一軒家の遺品整理費用はいくら?「20万円は高い?」と迷ったら

一軒家の遺品整理を業者へ頼むなら、まず知りたいのは「結局いくらかかるの?」ということですよね。参考相場の一例では、3LDKで17万~50万円、4LDK以上で22万~60万円。ただ、同じ3LDKでも、荷物が少ない家と本棚や物置まで物が詰まった家では、必要な作業が違います。
私も、99歳で亡くなった祖父の家を片付けたときは、まったく見当がつきませんでした。20万円と言われれば「引っ越しみたいなものだから、そのくらいするのかな」と思うし、3万円と言われても「作業する人の時給を考えたら、そんなものかな」と納得してしまいそうです。
例えば、めったに経験しない盲腸の手術で「けっこう費用がかかります」と言われても、医療費の仕組みを知らなければ、その金額をすぐには想像できません。遺品整理も、私にとってはそれくらい馴染みのない出費でした。金額を聞いても、高いのか安いのか、判断する物差しがないんです。
しかも、祖父の家は宮城県。東京で暮らす私は、土日を使って帰省し、月曜日には仕事へ戻らなければなりませんでした。家財を運ぶ料金だけでなく、家族がどこまで片付けるのか、あと何回帰省することになるのかも含めて考えたいところです。
この記事の結論
- 間取り別の相場表で、おおよその予算幅をつかむ
- 家全体か一部屋だけかなど、依頼範囲を決める
- 複数社に同じ条件を伝え、総額・買取・残る作業を比べる
「20万円だから高い・安い」とは決めず、自分の実家で何をしてもらえる20万円なのかを確かめます。
一軒家の遺品整理費用の相場|3LDK・4LDKはいくら?

「みんなの遺品整理」は、掲載業者800社以上のホームページと利用者3万人以上の実際の支払額データをもとに、間取り別の参考相場を公表しています。
| 間取り | 参考相場 |
|---|---|
| 1R・1K | 3万~8万円 |
| 1DK | 5万~12万円 |
| 1LDK | 7万~20万円 |
| 2DK | 9万~25万円 |
| 2LDK | 12万~30万円 |
| 3DK | 15万~40万円 |
| 3LDK | 17万~50万円 |
| 4LDK以上 | 22万~60万円 |
出典:みんなの遺品整理「遺品整理の費用相場はいくら?」。2024年2月12日時点の参考相場で、2026年に集計し直した全国平均でも、タウンライフメモリーマッチの料金表でもありません。特殊清掃などが必要な場合は、この表とは別に考えます。
「みんなの遺品整理」の全国の業者一覧にも間取り別の「○円~」という料金目安がありますが、こちらは下限価格の表示です。上のように幅を示した参考相場とは意味が違うので、混ぜて平均額のように読まないようにしたいですね。
3LDKで20万円、4LDKで30万円なら妥当?
3LDKの20万円は上記の参考相場の範囲内です。でも、相場の範囲内だからといって、その見積もりが妥当とは限りません。
20万円で大型家具の搬出も写真の仕分けも処分手配も含むのか。それとも「搬出一式」とだけ書かれ、家電や清掃は当日追加なのか。反対に、30万円でも家全体の荷物を分け、買取査定まで手伝ってくれるなら、依頼したい内容によって見方は変わります。
「1K・3万円から」という広告も、一軒家丸ごと3万円という意味ではありません。祖父の部屋一室を片付けたいのか、家の中も物置もすべて空にしたいのか。まず、どこからどこまでを見積もってほしいか決めましょう。
同じ一軒家でも費用が変わる7つの理由

祖父の家では、本、工具、日本人形、写真、アルバム、タンス、机……と、次から次へと物が出てきました。広さだけでなく、物の量と作業の内容を見ないと、金額はつかめません。
| 費用が変わる条件 | 見積もりで伝えたいこと |
|---|---|
| ① 家財の量 | 押し入れ・納戸・物置・庭も対象か |
| ② 大型家具 | タンス・机・ベッドなどを何点運び出すか |
| ③ 搬出環境 | 階段、玄関の幅、トラックの駐車位置、道路の狭さ |
| ④ 仕分け | 写真・書類・貴重品を探し、家族へ確認する作業を頼むか |
| ⑤ 処分方法 | 家電4品目や扱いに迷う品物があるか |
| ⑥ 清掃 | 簡易清掃までか、念入りな清掃も必要か |
| ⑦ 日程 | いつまでに終えたいか、家族は何回立ち会えるか |
物持ちのよい家は、間取りより「仕分ける物の数」が効いてくる
祖父は物持ちがよく、悪く言えば捨てられない人でした。本人には大切な物でも、残された家族には「これ、どうする?」と聞きたくなる物ばかり。押し入れや物置の中まで見てもらわないと、作業量の見込みがずれそうです。
祖父の家には、こうした水槽も残っていました。家具ほど大きくなくても、処分方法や運び方に迷う物があると、部屋数だけでは作業量を読み切れません。

