床材は、マイホームの見た目だけでなく、毎日の暮らしやすさにも大きく影響します。
裸足で歩いたときの気持ちよさ、掃除のしやすさ、傷や水への強さなど、床材によって特徴はかなり違います。

床材選びで難しいのは、「どれが一番優れているか」ではなく、使う部屋や家族の暮らし方によって正解が変わることです。
リビングなら足触りやデザインを重視したい一方、洗面所では耐水性や掃除のしやすさが重要です。ペットがいる家庭なら、傷だけでなく滑りにくさも確認したいところです。
この記事では、住宅で使われる主な床材の種類とメリット・デメリットを比較しながら、場所別の選び方までわかりやすく紹介します。
- 床材の種類を比較|まずは特徴をざっくり確認
- 複合フローリング|迷ったときに選びやすい定番床材
- 無垢フローリング|天然木の質感を楽しみたい人向け
- 畳|寝転べる場所が欲しい家庭には今でも便利
- カーペット|柔らかさと保温・吸音性が魅力
- フロアタイル|傷に強く、水回りにも使いやすい
- タイル・石材|高級感と耐久性を重視したい場所に
- リノリウム|天然由来原料を使った床材
- クッションフロア|水回りで使いやすく費用も抑えやすい
- コルク床|柔らかい足触りを重視するなら候補
- 場所別|おすすめの床材はどれ?
- 子ども・ペット・床暖房がある家はここも確認
- 床材は「安い・高い」だけで選ばない
- 注文住宅は「標準仕様の床材」を契約前に確認する
- 床材はカタログだけで決めず実物を見る
- 床材に関するよくある質問
- まとめ|床材は「見た目+暮らし方」で選ぼう
床材の種類を比較|まずは特徴をざっくり確認

住宅で使われる代表的な床材には、次のようなものがあります。
| 床材 | 主な特徴 | 手入れ | 費用感 | おすすめの場所 |
|---|---|---|---|---|
| 複合フローリング | 種類が豊富で扱いやすい | しやすい | 低~高 | リビング・寝室・廊下 |
| 無垢フローリング | 天然木の質感と足触り | やや手間 | 中~高 | リビング・寝室 |
| 畳 | 柔らかく寝転びやすい | やや手間 | 中 | 和室・畳コーナー |
| カーペット | 柔らかく保温・吸音性が高い | やや手間 | 中 | 寝室・個室 |
| フロアタイル | 傷に強くデザインが豊富 | しやすい | 中 | 水回り・LDK |
| タイル・石材 | 耐久性が高く高級感がある | しやすい | 中~高 | 玄関・水回り |
| クッションフロア | 耐水性が高く比較的安価 | しやすい | 低 | 洗面所・トイレ |
| リノリウム | 天然由来原料を使った製品がある | 比較的しやすい | 中 | 居室・個室など |
| コルク | 弾力があり足触りが柔らかい | 製品による | 中 | 子ども部屋・寝室 |
※性能や価格は製品・グレード・施工方法によって大きく異なります。上表は一般的な傾向として参考にしてください。
迷った場合は、LDKや寝室なら複合フローリングを基本にすると選びやすくなります。天然木らしい質感を優先するなら無垢や挽板、水回りならクッションフロアやフロアタイルも候補です。
ただし、「この床材が一番」というものではありません。家全体を同じ床材にするのではなく、部屋ごとに必要な性能を考えて使い分けるのが床材選びの基本です。
ここから、それぞれの違いをもう少し詳しく見ていきましょう。
複合フローリング|迷ったときに選びやすい定番床材

現在の住宅で広く使われているのが複合フローリングです。
合板などの基材の上に化粧材を重ねた床材で、表面の仕上げによって大きく次のようなタイプがあります。
シートフローリング
木目などを印刷した化粧シートを表面に使うタイプです。
色やデザインの選択肢が豊富で、傷や汚れに配慮した商品、ペット向け商品など機能性の高いものもあります。
突板フローリング
天然木を薄くスライスした「突板」を表面に使ったタイプです。
シートタイプより天然木らしい木目や質感を楽しみやすく、無垢材ほど手入れに神経質になりたくない人にも選択肢になります。
挽板フローリング
表面に比較的厚みのある天然木を使ったタイプです。
無垢材に近い質感を楽しみながら、複合フローリングの寸法安定性も期待できるため、見た目や足触りにこだわりたい人には魅力があります。
ただし、複合フローリングだから安いとは限りません。挽板や高機能商品では無垢材に近い価格になることもあります。

