マイホームの印象をガラリと変える外壁。特にカラー選択はとても重要です。
今回はその中でも「黒い外壁」に焦点をあててレポートしてまいります。
実際に私の家は黒い外壁です。ですから、実際に住んだ正直な感想(メリットもデメリットも)をお伝えしてまいりますので、現在リフォームを検討している方や、注文住宅で外壁のカラー選択の段階まで進んだ方のお役に立てれば幸いです。
黒い外壁の家
さて、ひとえに黒い外壁といっても「炭で仕上げたような漆黒」から「やや黒味の弱いグレー系」までさまざまな色味があります。さらに外壁そのものの種類には「塗り壁」や「サイディング」「木質系」など種類も豊富です。
ですから、黒の度合いや種類の違いによって差があることをご了承いただいた上で参考にしていただければと思います。
なお、今回レポートさせていただく外壁は外装建材メーカーニチハのサイディング外壁材で、
Fu-geのプリレート「クアラMGネロ」16mm
という商品です。
本当はKMEW(ケイミュー)という会社の「マックスチタンブラック」という色の外壁の方が黒がパキッと映えるので良かったのですが、外壁選びはシーリングの劣化(下図参照)
によるメンテナンスコストも考慮しなくてはならず。私が依頼したハウスメーカーではニチハのFu-ge(フュージェ)シリーズが「四方合いじゃくり」という技術があり、
シーリング目地が目立たず外観も綺麗ですし、シーリングのメンテナンスコストも大幅にカットできるということで、妥協する形での選択でした。今では満足しています。
「サイディング」で「ニチハ」の外壁というのは多くのハウスメーカーで採用されている外壁ですから、かなり多くの方のお役に立てるのではないかと思います。
なお、サイディング以外の外壁(モルタル・塗り壁・コンクリート・タイル)の特徴や比較も参照してみてください。
黒い外壁の家の口コミ・評判
ところで、黒い外壁の家の口コミや評判はどうなっているのでしょう。
「黒の外壁にしよう」と決める際に、ネットなどで口コミや評判を調べてみることにしました。
すると、あまりよろしくない口コミばかりです。
- 外壁を黒にするなんて、縁起の悪い
- 家を真っ黒にするとか、まじ趣味が悪い
- 我が家の目の前に、家が建つそうです。しかも黒い外壁ときいて最悪な気分。我が家の一番お気に入りの窓からの景色が黒く染まりました。周囲の景観ともう少し考えて欲しい。
- 黒は熱を集める色ってしらんのか?夏の暑さを想像できなかったのだろうか?
などなど、黒の外壁にすることを躊躇したくなるほどでした。
ただ、これらの口コミには共通点があり、どれも施主本人のものではなく、近隣住民の口コミだということです。
そして、ネット上に口コミをする方というのは余程の熱量がある方、つまりその多くが腹を立てた人の悪評であることはご承知のとおりです。
おまけにこれらの口コミは1990年代や2000年初期のものであり、昨今の住宅トレンド以前のものであることから、深く気にしすぎないことにしました。
外壁のことで不安な時は「タウンライフ・外壁特集 」も参考にしてみてください。
黒い外壁の家のメリット
さて、黒い外壁の家に住んで2年以上が経過したわけですが、まずは体感してみて良かった点を紹介させていただきます。
シンプルで飽きがこない
外壁の色選びの際に担当の方にアドバイスをいただいたのは、
せっかくのマイホームですから、自由に面白みのあるカラーを選択するのもいいですが、何十年後も住むことを考えるとシンプルで飽きのこない色がいいですよ!
