはグラスウールより高性能ですか?
何を比較するかによります。
セルロースファイバーには吸音性・吸放湿性などの特徴がありますが、熱伝導率だけなら高性能グラスウールの方が低い製品もあります。
断熱性能だけでなく、価格や施工方法、吸音性など、自分が重視する条件で比べましょう。
断熱材は厚ければ厚いほどいいですか?
同じ断熱材なら厚みを増やすことで熱抵抗は高くなりますが、住宅には構造・壁厚・施工方法・コストなどの条件があります。
断熱材だけを厚くするのではなく、目標とするUA値や断熱等級から、壁・屋根・床・窓をまとめて設計してもらう方が合理的です。
高い断熱材にすれば光熱費で元が取れますか?
「何年で必ず元が取れる」とは言えません。
地域、家の大きさ、冷暖房設備、家族人数、設定温度、電気料金、日射条件などで光熱費は変わるからです。
追加工事費だけで損得を決めず、長く住む家の快適性や住宅ローンへの影響まで含めて判断してください。
まとめ|断熱材の名前ではなく「自分の家がどうなるか」で選ぼう

グラスウール、セルロースファイバー、吹付け硬質ウレタンフォーム、フェノールフォームなど、それぞれに長所と注意点があります。
住宅会社から断熱材の説明を受けたら、最後に聞いてほしいのはこの3つです。
- 壁・屋根・床には、何を何mm使いますか?
- この家の断熱等級とUA値はいくつですか?
- その性能は見積金額に含まれていますか?
この3点が分かれば、「高性能断熱材だから安心」「グラスウールだから不安」といった素材名だけの比較から一歩進めます。
断熱材は完成後に簡単に交換できる設備ではありません。
材料の特徴を知ったうえで、自分が契約する住宅の性能・仕様・価格を比べる。
それが、断熱材選びで失敗しないための一番現実的な方法です。


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