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住宅性能表示とは?等級・基準と住宅性能評価のメリット・費用を解説

マイホーム計画中にハウスメーカーや工務店の公式サイトを見ると、「地震に強い」「高断熱」「長く住める」など、どの会社も住宅性能の高さをアピールしています。

でも、いざ比較しようとすると困ります。

「高性能なのは分かったけれど、結局ほかの住宅会社と比べてどのくらい高いの?」

広告に書かれている言葉だけでは、なかなか判断できません。

そこで役立つのが、国が定めた共通ルールで住宅の性能を評価する「住宅性能表示制度」です。

耐震性や断熱性などを共通の基準で表示できるため、住宅会社ごとに表現が違っていても比較しやすくなります。

ただし、住宅性能評価はすべての家で必ず取得しなければならないものではありません。評価を受けるには費用がかかり、等級も高ければ高いほど無条件に良いというものではありません。

この記事では、住宅性能表示制度の仕組みや等級の見方、住宅性能評価書を取得するメリット・デメリット、費用、住宅会社を比較するときの注意点まで分かりやすく解説します。

  1. 結論|住宅性能評価は「性能を第三者に確認してほしい人」と相性がいい
  2. 住宅性能表示制度とは?
    1. 住宅性能表示制度と住宅性能評価書の違い
  3. 設計住宅性能評価書と建設住宅性能評価書の違い
  4. 住宅性能表示は10分野33項目|新築は4分野10項目が必須
  5. 住宅性能表示で特に確認したい5つの性能
    1. 耐震等級|等級1〜3
    2. 断熱等性能等級|等級1〜7
    3. 一次エネルギー消費量等級|住宅設備を含めた省エネ性能
    4. 劣化対策等級|等級1〜3
    5. 維持管理対策等級|等級1〜3
  6. 等級は高ければ高いほどいい?
  7. 住宅性能評価書を取得するメリット
    1. 住宅会社を同じ基準で比較しやすい
    2. 第三者機関に性能を確認してもらえる
    3. 契約上の住宅性能を明確にしやすい
    4. 建設住宅性能評価を受けた住宅は紛争処理制度を利用できる
    5. 地震保険の割引に利用できる場合がある
    6. 住宅ローンの金利引下げ要件の確認に使える場合がある
  8. 住宅性能評価を取得するデメリット
    1. 評価・申請に費用がかかる
    2. 高い等級を実現するために建築費が上がる場合がある
    3. 設計の自由度と調整が必要になることがある
  9. 住宅性能評価の費用はいくら?
  10. 宅建士視点|「耐震等級3相当」と「耐震等級3取得済み」は分けて考える
  11. FP視点|等級アップは建築費だけでなく将来のお金まで見る
  12. 住宅性能評価・長期優良住宅・BELSの違い
  13. 住宅性能評価を申請する流れ
  14. 住宅性能評価は必要?いらない?
    1. 取得を検討したい人
    2. 優先順位を下げてもよいケース
  15. 住宅性能表示についてよくある質問
    1. 住宅性能評価は義務ですか?
    2. 住宅性能評価を取得していないハウスメーカーは性能が低い?
    3. 住宅性能評価書があれば欠陥住宅にならない?
    4. 設計住宅性能評価だけでも意味はある?
  16. まとめ|住宅性能表示はハウスメーカーを比較する「共通のモノサシ」

結論|住宅性能評価は「性能を第三者に確認してほしい人」と相性がいい

住宅性能評価を取得する大きな意味は、住宅会社の説明だけでなく、登録住宅性能評価機関という第三者に住宅性能を確認してもらえることです。

住宅性能評価が向いている人 必ずしも優先しなくてよい人
住宅会社を共通基準で比較したい 予算をできるだけ建物本体へ回したい
耐震・断熱性能などを客観的に確認したい 必要な性能を別の方法で十分確認できている
図面だけでなく施工段階も第三者に確認してほしい 評価書そのものを必要としていない
住宅ローンや地震保険の優遇に使える可能性を確認したい 利用予定の制度で評価書を求められていない
契約内容を性能面でも明確にしたい 費用に対してメリットを感じない

「住宅性能評価書を取れば安心」と考えるより、「自分が重視する性能を第三者に確認してもらうために使う制度」と考えると分かりやすいでしょう。

また、住宅会社のカタログなどに「耐震等級3相当」「断熱等級○相当」と書かれていても、第三者機関による住宅性能評価を受けているとは限りません。

住宅会社を比較するときは、等級だけでなく住宅性能評価書を取得するのかまで確認すると違いが見えやすくなります。

住宅性能表示制度とは?