無垢フローリング|天然木の質感を楽しみたい人向け

無垢フローリングは、天然木そのものの風合いや足触りを楽しめる床材です。
同じ木でも一枚一枚木目や色味が違い、年月とともに色合いが変化していくのも魅力です。
一方、天然木ならではの注意点もあります。
- 温度や湿度によって伸縮する
- 傷やへこみが付きやすい樹種もある
- 水分を放置するとシミになることがある
- 塗装方法によって手入れ方法が違う
無垢材ならすべて同じ性質というわけでもありません。

ナラやオークなど比較的硬い木もあれば、杉やパインのように柔らかく足触りのよい木もあります。
小さな子どもやペットがいる家庭では、「傷を絶対につけたくない」と考えるより、多少の傷も経年変化として楽しめるかを考えて選んだほうが後悔しにくいでしょう。
床暖房を採用する場合は、必ず床暖房対応の商品か確認してください。
畳|寝転べる場所が欲しい家庭には今でも便利

畳は昔ながらの床材ですが、和室だけでなくリビングの一角に畳コーナーをつくる使い方もできます。
床にそのまま座ったり寝転んだりできるので、
- 小さな子どもの遊び場
- 洗濯物をたたむ場所
- 昼寝スペース
- 来客用スペース
など、ひとつの場所をいくつもの用途に使えるのがメリットです。
畳表も天然い草だけではなく、和紙系や樹脂系など、色や手入れのしやすさを重視した商品があります。
一方で、家具の跡が付きやすかったり、素材によっては日焼けや変色が起こったりすることがあります。
「和室をつくるほどではない」という家庭なら、リビングの一角に小さな畳スペースを設ける方法もあります。
カーペット|柔らかさと保温・吸音性が魅力

カーペットは、足触りの柔らかさが大きな特徴です。
床からの冷たさを感じにくく、歩行音を抑えやすいため、寝室や個室との相性もよい床材です。
転倒したときの衝撃を和らげやすい点もメリットです。
ただし、飲み物などをこぼしたときはフローリングのようにサッと拭くだけでは済まない場合があります。ホコリや汚れが入り込むため、掃除機がけなど日頃の手入れも必要です。
カーペットを採用するなら、デザインだけでなく、汚れへの強さや防ダニ加工、部分的な交換が可能かなども確認しましょう。
フロアタイル|傷に強く、水回りにも使いやすい

フロアタイルは、塩化ビニルなどを使ったタイル状の床材です。
木目や石目をリアルに再現した商品が多く、見た目の選択肢が豊富なのが特徴です。
- 傷や摩耗に比較的強い
- 汚れを拭き取りやすい
- 木目・石目などデザインが豊富
- クッションフロアより硬く、家具の跡が付きにくい商品が多い
そのため、洗面所などの水回りだけでなく、LDKに採用されることもあります。
素材自体は水を弾きやすい一方、フロアタイルはタイル状なので継ぎ目があります。水回りで採用する場合は、床材だけでなく下地や施工方法も含めて住宅会社に確認しておくと安心です。
また、フローリングと比べて足触りが硬かったり、冬場に冷たさを感じたりすることがあります。
「木目や石目のデザインを楽しみたいけれど、傷や日頃の手入れにも配慮したい」という場合には比較しておきたい床材です。
タイル・石材|高級感と耐久性を重視したい場所に

タイルは、耐久性や耐水性に優れ、玄関や水回りなどで使いやすい床材です。
大判タイルをリビングやダイニングに使えば、ホテルのような雰囲気にすることもできます。
熱を伝えやすい素材なので、対応商品であれば床暖房と組み合わせる方法もあります。

一方で、表面が硬いため食器などを落とすと割れやすく、冬場は床暖房がないと冷たく感じることがあります。
滑りやすさも製品によって違うため、玄関・室内・水回りなど使用する場所に適した商品を選びましょう。
天然石・人造石はタイルと同じ性質ではない
大理石などの天然石や、人造石・人工石を床に使うこともあります。
ただし、石材は種類によって吸水性や傷、酸への強さなどが違います。
「石だから全部丈夫」と考えず、採用する素材ごとにメンテナンス方法まで確認することが大切です。
リノリウム|天然由来原料を使った床材