とのことでした。
これに関しては同感で、よほどのこだわりがない限り、派手すぎたり奇抜なカラーにするのは禁物かと思います。
その意味において、ホワイト、クリーム色、ウッド調などと同様、黒い外壁はシンプルで飽きがこなくて良いと思います。
冬、暖かい
黒が熱を吸収する色というのは科学的根拠もある事実です。
実際に、黒い外壁と白い外壁で表面温度を測定したところ、黒い外壁の方が温度が高かったという結果も出ています。
ですから、黒い外壁の家は暖かい「と思います」。
この「と思います」には幾つか理由があり、
- 我が家と条件がまったく同じ「白い外壁の家」に住んだことがない
- 最近の断熱材は効果が高く、家の内側の壁は触れても年中同じ温度(外気温の影響は感じられない)
- 主に生活するリビングを2階に設置したのでもともと年中暖かい
という点です。
ただ間違いなく言えることは、2020年の冬も部屋の中は基本的にずっと暖かかったです。
前回の記事で紹介した我が家の室温を計測した際の表もご参照ください↓
2階リビングの暖かさ比較・検証 | |||
場所 | 外気 | 1階寝室 | 2階リビング |
温度 | 0℃ | 11℃ | 18℃ |
温度 | -3℃ | 10℃ | 16℃ |
- 断熱材はグラスウール105mm
- アルミ樹脂サッシのペアガラス(アルゴンガス充填)
- 第3種換気システム
という、昨今の住宅では良くも悪くもない普通レベルの条件です。
エアコンなしでもこの室温で、エアコンで朝に一度部屋を暖めてしまえば、冬でも夜までエアコンはオフのままです。
逆に夏は暑いのか?といいますと、シンプルに夏は暑いです。ですが、エアコンをつければ普通に効きます。
外壁が黒だから灼熱の暑さなどということは一切ありませんので、不安に感じていた方はどうぞご安心ください。
黒ずみや砂埃、日焼けなどの汚れ・変色が目立たない
これは黒い外壁の家のメリットの中でもおすすめのポイントですが、黒ずみなどの汚れが気にならないということです。
一般的に、白い外壁の家などは経年により茶色く変色したり、原因不明の黒ずみ汚れが目立ちますが、黒い外壁の場合はその心配はほぼありません。
太陽光を長時間受けることで、外壁は日焼けをして茶褐色化していきますが、そういったことにも強いです。
砂埃などの白系の汚れは逆に目立つのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に住んでみてそういった汚れを発見したことはありませんし、最近の外壁は太陽光や雨水で汚れを落とす機能が付いているので心配いりません。
住宅トレンドにマッチしている
最近の住宅トレンドの1つに、キューブ型などのシンプルモダンスタイルがあります。
出っ張りをなくし、屋根も陸屋根にするなどで究極までシンプルを追求したこういったキューブ型デザインの家には、黒い外壁が非常にマッチします。
いわゆるデザイナーズ系のハウスメーカー、設計事務所などの実例にも黒の外壁は採用されていて、シンプルかつ洗礼された表情のマイホームデザインには非常にマッチします。
黒い外壁の家のデメリット
続いて、実際に暮らしてみて感じた黒い外壁のデメリットを紹介します。
周囲の景観を検討する必要はややあり
せっかくのマイホームなんだから自由にさせて!という気持ちはわかりますが、実際に住んでからのご近所付き合いを考えると、周辺環境や景観を全く無視するわけにもいきません。
例えば観光地であったり、周辺の家が白い外壁やパステルカラーで統一している団地、住宅地などに漆黒の外壁の家を強行的に建てるのは考えものです。
あまり周辺を気にしすぎる必要もありませんが、妥協点を見つけるくらいの配慮はしたいものです。
鳥のフンに要注意
ホコリや日焼け、黒ずみなどの汚れは目立ちにくい黒い外壁の家ですが、1つ注意したいのは鳥のフンです。
とくにこれは黒ければ黒いほど、鳥のフンの白さが目立ちます。
我が家でも一度だけやられたことがありましたが、サイディングの機能が高かったこと、すぐに気づきホースのシャワーで洗い流したところ綺麗になりました。
高圧洗浄機(外壁に使用可能かチェック)などがあれば安心かと思います。
外壁のことで不安な時は「タウンライフ・外壁特集 」も参考にしてみてください。
結論|黒い外壁の家はどうなのか?
ということでここまで黒い外壁の家に付いてメリットや評判などを実体験とともに紹介してまいりましたが、結論を申し上げると、
「私は黒い外壁にして良かった」
と胸を張って言えます。
→サイディング以外の外壁(モルタル・塗り壁・コンクリート・タイル)の特徴や比較もチェック
心配していた夏の暑さも、昨今の断熱性能は高くほぼ影響はありませんし、最近は深い色・濃い色の家も増えましたので周辺環境もそこまで気にする必要はありませんでした。
私の家は4軒並ぶ住宅地の1つですが、4軒の外壁の色は「紺」「こげ茶」「黒」「黒」です。
1990年代の建築シーンではありえなかったかもしれませんが、今やこういった色の外壁は当たりまえ。むしろ住宅トレンドにマッチしていることは前述の通りです。
ですから、黒い外壁にしようかで悩んでいる方がいらっしゃったら前向きに検討してみてください。
それでは。
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