住宅性能表示制度のマーク

住宅性能表示制度とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき、住宅の性能を共通の基準で評価・表示する制度です。

評価方法や表示方法は国が定めているため、「A社では高性能、B社では最高性能」といった各社独自の言葉ではなく、同じモノサシで比較できます。

実際の評価を行うのは、ハウスメーカーや工務店自身ではありません。

国の登録を受けた登録住宅性能評価機関が基準に沿って評価し、その結果が「住宅性能評価書」として交付されます。

住宅性能表示制度と住宅性能評価書の違い

言葉が似ていますが、次のように整理すると分かりやすいです。

用語 意味
住宅性能表示制度 住宅性能を共通ルールで評価・表示する制度そのもの
住宅性能評価 登録住宅性能評価機関が住宅を評価すること
住宅性能評価書 評価結果が記載された書類

「住宅性能表示を取得する」という言い方もありますが、実際に取得するものは住宅性能評価書です。

設計住宅性能評価書と建設住宅性能評価書の違い

新築住宅の住宅性能評価書には、大きく2種類あります。

設計住宅性能評価書と建設住宅性能評価書

種類 何を確認する?
設計住宅性能評価書 設計図書を確認し、予定している住宅がどの性能を満たす設計になっているか評価する
建設住宅性能評価書 施工途中や完成時に検査し、評価を受けた設計どおりに工事されているか確認する

ここは意外と重要です。

設計住宅性能評価は、「この図面どおりに建てれば、この性能になる」という設計段階の評価です。

一方の建設住宅性能評価では、施工段階・完成段階でも検査を行います。

つまり、「高性能な設計か」と「その設計どおり施工されているか」は別の確認です。

第三者による施工段階のチェックまで重視するなら、建設住宅性能評価まで取得するか確認しておきましょう。

住宅性能表示は10分野33項目|新築は4分野10項目が必須

新築住宅の住宅性能表示制度では、住宅の性能を10分野33項目に分けて評価します。

すべてを必ず評価するわけではなく、そのうち4分野10項目が必須評価項目です。

分野 主に確認する性能 新築の必須分野
構造の安定 地震・強風・積雪などに対する強さ
火災時の安全 火災の発見・避難・延焼防止など
劣化の軽減 柱や土台などを長持ちさせる対策
維持管理・更新への配慮 給排水管などの点検・補修のしやすさ
温熱環境・エネルギー消費量 断熱性能・省エネルギー性能
空気環境 ホルムアルデヒド・換気など
光・視環境 窓や採光など
音環境 床・壁・窓などの遮音性能
高齢者等への配慮 段差・通路幅などバリアフリー性能
防犯 窓や玄関など開口部の侵入防止対策

家づくりをする側が33項目すべてを覚える必要はありません。

まずは、必須分野に含まれる耐震・断熱・省エネ・劣化対策・維持管理を中心に、自分が重視する性能を見ていく方が実用的です。

住宅性能表示で特に確認したい5つの性能

耐震等級|等級1〜3

地震への強さを見る代表的な指標が耐震等級です。

耐震等級 考え方
等級1 建築基準法で求められる耐震性能に相当する水準
等級2 等級1より高い耐震性能
等級3 住宅性能表示制度上の最高等級

注文住宅では耐震等級3をアピールする住宅会社も増えていますが、数字だけを見るのではなく、第三者評価の有無まで確認しておくと安心です。

また、耐震性能は間取りによっても変わります。大開口や大空間など希望するプランを反映した状態で、どの等級になるのか確認してください。

断熱等性能等級|等級1〜7

断熱等性能等級は、外壁・床・屋根・窓などを通して熱が逃げたり入ったりするのを抑える性能を評価する等級です。

最高等級は7です。

主な等級 位置づけの目安
等級4 省エネ基準に相当する水準
等級5 ZEH水準
等級6 等級5よりさらに高い断熱性能
等級7 住宅性能表示制度上の最高等級

新築住宅では省エネ基準への適合が原則義務化されているため、「等級4だから特別に高断熱」と考えるのではなく、住宅会社を比較するときは等級5・6・7など、その先の性能差まで見た方が違いをつかみやすくなります。

