マイホーム計画で失敗した方の要因をまとめると、
- 情報や知識不足
- 担当者をプロだからと信用してしまい、任せっきりだった
という意見が多く挙げられます。
例えば、ある日、我が家の建築現場に行くと、断熱材が施工されているとします。その断熱材のコンセントらしき場所に穴が開けられています。
あなたはこれを見て、なにか危機感を覚えますか?
施工担当者に、
「この穴は、後で気密テープなどで修復するんですよね?修復が終わったら石膏ボードを貼る前に確認したいのですが」
と、言えますでしょうか?
そもそも断熱材に開けた穴を補修をするメーカーとしないメーカーがあり、それにより同じ断熱材でも効果は違い、さらにそれが要因で壁内結露を起こし腐敗や劣化がすすみ、木造なら腐る、鉄骨造なら錆びる。それが主要な柱で、そんな状態で万が一大震災が発生したとしたら…。
ところであなたが検討しているメーカーは、万が一にどこまで保証してくれますか?それは他のメーカーと比べて優れていますか?
注文住宅の資料請求をするべき一番の理由
「木造」よりも「鉄骨造」の方が強そうですが、実は地震のときに揺れやすいのは「鉄骨造」です。
だから対抗策として鉄骨造メーカーは「制震装置」を標準搭載していることが多いのですが、営業さんは「うちは全棟制震装置が標準ですから安心感が違いますよ!」と自慢げに語ります。
当時私がこの話を聞いたら、「それなら安心だ!しかも、標準搭載ってお得!」と思ったことでしょう。
いまの私なら「そりゃあ、鉄骨造は揺れますもんね。それに、その制震装置の費用を負担するのは、結局私たち客でしょう?そんなこと自慢しないでくださいよ。」と思います。
このように、マイホーム計画を後悔しないように進めるには、知っておきたい知識がたくさんあるのです。
そして、なにも知らないまま営業マンのセールストークを聞きに行くと、「この人は知識が豊富だ」「このメーカーなら安心だ」と鵜呑みにしてしまうのです。
ある技術を持っていないメーカーの営業さんは、本当はそれがあったほうが良いと知っていても、それをわざわざ客には伝えません。それを言ってしまえば、客はよそに逃げるからです。
本当はもっと良い断熱材にできるのに、予算オーバーで住宅ローンの審査が通らない可能性がある場合、わざわざグレードアップの提案やアドバイスをしません。それを言ってしまえば、客はよそに逃げるからです。
「マイホームのことは難しいからプロに任せたい」「うちは地元工務店に決めている」「あのハウスメーカーの社員さんは知り合いだから安心」と思っている方でも、他メーカーの情報や住宅の知識を得ておくべきです。
なぜなら、
- プロだからミスをしないとは限らない(資金計画、設計、施工)
- 知り合いの社員が最初から最後まで一人で家を建てるわけではない
- 他メーカーの技術を知ることで「こんなこともできるのか」と知ることができる
- 他メーカーのカタログと比べることで「そういう事だったのか」と理解を深める
ことができるからです。
だからこそ、マイホーム計画を成功させる第一歩、それは「情報収集」です。
そして、その手段として有益なのが「資料・カタログ」です。気なるメーカーは可能な限り一社でも多く請求すべきです。
まったく後悔のないマイホームを建てるのは不可能です。
ですが、限りなく理想に近いマイホームを、限りなく納得のいく価格で手に入れることは可能です。
そのために、今回紹介するカタログ活用術を役立て、営業マンに丸め込まれない知識をつけていただければ幸いです。
一括資料請求はどこでする?
マイホーム関連の資料の一括請求をする方法はいろいろあります。
- 雑誌「housing」
- SUUMO
- ライフルホームズ
- タウンライフ家づくり
などがあります。
どれも有名ですし、どこから請求しても届くカタログは同じですから、好みで選んでしまってよいでしょう。ただ、より具体的な比較検討をするならば「タウンライフ」が良いでしょう。
ここでの資料一括請求はカタログはもちろん、あなたの要望から各メーカーの
- 間取り
- 資金計画
まで提案してもらえます。
各ハウスメーカーの「間取りセンス」「得意分野・特徴」があり、それが「予算いくら」で建つのか、横並びで比較できるので便利です。
「なんじゃこりゃ!うちの予算じゃ住友林業には手が届かない」と絶望し、候補から即消した記憶が懐かしいです。
注文住宅の資料請求をしてはいけないデメリット!?
