「収納を制するものは間取りを制す」まさにその一言だとは思いますが、
収納を増やしたいけど、部屋が狭くなるのも嫌。なんか良い間取りのアイデアないかなぁ
ただでさえモノを捨てられない夫が、ますます貯め込むように。ゆとりある収納計画が逆効果
邪魔にならない家のすみの方に大きな収納を作ったけど、使い勝手が悪いのか、入れたら入れっぱなしの物置状態
などなど、収納に関する悩みは尽きないようです。
そこで今回は、便利な収納アイデアを紹介してまいります。
特に新築物件やマンションをお探しの方や、注文住宅で間取りプランニング中の方にとってはヒントにもなるかと思いますので、最後までお付き合いください。
それではさっそく、順に紹介してまいります。
壁埋め込み収納
まずは壁埋め込み収納です。
「収納は欲しいけれど、部屋が狭くなるのも嫌」というわがままな願いを可能にする便利な収納です。壁の厚みをそのまま収納にするアイデアです。
名前の通り、写真↓のように壁に埋め込む収納です。
このようにトイレの壁に収納を埋め込みます。収納のフタの分で、2㎝ほど出ますが、ほぼ気になりません。これで、トイレットペーパーやら掃除用具やら消臭剤やら、たっぷり収納できます。
次に脱衣所↓
こちらはバスタオルを収納したり、使用済みのタオルを干したり、予備のシャンプーを入れたりと、やはり大収納の設置が部屋を狭くせずに設置できます。
他にも、リビングの壁にさりげなく収納を埋め込めば、ワイパーやコロコロ、ティッシュや消臭剤などちょこっと掃除や、普段は人目を避けたいものなどを「さっと出してさっとしまえる」ので便利です。
一つだけ「外に面した断熱材などが入る壁には設置できない」という注意点こそありますが、かなり便利な収納テクニックです。
詳しくは↓でも紹介しています。
部屋の仕切りを収納(間仕切り収納)にする
同じように、壁そのものを収納にするテクニックの紹介です。
マイホームで過ごす長い人生では、家族構成が変わります。それに伴って、必要な収納の「数」も「大きさ」も変化します。
この収納は本当に必要だろうか?を何度もシミュレーションしましょう。
間取りプランニングの際に知っておきたいポイントの一つに、「部屋数は、増やすより減らす方が難しい」ということがあります。
たとえば「1つの子供部屋に壁を設けて2部屋に分ける」ことは可能ですが、「2部屋の壁をなくして1つの広い部屋にする」ことは、耐震構造的にリスクが伴いますので困難です。
ですから間取りプランニングのコツは、必要になる「かもしれない」部屋は作らないことです。
そもそも兄弟姉妹の子供部屋に関していえば、
- 小さい頃は1人をこわがるので、広い1部屋をシェアする方が使い勝手がいい
- 子供が成人して家を出る場合、たった数年しか使わない可能性も
- 家族なので必要に応じて簡易的なパーテーションでも十分
ということも検討しましょう。
そして「性別が違い、思春期を迎えた」など、必要になったらその時に壁を作るのが理想です。しかもこの場合、必ずしも大掛かりなリフォームは必要ありません。
家具屋やインテリアショップに行けば、壁になる収納(間仕切り収納)がたくさんあります。
厚みや高さも種類豊富ですから、しっかり壁の役割をしつつも収納になるという一石二鳥の効果を得ることができるテクニックです。
スキップフロア活用の収納
スキップフロアとは、同じフロアなのに部分的に床の高さを変えて空間にアクセントをつける間取りです。
- リビングだけを1段下げる
- 畳スペースだけ1段上げる
- 階段の踊り場を広くして中2階をつくる
など、面白い間取りアイデアとして人気ですが、部屋の収納を増やすテクニックでもあります。
上の写真のように、階段の踊り場を広くし書斎や家事スペースとして活用すれば、開放感を確保しつつ、その下を収納にできます。
また、下の写真のような畳スペースをスキップフロアとして設け、
その下を収納にすれば、「畳スペースで洗濯物をたたむ」→「そのまま収納」という便利な家事スペースの出来上がりです。
洗濯物を干すベランダの横、さらに隣にウォークインクロゼットがあれば最高の家事ラク間取りの完成です。
ウォークインクロゼット
収納の定番ウォークインクロゼットは非常に便利な収納ですが、設置場所によって日々の快適さに差がでます。
ウォークインクロゼットをより有効活用するために、
- 洗濯物をたたむ場所に隣接させると家事がラク
- 「使う人・タイミング」をシミュレーションし、設置場所を決める
- サイズは、横幅だけでなく奥行きも確保しないと不便
- 姿見・ミラーを置く場所も確保
- 照明の種類も検討