ただ、断熱等級だけで住み心地のすべてが決まるわけではありません。

窓の性能、日射の取り入れ方、気密性、換気、間取り、地域の気候なども合わせて考える必要があります。

一次エネルギー消費量等級|住宅設備を含めた省エネ性能

断熱等性能等級が主に建物の外皮性能を見るのに対し、一次エネルギー消費量等級は、暖房・冷房・換気・照明・給湯など住宅設備を含めたエネルギー消費量を評価します。

等級7・8も設けられており、最高等級は8です。

「断熱性能が高い家」と「エネルギー消費を抑えた家」は似ているようで、評価している内容が違います。

住宅会社を比較するときは、断熱等性能等級だけでなく一次エネルギー消費量等級も確認すると、省エネ性能をより立体的に判断できます。

劣化対策等級|等級1〜3

劣化対策等級は、構造躯体に使われる材料を長持ちさせるために、どの程度対策されているかを見る指標です。

木造住宅なら腐朽やシロアリ、鉄筋コンクリート造なら鉄筋のさびなど、構造によって確認する内容が異なります。

最高等級は3です。

家は建てた瞬間だけ高性能でも意味がありません。長く住む予定なら、耐震・断熱だけでなく耐久性にも目を向けたいところです。

維持管理対策等級|等級1〜3

維持管理対策等級は、給排水管や給湯管などについて、点検・清掃・補修をしやすくするための配慮を評価します。

住宅設備は将来交換しますし、配管も永久に使えるわけではありません。

壁や床を大きく壊さなければ配管を交換できない住宅より、点検・補修しやすい住宅の方が将来の維持管理はしやすくなります。

最高等級は3です。

等級は高ければ高いほどいい?

等級で表示される項目については、基本的に数字が大きいほど高い性能を表します。

ただし、すべて最高等級にすれば最高の家になるとは限りません。

断熱性能を高めれば建築費が上がることがありますし、耐震性能を高めるために壁の量や配置へ制約が生じれば、希望する大開口や間取りとの調整が必要になるケースもあります。

反対に、高い性能によって冷暖房費を抑えられたり、地震への安心感が高まったりするメリットもあります。

最高等級を集めることよりも、「わが家では何を優先するか」を決めることが大切です。

住宅性能評価書を取得するメリット

住宅会社を同じ基準で比較しやすい

一番分かりやすいメリットです。

「高断熱」「地震に強い」「長持ちする家」という広告表現だけでは、住宅会社同士を正確に比較できません。

住宅性能表示なら共通基準で評価されるため、例えば「耐震等級3」「断熱等性能等級6」というように比較できます。

第三者機関に性能を確認してもらえる

性能を評価するのは住宅会社自身ではなく、登録住宅性能評価機関です。

さらに建設住宅性能評価まで受ければ、図面だけでなく施工段階・完成段階で検査が行われます。

住宅会社を信用する・しないという話ではなく、数千万円の住宅だからこそ第三者の目を入れることに価値を感じる方には大きなメリットです。

契約上の住宅性能を明確にしやすい

宅建士の視点から特に注目したいのがここです。

登録住宅性能評価機関が交付した住宅性能評価書やその写しを、新築住宅の請負契約書・売買契約書に添付するなど一定の方法をとると、原則として評価書に記載された性能を有する住宅を契約したものとみなす仕組みがあります。