さて、そんな注文住宅の資料請求ですが、ためらう方がいるようです。
注文住宅の資料請求についてWEB検索すると、「注文住宅の資料請求はしないほうがいい」という口コミ評判がよくあります。
私もマイホームの情報を調べようとした際に、そんな記事が多数みかけたので、資料請求に対してなんとなく悪い印象を持っていました。
住宅の資料請求「それって本当にデメリット?」
しかし、その記事の主張をまとめますと、
- 営業の電話が鳴り止まない
- 営業にたくさん訪問される・しつこい
- 担当者・営業が決まってしまう
という内容がばかりです。
「なるほど、で、それの一体何が悪いのだろう?」
というのがシンプルな感想でした。
むしろ、資料請求もせずに無知のまま、いきなりどこかのハウスメーカーの営業所に行って、上手なセールストークに丸め込まれるほうが恐怖です。
マイホームに興味がある人にとってはむしろメリット
デメリットどころか、マイホームに興味がある私にとってはむしろメリットでした。
なぜなら、資料請求をした時点で、私はマイホームに興味があったからです。とても興味がありました。しかし、私は家に関してまったくの素人でした。
だから住宅に関わるプロのお話をたくさん聞きたかったし、できるだけたくさんの人の意見やアドバイスを聞きたかったからです。それがたとえ、その方の自社アピールに終始しようとも。
一生に一度の大きな買い物、比較しないなんてありえません。
そんな私にとって、
「マイホームの知識があるプロの方達が、交通費も出していないのにわざわざ自宅までたくさんの資料や情報を運んで来てくれる」
こんなにありがたいことはありません。
もちろんその人たちの中には、アポイントメントなしで訪問する方もいましたし、1日に複数のハウスメーカーや工務店から電話が来ることもありました。
でも、電話が鳴り止まないなんて口コミは大嘘ですし、たしかに必死でしつこい営業さんや無礼な方もいましたが、きちんと説明をすれば、もれなく全員わかってくれました。
→実際に私が資料請求をし、本当に営業に追われるのか検証した結果
万が一それでもダメなら、
「よく比較検討したいので、これ以上はこちらからの連絡を待ってください。次、何かしらのアクションがあった時点で、申し訳ないですが候補からは外させていただく旨を、本社にお伝えします。」
というキラーワードがあります。
ですからWEB上に出回っている程度のデメリットは、「資料請求をすべきではない」ということを主張するにはあまりに根拠不足だと言えます。
注文住宅の資料請求・カタログのメリット活用術
ここからは、注文住宅で資料請求するともらえるカタログの活用方法を紹介してまいります。
ご一読いただければ、なぜここまで私がカタログにこだわるのかもご理解いただけると思います。
情報収集だけならWEBでも可能ですが、実際に手にとることができるカタログ冊子だからこそのメリットが満載です。
カタログはマイホームの教科書として活用
最初は難しく感じる経済新聞や英字新聞でも、日々読んでいくことで言葉や表現に脳が慣れていきます。
同じように、住宅カタログに書いてある言葉も、最初は耳慣れないものばかりでなかなか頭に入ってきません。ついついインテリアやエクステリアの写真ばかりみて夢が膨らんでしまうものですが、最初はそれでオーケーです。
ですが、あまり読みたくない難しいページにこそ重要な情報があるのも事実です。
ハウスメーカーのカタログは大きく厚みがありますが、写真や図表などを豊富に使用し、とてもわかりやすくしてあります。難しくて一度はスルーしたページも、何度も見るうちに慣れてきます。
ただでさえ必要な知識が多く、理解するのが難しい内容をわかりやすく教えてくれるとても便利な教科書です。
また、一つのメーカーだけでなく、いろいろなメーカーのカタログで違う表現や角度で学ぶことでさらに理解が深まります。
付箋をたくさん貼る
WEBサイトにもブックマークという機能がありますが、それはあくまでページURLを残すものです。
カタログならば、気になるページの気になる箇所にペタペタと付箋を貼って、しかも必要に応じて自由にメモしていくことが可能です。
- 気になるインテリア
- 採用したい間取り
- 工法や耐震等級、断熱性能など
- アフターサービスや保証
こう言った部分にどんどん付箋をしていきます。そして、不要になったら剥がすだけ。こうして、情報の取捨選択を常に更新できるのです。
この手軽さはWEBサイトではなかなか得られません。
読み慣れたカタログを活用し、「他のメーカーは耐震等級3と表記していますが、御社はどうして表記しないのですか?」と、気になる質問を担当営業にぶつける武器とすることも可能です。
そして、あなたが「よし、この会社に決めた!!」という頃には、ピカピカだったカタログもびっしりメモや付箋のされた最強の教科書になっているでしょう。
スマホ画面より大きいカタログだからみんなでシェア
スマホ画面は小さく、パソコン画面は光の関係でみんなでみるには向きません。
しかしカタログなら、テーブルの上に広げて家族で見ることができ、そこで出た意見はどんどん書き込んだり、目印をつけることができます。
質問したいことにも目印をつけておけば、次回担当営業との打ち合わせの時にもれなく聞くことができます。
時間が合わない夫婦の情報共有に便利
共働きの世帯など、なかなかマイホームに関する話し合いの時間を一緒にすることができない家族もあるかと思います。
時間が合わない夫婦にもカタログは便利です。
やはり、付箋やメモを貼り付けることになるのですが、「このデザインが気になる」「間取りがいい」など、パートナーに見ておいてほしい箇所に目印をつけておきます。
