今回は、マイホームを戸建ではなくマンションで購入することに決断した方に、マンション購入の際の注意点、チェックすべきポイントを紹介してまいります。
せっかくの決断に水を差すような内容も含まれているかとおもいますが、マイホーム・マンション購入で失敗しない為には、とにかく情報収集が大切です。買った後では遅いのです。
是非、最後までお付き合いください。
マンション購入者の誤解
まずは、マイホームをマンションに決めた方の多くが誤解していることを確認していきましょう。
一軒家の方がマンションより高い
「我が家はあまり資金に余裕がないからマンションで妥協しよう」と誤解されている方が多いようです。かく言う私もそうでした。
しかし、それは同じ立地で同じ間取りの部屋で比べた場合の話であり、当然ですが選ぶ物件によってまったく違います。
むしろ、駅近のマンションより少し離れた駐車場付きの戸建ての方が安く、電車ではなくマイカー通勤で快適になったという方も大勢います。
固定資産税は一軒家の方が高い
同じく、一軒家の方が固定資産税が高いという誤解です。
正確には固定資産税はマンションの方が高いです。
固定資産税の税率と軽減措置 | |||
税率 |
軽減措置 |
軽減措置適用条件 | |
土地 | 評価額×1.4%(0.3%) |
1/6
床面積10倍までを1/3 |
1月1日時点で住宅家屋が建っている住宅用地である |
建物 |
新築後3年間税額1/2 ※3階建て耐火・準耐火住宅は5年間 ※2020年3月31日まで認定長期優良住宅は2年間延長 |
住宅の床面積が50㎡以上280㎡以下 |
固定資産税は「建物」と「土地」で算出係数が違うのですが、その関係で「土地」の比重が少ないマンションは固定資産税が高くなるのです。
加えて、戸建ての場合は建物の価値が20年でほぼ0になるのに対し、マンションは半分くらいまでしか下がらないので、税金も高いままなのです。
マンションの方が日当たりが良く部屋が明るい
一般的に太陽を遮るものが少ないマンションの方が日当たりがいいのは当然ですが、近くに同じ高さのマンションやビルがあれば話は別です。
また、部屋の明るさに関しては、一軒家であればどの方位にも窓を設置できるだけでなく、最近は勾配天井など高い位置にも窓を設置して採光ができるため、上下左右を塞がれているマンションと比べた場合、部屋の明るさ、採光の自由度は一軒家に軍配があがります。
【耐震性能・構造】マンション購入の注意点
さて、マンション購入者が誤解しがちなことをおさらいしたところで、改めてマンション購入前に注意しておきたいことを確認してまいります。
まずは、耐震性能・構造です。
耐震性能は、大きく3つに分類されます。
- 耐震
- 制震
- 免震
の3つです。
「耐震」は地震に対する建物の強さを表し、「制震」「免震」は揺れそのものを建物に伝えない技術で「制震」より「免震」の方が揺れません。当然、耐震構造にかけるコストは「免震」が一番です。
さらに、耐震等級というものがあります。
耐震等級比較表 | |
耐震等級1 | 建築基準法(法律)にて定められている、最低限の耐震性能。・阪震度6強~7の地震でも、即倒壊はしないレベル。ただし、大規模修繕や建て替えとなる可能性がある。 |
耐震等級2 | 等級1の1.25倍の耐震性能。震度6強~7の地震でも、一定の補修程度で住み続けられるレベル。 |
耐震等級3 | 等級1の1.5倍の耐震性能。震度6強~7の地震でも、軽い補修程度で住み続けられるレベル。 |
耐震等級1でも、実は充分なレベルなのですが、最近の大手ハウスメーカーは軒並み耐震等級3をクリアしています。
一方、耐震等級1でも基準はクリアしていることと、コストの面から、多くのマンションでは等級1の物件が多いです。
耐震構造にコストをかけすぎると、マンションの1戸あたりの価格も高くなり購入に繋がりにくくなることが原因です。
【タワーマンションのデメリット】マンション購入の注意点
タワーマンションと聞くと響きはいいですが、デメリットについても知っておく必要があります。
優越感や眺望、ステータスといった意味では価値は高いですが、狭い敷地に沢山の人が住むため、それだけ土地の割当分が少なくなります。
エレベーターも、朝の出勤時間帯が被ると待ち時間が長くなり、せっかく駅まで徒歩5分のタワーマンションなのに、マンションを出るまで10分という話もまれではありません。
タワーマンションのメリットとデメリットを知ると、場合によっては低層マンションの方が住みやすいケースも少なくありません。
【立地】マンション購入の注意点
マンションの立地選びはかなり重要です。
駅近で好アクセスの物件は、近隣も賑わい、よく言えば便利、悪く言えば騒音や治安の問題が出てきます。