外の流し台まわりにも、ジョウロや容器などが置かれたままでした。庭先や家の外まわりも見積もりに入れるのかで、作業量の見え方はかなり変わります。

見積もりを頼む前に家をきれいにしようとして、無理に捨て切らなくても大丈夫。むしろ、見せ忘れた場所がないかを確認しておきたいです。
家具の搬出と、家の前にトラックを止められるか
重いタンスや机を家族だけで運ぶのは大変でした。大きな家具を階段から下ろせるか、分解が必要か、玄関から出せるか。さらに、家の前の道が狭くてトラックを離れた場所に止めるなら、そこまでの運搬も仕事になります。
祖父がピアノをDIYして作った重たい棚もありました。普通の既製品とは造りが違う家具なら、搬出の際にそのまま運べるのか、分解が必要かも確認したいところです。

宅建士として住宅や土地の条件を見るときも、道路幅や車を止められる場所は気になる部分です。遺品整理の見積もりでも「トラックはどこへ止めて、誰がそこまで運ぶのか」を伝えておきたいですね。
家電・清掃・供養は、依頼内容を明確にする
エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の家電4品目は、家電リサイクル法に沿った処理が必要です。料金を確認するときは、リサイクル料金と収集運搬料金が見積もりに含まれるか聞いておきましょう。
私が処分に困った日本人形や仏壇も、普通に運び出してもらうのか、供養の相談までしたいのかで依頼内容が違います。希望があるなら、見積もり前に伝えたいところです。
見積書の「一式」と総額だけでは、まだ比べられない

同じ20万円でも、頼めることが違えば比較にはなりません。見積書を受け取ったら、私は次の項目を見ます。
見積書で確かめたい8項目
- 家全体なのか、一部屋・物置・庭は対象外なのか
- 作業人数・日数・作業日
- 写真、書類、貴重品を探す作業の有無
- 大型家具の搬出、家電、廃棄物の処分手配
- 作業後の清掃範囲
- 買取品と査定額、作業料金への反映
- 追加料金が発生する条件と事前連絡の方法
- 支払方法、キャンセル料、破損時の対応
全部が見積書に同じ名前で載っている必要はありません。「この作業は込みですか」「別料金なら何円ですか」と聞いたとき、説明を受け、契約内容として残せるかが大事です。
追加料金は「どんなとき、誰に確認して増やすのか」まで聞く
国民生活センターは2025年10月30日、当初20万円程度と聞いていたのに、作業後30万円を請求された相談を紹介しています。相談者は見積書を受け取っていませんでした。
出典:国民生活センター「遺品整理を頼むときは、事業者選びは慎重に」
「追加料金はありますか?」だけだと、「状況によります」で終わるかもしれません。私なら「何が出てきたら増えるのか。作業前に金額を示し、こちらが了承してから進めてもらえるか」まで聞きます。祖父の家のように物が多ければ、途中で新しい物が出てくるのは十分考えられるからです。
3社の見積もりが18万・23万・30万円だったら、どう選ぶ?