リノリウムは、亜麻仁油、木粉、ロジンなど天然由来の原料を使ってつくられる床材です。
一般住宅ではフローリングほど身近ではありませんが、耐久性やメンテナンス性を生かして施設などでも使われています。

色の選択肢も多いため、木目とは違った雰囲気の床にしたい人には面白い選択肢です。
ただし、国内住宅では複合フローリングやクッションフロアほど一般的ではないため、施工できる会社や選べる商品、使用できる場所について事前に確認しておきましょう。
クッションフロア|水回りで使いやすく費用も抑えやすい

クッションフロアは、塩化ビニルを使ったシート状の床材です。
名前のとおり適度なクッション性があり、耐水性が高いため、
- 洗面所
- 脱衣所
- トイレ
- キッチン
などでよく使われます。
比較的価格を抑えやすく、木目や石目などデザインの種類が多いのもメリットです。
一方、重い家具を長く置くと跡が付くことがあり、質感では無垢材やタイルなどに及ばないと感じる人もいます。
「水に強く、掃除しやすく、費用も抑えたい」という場所には使いやすい床材です。
コルク床|柔らかい足触りを重視するなら候補

コルク床は、コルク樫の樹皮を原料とした床材です。
独特の弾力があり、足触りが柔らかいのが特徴です。
そのため、子ども部屋や寝室などで検討されることがあります。
ただし、コルク床もすべて同じ性能ではありません。
表面仕上げによって耐水性や汚れへの強さが違うため、とくに水回りで使う場合は、その場所に対応した製品か確認してください。
場所別|おすすめの床材はどれ?

床材は家全体を同じものに統一する必要はありません。
むしろ、それぞれの部屋で重視する性能を考えて使い分けるほうが合理的です。
リビング・ダイニング
家族が長時間過ごすため、質感・耐久性・掃除のしやすさのバランスが重要です。
複合フローリングや無垢フローリングが定番ですが、石目調のフロアタイルやタイルを使って雰囲気を大きく変える方法もあります。
キッチン
水や油が飛びやすいため、汚れを拭き取りやすい床材が向いています。
LDKを一体的に見せたい場合はフローリングを続けることもできますが、水や汚れへの強さを重視するならフロアタイルやクッションフロアも候補になります。
洗面所・脱衣所・トイレ
水回りでは、見た目よりも耐水性と掃除のしやすさを優先したいところです。
クッションフロア、フロアタイル、対応するタイルなどが選びやすいでしょう。フロアタイルを使う場合は、継ぎ目や施工方法についても確認しておくと安心です。
寝室
寝室は水や汚れの心配が比較的少ないため、足触りや落ち着きを重視できます。
フローリングのほか、柔らかさや吸音性を求めるならカーペットも選択肢になります。
子ども部屋
傷や汚れへの強さを重視するなら複合フローリング、柔らかな足触りを求めるならコルクやカーペットなども候補です。
ただし子どもは成長するため、幼児期だけではなく、中学生・高校生になったときも使いやすい床か考えて選びましょう。
玄関
泥や雨水を持ち込みやすい玄関には、耐水性・耐久性に優れたタイルが定番です。
滑りにくさや掃除のしやすさも確認しておきましょう。
子ども・ペット・床暖房がある家はここも確認

床材選びでは、家族構成によって確認したいポイントも変わります。
小さな子どもがいる家庭
傷への強さだけでなく、転倒したときの硬さや掃除のしやすさも考えます。
ただし、「柔らかい床ほど必ず安全」という単純なものでもありません。家全体の使いやすさとのバランスで選びましょう。
ペットがいる家庭
犬や猫と暮らすなら、傷だけでなく滑りにくさが重要です。
ペット対応をうたうフローリングなどもあるため、ショールームでは「ペットがいる」と伝えて商品を比較すると選びやすくなります。

床暖房を採用する家庭
床暖房では、床材なら何でも使えるわけではありません。
複合フローリング、無垢材、タイルなど、床暖房に対応した商品を選ぶ必要があります。
床暖房を採用する予定なら、床材を決めてから考えるのではなく、設計段階からセットで確認しましょう。