- ナノイーなど、消臭や花粉・ウイルス効果のある機器も検討
- 同時間帯の利用者が多い場合、動線確保のためウォークスルーも検討
などをチェックしましょう。
見せる収納
収納というと「しまう」「片付ける」「隠す」というイメージが先行しがちですが、あえてモノを見せる収納もトレンドです。
小物やアクセサリーなどコレクションが趣味の場合は↓のような
ショーケースで自慢のアイテムを見せる収納で飾りましょう。蔦屋家電などのインテリアを真似て、見せる本棚などにしてもおしゃれです。
ファッショングッズがたくさんある場合、ウォークインクロゼットも有効ですが、
↑のように、ショップのように自慢の服を飾ることもできます。服を洗って干したらそれがそのままインテリア収納になるテクニックです。
なにより見せる収納の一番のメリットは「好きなものに囲まれている」という充足感です。こういった収納テクニックも活用すると、床面積を確保しつつ自慢できるオシャレなマイホームにすることができます。
パントリー
パントリーはあれば便利ですが、こだわった料理を作らない家庭ではあまり採用されない収納でした。しかし、ここ数年の度重なる災害で「非常時の食品保管庫」として再評価されている収納です。
水害、震災で買い物へ行けなくなったり、コロナウイルスによる外出自粛や買い物の回数を減らすような要請などの際、食品保管庫は非常に便利です。
そこまで広くなくとも、食器や食品で散らかりがちなキッチン隣りにパントリーがあるだけでスッキリと見せることができます。
「玄関→パントリー」や「駐車場→勝手口→パントリー」という直通ルートを確保することで、より快適な収納にする上級テクニックがあります。
シューズインクロゼット(SIC)
ここ数年で注目されるようになった新しい収納アイデア(間取り)がシューズインクロゼットです。建売物件やマンションの間取りにもSIC(シューズインクロゼット)としてプランニングされているものが増えました。
シューズインクロゼットは、玄関に隣接したスペースに設けることで
- 靴の収納
- ベビーカー置き場
- アウトドア系趣味の収納
- 急な来客時の玄関の目隠し
- コートや帽子掛け
- 雨の日の濡れたレインコート掛け
- 傘立て置き場
- 雨の日・台風時の自転車避難場
- 重い宅配物の一時避難
- 姿見置き場
- 家庭菜園グッズ
などで大活躍してくれます。
土間を設けるほどのスペースがなくても設置できますので、収納アイデアとして知っておくと便利です。
階段下収納
階段下はデットスペースになりがちですが、収納にすれば無駄なく活用できます。
大きな一つの収納としても良いですが、画像のように階段の形を活用した収納アイデアもオリジナリティーがあって面白いと思います。
間取りのすみに置かれがちな階段も、「階段下は収納にする」前提でプランニングをしてみると、階段そのものの設置場所や見せ方のアイデアも変わってきます。
床下収納
床下収納も上手に活用すれば部屋を狭くすることなく収納を増やせる便利なアイデアです。
脱衣室に設置すれば、ボディーソープや洗濯洗剤の保管場所にできます。キッチンに設置すれば、ラップやガスボンベ、非常食の保管場所として重宝します。
他の収納に比べて開閉が面倒なのがネックです。日常的に使用しないもののの保管場所として活用するのが良いでしょう。
造作ベンチ下の収納
依頼するハウスメーカーによっては、造作ベンチを依頼することもできます。
そしてその下をそのまま収納にすることで間取りを上手に活用することができます。
- ダイニングチェアの代わりに椅子として
- リビングの一角、ソファーの代わりに
- 玄関横の小休憩スペース
- 書斎の読書スペース
など、さまざまな間取りで活躍してくれます。
収納が得意なハウスメーカーに依頼する
ここまで様々な収納アイデア・テクニックを紹介してきましたが、家づくり・間取りは収納だけではありませんから、取り入れて行くのはとても大変です。
そこで、大まかな部分は収納計画の得意なハウスメーカーに依頼し、足りない部分にだけ収納アイデアを採用していくというのが効果的です。
収納で定評のある住友林業など、驚きの収納術を提案するハウスメーカーがあります。
こういったハウスメーカーを「タウンライフ」などであえて競合させ、比較しながら最良の収納・間取りプランを選んでいくのが「収納を制する」一番の近道といえます。
今回紹介したアイデア、テクニックを活用し、素敵なマイホームを実現しましょう。
それでは。
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