祖父の家のように物が多い一軒家を想定し、比べ方を具体的に考えてみます。
以下は説明用の架空の見積もりです。 私が実際に取得した金額でも、タウンライフメモリーマッチの利用実績でもありません。
| 項目 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 提示額 | 18万円 | 23万円 | 30万円 |
| 大型家具の搬出 | 含む | 含む | 含む |
| 写真・書類の仕分け | 家族が事前に行う | 含む | 含む |
| 工具・置物の査定 | 対象外 | 相談できる | 相談できる |
| 搬出後の清掃 | 対象外 | 簡易清掃 | 詳細清掃 |
| 仏壇・人形の供養 | 対象外 | 要確認 | 別途相談 |
| 追加料金の条件 | 要確認 | 書面で提示 | 書面で提示 |
家族で写真や書類を仕分け終えていて、清掃も自分たちでするなら、A社の内容が合うかもしれません。反対に、宮城県へ行けるのが土日だけで、写真や工具の前で何度も手が止まるなら、B社やC社の作業内容を確かめたくなります。
C社の詳細清掃が必要ないなら、その部分まで買う理由はありません。逆に、A社で省かれている作業を別の業者へ頼んだり、家族がもう一度帰省したりするなら、18万円だけでは負担を測れません。
買取額があるなら「作業料金」と「実際に払う額」を分ける
祖父は日曜大工が好きで、値段のしそうな工具をたくさん持っていました。でも私は査定する余裕がなく、結局処分してしまいました。もしかしたら売れたかもしれない。それが今も心残りです。
買取に対応する会社なら、「作業料金はいくらか」「何をいくらで買い取るのか」「その査定額は確定しているのか」を別々に確認します。たとえば作業料金23万円で、査定確定後の買取額が3万円で作業料金から差し引かれるなら、差引支払額は20万円、という見方です。この3万円も説明用の仮の数字で、祖父の工具の買取額ではありません。
査定前から高額買取を見込んで予算を立てる必要はありません。値段が付くか分からない物を、先に捨てずに済むだけでも、私には意味があります。
まずは「うちの実家ならいくら?」を確かめたい方へ
見積もりでは、部屋数だけでなく、家財の量・大型家具・仕分け・買取・清掃の希望を伝えましょう。金額と作業範囲を揃えて比較すると、依頼先を考えやすくなります。
費用を抑えたいなら、先に「捨てる物」を増やしすぎない

家族ができる範囲で不用品を減らせば、業者の作業量が減る場合はあります。でも、私は祖父の遺品整理で、急いで捨てた物への心残りも経験しました。
ハンコが押された大量の本は古本屋で買取を断られ、工具や置物は値段を確かめる時間がないまま処分。写真とアルバム、仏壇のことも簡単には忘れられません。「捨てれば安くなる」だけを先に考えると、別のものを失うことがあります。
先に分けたいのは「残す物」と「査定してから決める物」
- 残す物:思い出の写真、アルバム、手紙、形見、重要書類など
- 査定してから決める物:工具、カメラ、貴金属、値打ちの分からない置物など
- 処分してよい物:家族で手放すことを決めた不用品
祖父は、私が幼稚園で描いた似顔絵や、小学6年生の水泳大会の金メダルを大切に残してくれていました。そんな物を、知らない人が見て価値を判断することはできないと思います。そこは家族で選ぶ時間を確保したいです。
本、人形、工具、写真、仏壇を片付けたときに何を感じ、何が今も心残りなのかは、次の実体験記事に詳しく書きました。

自治体のごみ出しを使うなら、実家の自治体のルールで
家族が処分すると決めた物は、実家の自治体の分別・粗大ごみ制度を使う方法もあります。収集日や持ち込み場所、品目の扱いは自治体によって違います。東京でのごみ出しの感覚が、そのまま宮城県の実家で通用するわけではありません。
週末しか帰れないなら、収集日が合うのか、大型家具を自分で運べるのかまで考えます。自分たちで片付ける方法が、必ずしも時間と体力の節約になるとは限りません。
東京から宮城県へ帰る人にとって、交通費と休日も片付けの負担

祖父の家は宮城県。東京で仕事をしていた私は、土日で片付け、月曜日には戻らなければなりませんでした。専門店へ工具を持ち込もうにも、次の帰省を決めるところから始まります。
家族で片付ければ業者への作業代は抑えられます。それでも、一度では終わらず、また帰省して家具を運ぶなら、交通費も休日も使います。見積書に載らない負担が、自力の片付けにはありました。
遠方の実家なら、見積書と一緒に確かめたいこと
- 往復の交通費、必要なら宿泊費
- 移動と片付けに使う休日
- 買取先探しや自治体の収集日に合わせる時間
- 見積もり・作業・完了確認で必要な立ち会い回数
- 売却・明け渡しなど、片付けを終えたい期限があるか
業者へ頼むなら、見積もり日、作業日、鍵の受け渡し、終了後の確認方法まで聞いておきます。反対に、家族でしか選べない思い出の品の判断は、急いで外注できるものでもありません。祖父の家で何に手が止まったのかは、実際に遺品を捨てて心残りになった話に書いています。
大切な遺品を任せるなら、勝手に捨てられないかも確かめたい