床材は「安い・高い」だけで選ばない

床材を比較するときは、最初の施工費だけに注目しないことも大切です。
床は毎日使ううえ、簡単に交換できる設備ではありません。
- 新築時の追加費用
- 日常のメンテナンス
- 傷んだときの補修
- 将来の張り替え
まで考えると、「一番安い床材=長い目で見ても一番お得」とは限りません。
FPの視点では、床だけに予算をかけすぎるのもおすすめできませんが、毎日触れる場所だからこそ、家全体の予算の中で優先順位を決めることが重要です。
たとえば家全体を無垢フローリングにするのではなく、家族が長く過ごすLDKだけグレードを上げ、個室は標準仕様にするといった考え方もできます。
注文住宅は「標準仕様の床材」を契約前に確認する

注文住宅では、「好きな床材を自由に選べる」と思っていたら、希望した商品がオプションだったということもあります。
契約前には、
- 標準仕様はシート・突板・挽板のどれか
- 無垢材へ変更できるか
- 変更した場合の追加費用
- 水回りの床材は何か
- 床暖房対応商品か
- 巾木や見切り材の仕様
なども確認しておきましょう。
宅建士として契約面から見ると、営業担当者との会話で「できます」と言われただけで安心せず、希望する床材や追加費用が仕様書・仕上表・見積書に反映されているかを確認することが大切です。

床材は面積が大きいので、グレード変更すると追加費用も大きくなりやすい部分です。「1㎡いくら」だけでなく、家全体でいくら増えるか確認しましょう。
床材はカタログだけで決めず実物を見る

床材選びでぜひやってほしいのが、実物を見ることです。
Webサイトやカタログだけでは、色味は確認できても、
- 足触り
- 木目の凹凸
- 光沢
- 硬さ
- 色の見え方
までは分かりません。
できれば小さなサンプルだけでなく、住宅会社やメーカーのショールームで広い面積に施工された状態も確認してみてください。
小さなサンプルで見たときと、部屋全体に施工したときでは印象が変わることがあります。
また、昼間の自然光と夜の照明でも床の色は違って見えます。
床材は「見る」だけでなく、「触る・歩く」までして決める。これだけでも完成後の「思っていたのと違った」を減らせます。
床材に関するよくある質問

新築で一番おすすめの床材は何ですか?
すべての家庭に一番おすすめできる床材はありません。
扱いやすさや選択肢の多さを重視するなら複合フローリング、天然木の質感を優先するなら無垢フローリング、水回りならクッションフロアやフロアタイルなど、場所と目的によって使い分けるのがおすすめです。
無垢フローリングと複合フローリングはどちらがいい?
天然木らしい質感や経年変化を楽しみたいなら無垢、手入れのしやすさや機能性、商品選択の幅を重視するなら複合フローリングが選びやすいでしょう。
複合フローリングにも挽板や突板など天然木の質感を楽しめる商品があるため、二者択一で考えず比較してみるのがおすすめです。
水回りにフローリングを使っても大丈夫?
水回り対応の商品であれば採用できます。
ただし、床材自体が対応していても、水を長時間放置してよいわけではありません。洗面所やキッチンでは、耐水性だけでなく掃除のしやすさまで比較しましょう。
家全体で同じ床材にしたほうがおしゃれですか?
同じ床材で統一すると空間につながりを出しやすい一方、家全体を無理に同じにする必要はありません。
LDKはフローリング、洗面所はフロアタイル、玄関はタイルというように、用途に合わせて変えても、色味やテイストを合わせれば十分統一感を出せます。
まとめ|床材は「見た目+暮らし方」で選ぼう

床材は、部屋の印象を大きく左右するだけでなく、毎日の掃除や足触り、暮らしやすさにも影響します。
無垢フローリングの質感に魅力を感じる人もいれば、複合フローリングの扱いやすさが合う家庭もあります。水回りではフロアタイルやクッションフロアのほうが使いやすいこともあるでしょう。
大切なのは、「どの床材が一番いいか」ではなく、「この場所で何を重視するか」を決めることです。
デザインだけで決めず、耐水性、傷、掃除、メンテナンス、床暖房への対応、費用まで比較してみてください。
そして最後は、できるだけ実物を見て、触って、歩いてから決める。
毎日直接触れる床だからこそ、自分たちの暮らしに合った床材を選びましょう。


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