せっかくの一軒家、そしてせっかくの注文住宅にするなら、大切な家族であるペットのための工夫やアイデアをとりいれてあげたいものです。
ペットのストレスを減らし快適な家づくり
犬や猫はもちろんのこと、ウサギや鳥、そして豚など様々なペットを飼育できる昨今、それぞれの習慣や特性を知り、快適な空間を作ってあげることはとても大切です。
動物は、運動不足やストレスによって必要以上に吠えたり咬んだり、壁紙で爪研ぎをしてしまったりします。それだけでなく、時には自分を傷つけてしまうなどの思わぬ行動に出ることもありますから快適な環境作りは大切です。
また、メンテナンス性や耐久性、お手入れのしやすさまで考慮しておくとより満足度の高いマイホームが完成するでしょう。
ということで今回はペットのためにできる工夫・アイデアを紹介していきます。
ペット専用・人専用部屋|アレルギー対策
まず、間取りの計画をする際に是非検討していただきたいのがゾーン分けです。
- ペット専用ゾーン
- 人専用ゾーン
- 共用ゾーン
に分けておくと便利です。
特に人専用ゾーンは、ペット臭を避けたい大切な服をしまったり、赤ちゃんが生まれた時、家族にペットのアレルギーが出てしまった時、招いた友人がアレルギーだった場合などに活用できます。
ペット専用ゾーンは余裕があれば作りたいゾーンで、お客さんが来た時や子供から逃げたい時など、ペットが確実に安心できるスペースを確保してあげることでストレスが緩和されます。
温度・湿度・通風・換気|ペットの健康対策
そして最低限やっておきたいのは、温度や湿度、風の流れなどの計画です。
特に犬や猫などのペットは体温調整が苦手ですから、室温や湿度は体調に直接影響します。日当たりのある場所、避暑できる場所など、採光計画をしましょう。
同じように通風、換気の計画も必要です。
部屋の中の空気をきれいに保つことはペットの健康にも大切なことですし、一緒に暮らす自分たちの健康にも影響します。昨今は、2時間で空気が入れ替えられる換気システムにしなくてはならないという決まりがありますが、自然の風が通る家はペットのストレス解消につながります。
ペットが自由に行き来できる空間を限定する場合は、その空間でペットが過ごすことをシミュレーションし、設計担当にもその旨を伝えましょう。
窓の配置|ペットの暇つぶし
犬などは毎日の散歩や一緒に遊んであげることが必須ですが、猫に関してはそこまで欲求がありません。
猫は、猫タワーなどの高いところから家族が動いているのを見ているだけで、丸一日暇つぶしになるというほどです。
加えて、猫が登れる高い位置に窓を配置し、外を眺めることができるようにしてあげれば、かなりストレスの解消になります。
わざわざそのために出窓を検討される方もいるかと思いますが、最近の住宅は断熱性能を高めるために壁に厚みがあります。よって、普通の窓であっても窓枠に厚みができ、猫がスフィンクスの態勢でくつろぐくらいのスペースはありますのでご安心ください。
窓の配置計画の際は、猫タワーの設置箇所やキャットウォークの高さなども考慮するとより効果的です。
床材・フローリング|ペットの怪我・汚れ対策
家の中を走り回ったり、高いところから飛び降りたりする犬や猫は、それにより脚を痛めてしまうことがあります。
床の硬さはもちろん、滑りすぎるフローリングはペットの怪我の元ですので注意が必要です。
例えばペット専用の部屋には滑りにくく掃除がしやすいタイル床がおすすめです。
脱臭力に優れ、掃除がしやすいの特性があります。防水層を施したタイルカーペットは汚れた部分だけを洗ったり交換することもできて便利です。
無垢材の床は、程よい温もりと柔らかさで、裸足で歩くのに気持ちの良いと人気ですが、ペットと共に過ごす場所では要検討すべき項目です。
一般的なフローリングに比べ、無垢材は汚れた場合はすぐに掃除をしないと汚れが残る、柔らかく傷がつきやすいなど、メンテナンスが大変というデメリットも考慮しましょう。
ペットが走り回った時の傷跡や、粗相をした場合の汚れなど、そういったものも家族や家の歴史だとプラス思考に捉えられる方ならありです。あわせて、無垢材用のワックスなども採用すると良いでしょう。
また、一般的なフローリングでもペット向けのワックスがあります。傷つきにくくするものから、滑りにくく怪我防止になるものまで商品も多数です。
外水栓・足洗い場・土間|散歩から帰ったら
外に散歩に出かける犬などのペットは、足洗い場があると非常に便利です。
ここまでは計画に持ち込む方が多いですが、足洗い場から家に入るまでのアプローチも考慮して設置場所を考えるとさらに利便性があがります。
失敗例で、外水栓を設置したものの敷地の関係で玄関から遠くなり、足を洗って玄関に行くまでに結局汚れてしまうというものもあります。
また、床面積に余裕があれば土間も検討しましょう。雨や風の強い日など、外飼いのぺットを一時避難させることもできて便利です。
腰壁・耐久性の高い壁紙・クロス|猫の爪研ぎ防止
ペットに猫がいる方が心配なのは爪研ぎです。
特に猫は爪研ぎをすることで自分の縄張りの印とする習性もあり、新居に引っ越してからしばらくは不安になるかと思います。
対策としては、1つは爪研ぎに強い壁紙にすることです。強度の高い塗り壁なども良いですが、最近ではビニルクロスでも猫の爪研ぎに耐えられる強度の商品がありますので検討してみましょう。
もう1つは腰壁です。猫が行き来できるゾーンに設けることで、傷防止にもなりますし、掃除も簡単、部分的な交換もできるので便利です。
ペット・猫ドア|自由に移動
ペットを飼っている方で、専用のドアを設けていない場合、ペットの「ドアを開けて」に悩まされた経験はあると思います。
夜中の「寝室のドアをカリカリして入れて」「せっかく冷暖房が効いている部屋から何度も出たり入ったり」など、可愛い家族でも今はちょっと待ってと言いたくなるシチュエーション。
これを解決してくれるのがペットドアです。
最近はデザイン性もかなり豊富になりましたし、ロック機能、一方通行、柔らかい素材で怪我防止などの機能面も改良されましたので是非採用しましょう。
ハウスメーカーに依頼する場合には、居室ドアの種類が指定されている関係で、猫ドアもハウスメーカー指定のものしか対応しないこともありますので相談しましょう。
どうしても気に入らなければ、マイホーム完成後に専門業者に依頼しましょう。
キャットウォーク|運動不足対策
同じく猫に関することになりますが、キャットウォークやキャットステップは猫の上下運動を好む行動、高いところを好む習性にぴったりです。
最近は吹き抜けやハイ天井、勾配天井などが住宅トレンドであり、高さのある空間をフルに活用して設置しましょう。その際は安全面への配慮も大切です。
中庭・ベランダ|室内外ペットの気分転換
ペットのタイプや、土地の関係で室内飼いをする場合は、気分転換に外の空気に触れられる空間を作ってあげることも大切です。
ベランダに高めの柵やルーバーを設置することで万が一の脱走の対策をしてあげれば日向ぼっこもできます。ただ、カラスなど外敵の危険にさらされることもありますので注意が必要です。
また、中庭を設ければ外敵や脱走の心配はかなり軽減されますし、家自体の採光にも一役買います。その際には、断熱性能も考慮し、ガラスなどは気密性・断熱性能の良いものにすることで快適さを保つ子よができます。
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