営業担当者から性能について説明を受けるだけの場合と、住宅性能評価書に性能が表示され、その内容が契約に反映されている場合では意味が違います。

住宅性能を重視して住宅会社を選ぶなら、広告の言葉ではなく「契約上どの性能が約束されているのか」まで確認しておきましょう。

建設住宅性能評価を受けた住宅は紛争処理制度を利用できる

建設住宅性能評価書が交付された住宅では、請負契約や売買契約に関するトラブルが起きた場合、指定住宅紛争処理機関による「あっせん・調停・仲裁」を利用できます。

申請手数料は原則1件1万円です。

対象は住宅性能評価書に書かれた性能だけではなく、評価住宅の請負契約・売買契約に関する紛争です。

もちろんトラブルが起きないことが一番ですが、万が一の場合に専門的な紛争処理制度を利用できる点は、建設住宅性能評価ならではのメリットです。

地震保険の割引に利用できる場合がある

耐震性能が一定の条件を満たせば、地震保険の耐震等級割引を受けられる場合があります。

耐震等級 地震保険の耐震等級割引
等級1 10%
等級2 30%
等級3 50%

住宅性能評価書を取得しただけで、自動的に50%割引になるわけではありません。

また、住宅会社の広告に「耐震等級3相当」と書かれているだけで割引が適用されるわけでもありません。地震保険では、耐震性能を確認できる所定の書類が必要です。

地震保険の割引まで考えているなら、住宅会社と保険会社の双方に必要書類を確認しておくと安心です。

住宅ローンの金利引下げ要件の確認に使える場合がある

住宅性能が一定の基準を満たすことで、住宅ローンの優遇を受けられる場合もあります。

例えば【フラット35】Sでは、省エネルギー性・耐震性・耐久性など所定の技術基準を満たした住宅について、一定期間の金利引下げがあります。

住宅性能評価書を取得すれば、どの住宅ローンでも金利が安くなるわけではありません。

利用する住宅ローンが決まっている場合は、必要な性能と証明書類を事前に確認しましょう。

住宅性能評価を取得するデメリット

評価・申請に費用がかかる

住宅性能評価は無料ではありません。

料金は評価機関や住宅の規模、構造、評価する項目などによって異なりますが、設計住宅性能評価と建設住宅性能評価を合わせると、十数万円以上になるケースがあります。

選択する評価項目や現場への出張費、住宅会社の申請代行費などが加算されることもあります。

住宅会社から「住宅性能評価は標準です」と説明された場合も、費用が建物価格や諸費用に含まれている可能性があります。

「標準=完全無料」と考えず、見積書の中でどのような扱いになっているか確認しておくと分かりやすいでしょう。

高い等級を実現するために建築費が上がる場合がある

「住宅性能評価の申請費」と「高い性能を実現するための建築費」は別です。

例えば、耐震性能を高めるために構造を強化したり、断熱性能を高めるために断熱材や窓の仕様を変更したりすれば、建築費が増える場合があります。

住宅性能評価そのものが家を高性能にしてくれるわけではありません。

高い性能の住宅を設計・建築する費用と、その性能を第三者に評価してもらう費用は分けて考える必要があります。

設計の自由度と調整が必要になることがある

希望する性能によっては、間取りや窓の大きさなどとの調整が必要になることがあります。

例えば耐震性能を優先すると、耐力壁を必要な位置に確保するため、希望する大開口や吹き抜けなどと調整が必要になるケースがあります。

とはいえ、「高い等級=自由な設計ができない」という意味ではありません。

希望する間取りと目標性能を早い段階で設計担当者へ伝え、どこまで両立できるのか相談するのがおすすめです。

住宅性能評価の費用はいくら?

住宅性能評価の費用に全国一律の料金表はありません。

評価料金は登録住宅性能評価機関によって異なり、住宅の規模や構造、評価内容などでも変わります。

費用 考え方
設計住宅性能評価 設計図書を審査するための評価費用
建設住宅性能評価 施工中・完成時の現場検査を含む評価費用
選択項目 追加評価によって加算される場合がある
出張費 現場所在地によって別途必要になる場合がある
住宅会社の申請代行費 住宅会社ごとに扱いが異なる
性能向上の建築費 断熱・耐震など仕様変更による費用。評価費とは別