こうすることで、自分がいない間にカタログを見る方に自分の思いを伝える情報伝達ツールとなるのです。
必要な情報だけをまとめたカタログを活用
大手ハウスメーカーともなると、様々なジャンルのカタログを用意しています。
- 総合カタログ
- 技術カタログ(工法・耐震・断熱)
- 商品ラインアップカタログ
- 間取り・インテリア実例集
- コンセプトカタログ(二世帯住宅、ペット、ママ目線)
知りたいことだけを詳しく説明しているカタログは、とくに「他メーカーと比較検討」する際に非常に便利です。
センスの合うハウスメーカーが明確になる
ハウスメーカーのカタログを繰り返し読んでいくと、自分とセンスが合うハウスメーカーのカタログばかりを手に取っていることに気づきます。
おそらく付箋の数も他メーカーと比べて多いことでしょう。
それだけそのハウスメーカーは、あなたとフィーリングやセンスが合う会社であり、気になる存在であると言えます。
そうやって出会えたハウスメーカーは、候補の一つとして検討しても良いでしょう。
カタログの気になるデザインを切り抜きスクラップブックに
候補から外れたハウスメーカーのカタログでも、外観やインテリア、間取りだけは参考にしたいということがあるかと思います。
そう言った場合は思い切ってハサミでその部分だけを切り抜きし、スクラップブックを作成しましょう。
お気に入りだけを集めたスクラップブックは、マイホーム計画の間取り決めや、中盤以降のインテリアコーディネーターとの打ち合わせの際に非常に役立ちます。
打ち合わせの場所に持参して「このページのこのイメージが好きなんです」とインテリアコーディネーターにみせる場合も言葉よりはるかに伝わることでしょう。
とくに、自分のイメージを人に伝えることが苦手な方にはおすすめのカタログ活用術です。
気になる項目で分類し、評価・比較しやすくする
マイホームの知識が身に付いてくると、次第に比較したい部分が明白になってきます。
そうなればハウスメーカー探しもいよいよ大詰めです。候補になっているハウスメーカーのカタログに目印をつけて、分類・評価をしていきます。
- 耐震性能が高い(耐震等級、制震・免震)
- 断熱性能が高い(断熱材、窓、換気システム)
- 工法(木造軸組、2×4、鉄骨、RC)
- アフターサービスが手厚い(補償額や年数)
- 価格帯
- 標準の住宅設備のグレードが高い
- 全館空調や太陽光発電の導入実績
- 北欧デザインや真壁造り、漆喰壁など特殊技術の可否
など、優先したい項目や譲れない項目を分類分けしていきます。
こうすることで、ハウスメーカーを決定した後に「しまった、これがなかった」という後悔を減らせます。
マイホーム完成後も、カタログが大切な思い出に
WEBではなく、手に取ることができるカタログのメリット、それは形に残るということです。
事実、たくさんの付箋を貼り、メモを残し、よれたページのあるカタログは、私の家族にとってもいい思い出として大切にしています。
時には読み返して「あの時はこうだったね」「これで言い合いになったよね」などと、人生を振り返るシーンにおいても、カタログは温もりを感じられるアイテムといえます。
さて、ここでもう一度、マイホーム関連の資料一括請求をできるツールを確認しておきます。
- 雑誌「housing」
- SUUMO
- ライフルホームズ
- タウンライフ家づくり
などがあります。
どれも有名で便利なので好みで選んでしまってよいでしょう。ただ、より具体的な比較検討をするならば「タウンライフ」が良いでしょう。
カタログでハウスメーカーが宣伝広告にお金を使っているか比較
ここからはちょっとした余談ですので、ご興味のある方だけお付き合いください。
これは大手ハウスメーカーには酷な主張ですが、資料請求はその会社がカタログ(自社の宣伝)にどれだけお金をかけているかを比較することにも使えます。
同じ会社なのに、いろんな種類のカタログがあったり、紙質などがやけに高価なところは、それだけお金をかけているということです。
カタログだけでなく、テレビや雑誌で人気タレントを起用した派手なCMや宣伝広告費、建設されている豪華なモデルハウスの建築費用・維持費は、そのハウスメーカーに依頼した客(施主)の建築費用に盛り込まれているとご存知ですか?
「諸経費」や「その他費用」など、表現の仕方は様々ですが、あなたの資金計画のどこかにひっそりと盛り込まれています。
これはなにもハウスメーカーに限ったことではなく、世の中の宣伝広告をしている会社の商品には、必ず広告費が価格に上乗せされています。
しかし、問題なのがその金額です。数百円などというレベルではなく、数十万円、数百万円というケースもわりと当たり前です。
ですから、それを知っている地元工務店は「大手ハウスメーカーより30%ほど安く建築できます」と豪語します。「大手が1500万円で建てる家なら、うちは同じものを1000万円でできますよ」というのです。そして、それが本当にできるのです。
おまけに大手ハウスメーカーにマイホームを依頼しても、実際に家を建てるのは下請けの地元工務店の大工さんというのは、一部の会社を除き本当の話です。
結論、一番お得に納得の行く建築をする方法は、
「マイホームのことをみっちり勉強して、地元で腕のいい大工がいる工務店を足を使って探し依頼する」ということです。
が、それはなかなか難しい。
大手ハウスメーカーに依頼する際には、そういった煩わしいことを全て任せる「手数料」が取られるのだな、と割り切るのが良いでしょう。
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