郊外のマンションは、静かで緑あふれる暮らしができますので子育てや老後は良いかもしれませんが、現役時代は車がなければ不便です。老後、車の運転ができなくなれば生活が不便になるおそれもあります。
まず、今後マンションを売買する予定があるならば、アクセスの悪いマンションは絶対に選んではいけません。これから人口がどんどん減っていく中で、マンションは空室が目立ってきます。
好立地のマンションですら空きが出る時代に、アクセスの悪いマンションはタダでも売れない、手放せないという状況に陥ります。
担当者は「売りたい・売らなきゃやばい」ので将来の資産価値の話は鵜呑みにはできません。自分でのリサーチを徹底しましょう。
【遮音性】マンション購入の注意点
マンション住まいで一番と言って良いほどのデメリットは、音の問題です。
最近はとくに、変な人が多いですから、上下左右お向かいさんまで、生活音や足音を気遣いしなくてはなりません。
また、こちらが静かにしているのに上の階やお隣さんがうるさい場合もあるでしょう。
そうならないために、遮音性は購入前に必ずチェックしておきしょう。
1つの基準が、コンクリート床のスラブ圧です。この厚みが「20cm〜25cm」はある物件を選びましょう。
さらに、遮音性能の指標はパンフレットにも表記されている数値でも確認できます。
- 重量床衝撃音はΔLH-2以下
- 軽量床衝撃音はΔLL-3以下
最低でも上記指標を満たしている物件を選びましょう。
【共用施設】マンション購入の注意点
マンション購入の際には、共用施設のチェックも必要です。
- 高級なロビー
- ペット用の設備
- 来客応対スペース
- 育児スペース
- 共有キッチン
など、一見あるに越したことはないなと思いがちですが、これらを管理するのは自分たちです。当然、維持や清掃のための管理費がかかり、それらを支払うのは自分たちです。
子供がいるうちは良いですが、大きくなり使わなくなったとしても容赦なく請求されます。ペット用施設も同様です。
また、来客が滅多にない方は応対スペースやロビーが高級である必要もありません。
将来、自分が使わないのに管理費を払いたくない、などという入居者同士のトラブルも懸念されますので、過剰な共用施設があるマンションはよく検討しましょう。
【設備】マンション購入の注意点
最近はマンションの標準装備も増えました。ただ、それもマンションによって様々です。
- 24時間ゴミステーション
- 宅配ロッカー
- ディスポーザー
- 食器洗い乾燥機
- 浴室暖房乾燥機
ぐらいは最低限ついていた方が良いでしょう。
逆に、共有施設同様、自分たちが使わない過剰な設備は無駄なコストアップになりますので、よく検討しましょう。
【諸経費・ランニングコスト】マンション購入の注意点
マンションを購入した後、住宅ローンの返済が始まるわけですが、マンション購入で他にかかる経費・ランニングコストについても知っておきましょう。
- 修繕積立金
- 管理費
- 固定資産税
- 都市計画税
- 駐車場
マンションの共用設備にトラブルがあった場合や、外壁、配管トラブルはいつ起こるかわからないため、毎月修繕積立金を徴収されます。清掃費やコンシェルジュを雇う場合の管理費、マイホームの定めである固定資産税や都市計画税、そして駐車場を借りる場合は別途駐車料がかかります。
ちなみに、修繕積み立て金の目安は1㎡平均202円(国土交通省ガイドラインより)です。最初は購入者の負担を軽く見せるために安くしているところがありますが、いずれはこのぐらいの金額になります。
【組合加入】マンション購入
分譲マンションの購入者は、全員が建物・敷地および付属施設の管理を行うために構成する「管理組合」に、希望するしないの有無に関わらず、法律上、組合員になるものとされています。
入居者の中から役員を決めたり、修繕などマンションにかかわる話し合いをする総会を行ったりします。
自営業や専業主婦でほぼ自宅にいるという理由で、役割を押し付けられたという方もいます。
同じマンションに住む者同士で、人間関係は避けて通れない部分ですので、マンション購入をする方は頭に入れておきましょう。
まとめ|マンション購入の注意点
ということでここまでマンション購入の注意点をまとめさせていただきましたが、いかがだったでしょうか?
せっかくマンション購入を決断した方には酷な情報だったかもしれませんが、買ってから後悔するよりははるかに良いと思っています。
「なんか高そうだから」という理由でマンションに妥協しようと考える方も多いようですが、そんなことはありません。
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それでは。
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