料金例としては、設計評価と建設評価を合わせて十数万円程度以上になるケースがありますが、全国共通の価格ではありません。

「住宅性能評価はいくら?」と住宅会社へ確認するときは、申請手数料だけでなく、建設住宅性能評価まで含まれているか、申請代行費まで含んだ総額はいくらかを聞いてみてください。

宅建士視点|「耐震等級3相当」と「耐震等級3取得済み」は分けて考える

ハウスメーカーや工務店の広告を見ると、「耐震等級3相当」「最高等級相当」といった表現を見かけることがあります。

ここは住宅会社比較で特に注意したいポイントです。

「相当」という表現だから性能が低いと決めつける必要はありません。実際に等級3と同等の性能を目指して設計されている住宅もあります。

ただし、第三者による住宅性能評価を受け、正式に耐震等級3と評価されたことまで意味するとは限りません。

住宅会社へは、次のように聞いてみると分かりやすいでしょう。

  • 耐震等級はいくつを標準にしていますか?
  • 住宅性能評価書を取得しますか?
  • 設計住宅性能評価だけですか?建設住宅性能評価まで取得しますか?
  • 希望する間取りでも同じ等級を取得できますか?
  • 取得費用は見積もりに含まれていますか?

注文住宅は、同じ住宅会社でもプランによって性能が変わる可能性があります。

「この会社は耐震等級3だから大丈夫」と会社単位だけで判断せず、自分が実際に建てる住宅について何が確認されるのかを見ることが大切です。

FP視点|等級アップは建築費だけでなく将来のお金まで見る

住宅性能を高めると建築費が上がることがあります。

そのため、「断熱等級6にすると○万円上がる」「耐震等級3にすると追加費用がかかる」と聞くと、住宅価格を抑えるために性能を削りたくなるかもしれません。

ただ、FPの視点では初期費用だけで判断するのもおすすめできません。

例えば断熱性能が高ければ、冷暖房費を抑えやすくなる可能性があります。耐震性能が高ければ、地震保険の割引につながる場合もあります。

その一方で、住宅性能を上げるために多額の追加費用をかけ、住宅ローンの借入額が増えすぎれば家計を圧迫します。

「高性能だからお得」「建築費が高いから損」という二択ではなく、初期費用・住宅ローン・光熱費・保険料・将来の維持費まで含めて判断することが重要です。

住宅性能評価・長期優良住宅・BELSの違い

家づくりをしていると、「長期優良住宅」や「BELS」という言葉も出てきます。

どれも住宅性能に関係しますが、目的は同じではありません。

制度・評価 主な目的
住宅性能評価 耐震・断熱・劣化対策など住宅性能を共通基準で評価する
長期優良住宅 長期にわたり良好な状態で使用できる住宅として、性能や維持保全計画などの条件を満たして認定を受ける
BELS 建築物の省エネルギー性能を第三者が評価する

住宅性能評価は住宅を幅広い分野から見る制度、BELSは省エネルギー性能を中心に見る評価と考えると分かりやすいでしょう。

長期優良住宅は単なる性能の点数付けではなく、長く良好な状態で使うための計画を含めて認定を受ける制度です。

住宅性能評価を申請する流れ

細かな手続きは住宅会社や評価機関によって異なりますが、注文住宅ではおおむね次の流れになります。

  1. 希望する住宅性能・等級を決める
  2. 住宅会社へ住宅性能評価を取得したいことを伝える
  3. 設計図書をもとに設計住宅性能評価を申請する
  4. 登録住宅性能評価機関による設計評価を受ける
  5. 建設住宅性能評価を申請する場合は施工中に現場検査を受ける
  6. 完成段階の検査を受ける
  7. 建設住宅性能評価書が交付される

建設住宅性能評価では工事途中の検査が必要になるため、家が完成してから「やっぱり取っておけばよかった」と考えても、同じ流れでは取得できません。

住宅性能評価を検討しているなら、契約・着工前の早い段階で住宅会社へ相談しておくのがおすすめです。

住宅性能評価は必要?いらない?