祖父の家には大量の写真とアルバムがあり、その中には私が小さかった頃の写真もありました。家族にしか意味の分からない物を、料金表の「不用品」という一語でまとめられたくありません。
国民生活センターが紹介した相談には、残す約束だったアルバムなどが業者に処分され、取り戻せなくなったケースもあります。国民生活センターの注意喚起を読むと、祖父の家の片付けも他人事ではないと感じます。
見積もりでは「この棚は処分してよい」「この箱は絶対に触らない」「写真と書類は捨てる前に見せてほしい」といった希望が、作業する人へ伝わるかを確かめます。家族が大切にしたい物を決め、業者にはその判断に沿って手伝ってもらいたいです。
古物商の許可と、家庭ごみを運ぶための許可は別
工具などを買い取ってもらう場合は古物商の許可を確認します。一方、家庭から出る廃棄物の収集運搬は、市区町村から委託された業者か、一般廃棄物処理業の許可を持つ業者が担う必要があります。古物商の許可だけで家庭ごみを運べるわけではありません。
処分する物を誰がどのように運ぶのか、見積もり時に聞いておきましょう。これは言葉だけの注意ではなく、実際に家から運び出す大量の物をどう扱うかという確認です。
出典:国民生活センター「遺品整理を頼むときは、事業者選びは慎重に」
何社も探して連絡する時間がないなら、比較サービスも一つの方法

「複数社から見積もりを取った方がいい」と分かっていても、そこにたどり着くまでが大変です。宮城県の実家に対応できる業者を探し、一社ずつ電話し、同じ説明をして、土日の見積もり日を調整する。東京で仕事をしている私には、それも負担でした。
比較を始める候補の一つが、タウンライフメモリーマッチです。運営会社は、自分で選んだ最大3社へ無料で現地見積もりを依頼できる方式を案内しています。無料なのはサービスの利用と見積もりで、実際に契約した業者の作業料金は別です。
出典:タウンライフ株式会社「新サービス『タウンライフメモリーマッチ』を7月22日より提供開始」(2026年9月22日確認)
私は祖父の遺品整理を経験しましたが、メモリーマッチ自体を利用したわけではありません。当時の自分なら、料金だけでなく写真の仕分け、工具の査定、家財の搬出まで相談できる会社を比べたかったと思います。
口コミ・評判、サービスの仕組み、デメリット、利用前の確認事項は、次の親記事にまとめています。見積もりを頼む前に、比較の方法を確認したい方はそちらも参考にしてください。

一軒家の遺品整理費用でよくある質問

一軒家の遺品整理で20万円は高いですか?
3LDKの参考相場は17万~50万円ですが、20万円が妥当かは家財の量や依頼範囲によります。大型家具、処分手配、買取、清掃などの有無を揃えて比べましょう。
家が散らかったままでも見積もりを頼めますか?
片付ける前の状態で相談できます。押し入れや物置も含め、どこまで見積もり対象にするか伝えておくと話が進めやすくなります。
3社の見積もりがあれば、必ず相場が分かりますか?
3社とも同じ範囲・同じ希望をもとに見積もることが前提です。清掃や買取査定が含まれる会社と含まれない会社を、金額だけで比較しないようにします。
無料見積もりを取ったら、契約しなければいけませんか?
メモリーマッチの案内では、見積もりに納得できなければ契約は不要です。契約後のキャンセル料などは、各業者の条件を確認してください。
まとめ|一軒家の遺品整理費用は、金額だけで決めない
祖父の遺品整理をしていた当時、私は作業料金の物差しを持っていませんでした。東京から宮城県へ帰る時間も限られ、工具や置物の査定まで手が回らなかったことは、今も心残りです。
もし今やり直せるなら、残したい物を家族で選び、家のどこまで片付けたいかを決めたうえで、同じ条件を複数社へ伝えます。金額と作業内容を比べて、家族がすること、業者へ任せることを決めたいです。
相場表は出発点。自分の実家に必要な費用は、実際の家を見てもらった見積書から考える。 それが、あのときの自分に伝えたいことです。
遺品整理を頼む前に、費用の目安を確かめておきたい方へ


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