住宅性能評価は任意制度なので、すべての人が取得しなければならないわけではありません。

取得するか迷ったら、次のように考えてみてください。

取得を検討したい人

  • 住宅会社の性能を客観的に比較したい
  • 耐震性や断熱性を特に重視している
  • 住宅会社の説明だけではなく第三者評価で確認したい
  • 施工段階にも第三者チェックを入れたい
  • 地震保険や住宅ローンの優遇も確認したい
  • 契約した住宅性能を明確にしておきたい

優先順位を下げてもよいケース

  • 必要な性能を別の方法で十分確認できている
  • 取得する評価書を住宅ローンや保険などで利用する予定がない
  • 予算をほかの住宅性能・設備へ優先したい
  • 申請費用にメリットを感じない

大切なのは「住宅性能評価を取っている家だから良い家」「取っていない家だから悪い家」と単純に判断しないことです。

評価書は住宅性能を確認・比較するための道具です。

取得するかどうかより先に、自分たちがどの性能を重視し、それをどのように確認するのかを決めておきましょう。

住宅性能表示についてよくある質問

住宅性能評価は義務ですか?

住宅性能表示制度の利用は任意です。

新築住宅だから必ず住宅性能評価書を取得しなければならないわけではありません。

なお、新築住宅の省エネ基準適合義務など、住宅性能評価とは別の法令上の基準はあります。

住宅性能評価を取得していないハウスメーカーは性能が低い?

取得していないから性能が低いとは限りません。

住宅性能評価を標準で取得しない住宅会社でも、高い耐震性能・断熱性能を持つ住宅を建てているケースはあります。

ただ、「高性能」という説明だけでは第三者評価の有無は分かりません。

どの基準を満たし、それをどのように確認しているのかまで聞いてみましょう。

住宅性能評価書があれば欠陥住宅にならない?

住宅性能評価書があるから、将来の不具合をすべて防げるわけではありません。

住宅性能評価は、定められた項目と方法で住宅性能を評価する制度です。

建設住宅性能評価では施工段階の検査も行われますが、住宅のすべてを常時監視する制度ではないことは理解しておきましょう。

設計住宅性能評価だけでも意味はある?

設計段階で目標とする性能を第三者に確認してもらえるため、意味はあります。

ただし、設計どおり施工されたかまで第三者に確認してほしい場合は、建設住宅性能評価まで検討しましょう。

まとめ|住宅性能表示はハウスメーカーを比較する「共通のモノサシ」

ハウスメーカーや工務店の公式サイトには、「高耐震」「高断熱」「長寿命住宅」など魅力的な言葉が並んでいます。

しかし、それぞれ表現方法が違えば、そのまま比較するのは難しいものです。

住宅性能表示制度を利用すれば、耐震性・断熱性・劣化対策・維持管理などを国が定めた共通基準で確認できます。

住宅会社を比較するときは、単に「耐震等級3」「断熱等級6」といった数字を見るだけではなく、

  • 第三者の住宅性能評価を受けるのか
  • 設計評価だけか、建設評価まで受けるのか
  • 希望する間取りでも同じ等級になるのか
  • 取得費用はいくらか
  • その性能が契約上どのように扱われるのか

まで確認してみてください。

住宅性能評価は、取得すること自体が目的ではありません。

「どんな家を建てたいのか」を数字で確認し、住宅会社との認識違いを減らすために使う。

この考え方で活用すれば、住宅性能表示制度はハウスメーカー・工務店選びで非常に役立つ共通のモノサシになります。

当サイトが、人気ブログランキングの「戸建て部門」でランキング1位になりました!これからも丁寧に分かりやすく情報をお伝えしていきます。

この記事を書いた人

名前:早坂

プロフィール:不動産のプロである現役の宅地建物取引士(令和6年11月26日合格・令和7年5月7日宅地建物取引士資格登録あり)。また

  • マンション管理業協会 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 国家資格ファイナンシャル・プランニング技能士2級
  • ファイナンシャル・プランニング(資産設計提案業務・生保顧客資産相談業務)
  • 日本商工会議所主催 簿記検定2級

など、その他の不動産に関連する国家資格も多数保有するだけでなく、FPや簿記などお金や企業経営、財務分析の知識も活用しながら、わかりやすく、公平かつ正確な情報の提供に努めています。

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