夢のマイホーム。
計画中、特に間取りを決めているときは夢や希望が膨らみます。
それと同時に「せっかくなら大きい家を」と、敷地面積と資金の許す限り、部屋数や床面積も膨らむものです。
生涯で一番大きい買い物でしょうから、妥協したくないという思いも無理もありません。
しかし、家の大きさは将来のことをよく考えて決断しないと、将来「減築リフォーム」が必要になり想定外の出費が発生する可能性が出てくるのです。
事実、昨今この「減築リフォーム」を余儀なくされている方が増えているのです。
なぜ減築リフォームが必要なのか?
狭いならまだしも、広いのになぜわざわざ小さくリフォームをする必要があるのでしょうか?
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その一例を挙げると、
- 夫婦
- 祖父母
- 子供1人
- 子供をもう1人予定
という家族が家を建てました。床面積は150㎡、間取りは5LDKです。
- 寝室
- 祖父母の部屋
- 子供部屋2部屋
- 夫の趣味の部屋
一般的な間取りに加えて「将来生まれるかもしれない子供の部屋」と、こだわりポイントの「趣味の部屋」を追加した5LDKです。家族のプライバシーやライフプランをかなり具体的に想像し、金額的にも背伸びをして決めました。
しかし、実際には2人目の子供は生まれず1部屋は一度も使われることなく納戸状態に、10年後に子供は進学し家を離れ、さらに10年後両親が他界。
結局、20年後には夫婦たった2人で5LDKの家に住むことになったのです。もちろん背伸びをして組んだ住宅ローンはあと15年残っています。
おまけに50歳を超え自分たちの体力もなくなり、家の2階に行くとすれば誰も使わなくなった2階のトイレ掃除くらいです。使わなくてもトイレは掃除が必要です。「便利だと思って奮発した2階のトイレが仇となるとは」と悔やんでもしょうがありません。
使わない部屋だって、定期的に掃除をしたり換気をしたりしなくてはならず、何年も活躍していないエアコンは壁に張り付いたまま。
さらにガタがきているのは自分たちだけでなく、家そのものも修繕が必要な時期です。資金繰りをしなくてはなりません。
2階建ての家の外壁張替えは面積が広くコストがかかります。「使わなくなった2階の外壁がないだけでもコストは抑えられるのに。」「2階がなければ無駄なトイレ掃除もいらない、部屋の掃除も半分で良いのに。」
そして、建物の2階部分をすべて解体する減築リフォームを決断しました。
確かに減築リフォームはコストがかかります。それにお金をかけてわざわざ家を小さくするなんてもったいない気がします。しかし、日々のメンテナンス、さらにこれからの修繕費用、自分たちのこれからの体力を鑑みれば、むしろメリットが多いのです。
このようにして、
家を建てるときの「家はできるだけ広い方が良い」は、数十年後の「もっと小さければ良かった」に変わるのです。
家の広さを決める際の検討材料
今回の例で言えば、家を建てる時点で十分なライフプランを立てていたように思えるのですが、実際にはもっと具体的な想像をしていく必要があるのです。
では、家の広さを決める際の検討材料について紹介してまいります。
基本となる検討材料
まずは、基本となる検討材料です。
- 家族構成
- 土地の広さ
- 予算
当然ですが、何人で住むのか、土地の広さや建ぺい率、容積率など建築基準法に準拠していること、無理のない予算内であることが基本です。
子供部屋の数の考え方
子供部屋の数の考え方でプランミスをしてしまう方が多いのですが、必ずしも
子供の部屋=子供の数
ではないということを念頭におきましょう。長男でもない限り、多くの場合で子供たちは家を離れていきます。
しかも子供たちが離れていくのは20歳前後となるでしょう。実際に子供がこのマイホームにいるのは「あと何年」なのか、を計算してみると意外に短いことがお分かり頂けると思います。
男の子と女の子など、異性の子供ならば分ける必要があるかもしれませんが、わざわざ部屋を別にして壁で区切る必要はないかもしれません。同性ならば尚更です。
最近では「収納と仕切り」を兼ね備えた商品も人気です。プライバシーを守るのも大切ですが、せっかくの家族なのですからある程度の距離感を保つのも大事です。
将来家族が増えるかもしれない場合
中には未定ながらも、これから子供が増える「かもしれない」家族もあるかと思います。あるいは将来介護のために両親を受け入れる「かもしれない」という世帯も多いでしょう。
ただここで注意していただきたいのはマイホーム計画で「かもしれない」を加えていくとキリがありません。
こういった「かもしれない」には、ある程度対応できるような作りにする程度で抑えておくと失敗しない家づくりに近づきます。
子供が増えるかもしれない場合
例えば「子供がもう1人増えるかもしれないから子供部屋を2つ」ではなく、「大きな子供部屋を1つ作っておき、将来子供が増えたら2人で使うか、壁や仕切りを後付け」できる間取りにしておけば良いのです。仕切った後でもドアを追加で後付けできるようプランニングには注意が必要です。
介護で両親を受け入れるかもしれない場合
将来両親を迎え入れるかもしれない場合は、「そのために予め1部屋設けておく」のではなく、「LDKに隣接した場所にやや広めのスペースを設けておく」方が利便性が高いです。
両親がいない間は仕切りを解放しておけばLDKが広くなり、両親を迎え入れる際にはそのスペースを「畳コーナー」にして仕切ればプライバシーも守れます。特に、介護が必要な状態の両親を迎え入れた場合、家族がいるLDKの近くにいてもらった方が介護する側もされる側も安心です。
結婚した子供世帯を受け入れる可能性
長男や一人っ子の場合、将来的に結婚した子供世帯が同居する可能性があるのかも検討しておきましょう。
その場合二世帯住宅に変えるのか、あるいはこのままの間取りでどう住み分けるのかなどを検討することも大切です。
家の広さの水準「居住面積水準」とは?
ここまで紹介したことをプランニングに取り入れ、数年後、そして最終的に家族構成がどうなるのかを検討したら、いよいよ家のおよその広さを決めていきましょう。
ぜひ参考にしていただきたいのは、以下の国土交通省「住生活基本計画」の、居住面積水準です。
居住面積水準 | |||
世帯人数 | 誘導居住面積水準 | 最低居住面積水準 | |
一般型 | 都市居住型 | ||
単身 |
55㎡ |
40㎡ | 25㎡ |
2人 | 75㎡ | 55㎡ | 30㎡ |
3人 |
100㎡ {87.5㎡} |
75㎡ {65㎡} |
40㎡ {35㎡} |
4人 |
125㎡ {112.5㎡} |
95㎡ {85㎡} |
50㎡ {45㎡} |
5人 |
142㎡ {130.6㎡} |
109.3㎡ {99.75㎡} |
57㎡ {42.75㎡} |
6人 |
166㎡ {154.4㎡} |
128.4㎡ {118.75㎡} |
66.5㎡ {61.75㎡} |
- 「誘導居住面積水準」とは、豊かな生活を実現するための住宅面積の基準
- 「最低居住面積水準」とは、健康で文化的な生活のための必要最低限の住宅面積の水準
- 「一般型」は都市部以外の地域
- {}内は、世帯人数の中に3歳〜5歳時が1名いる場合の面積
これらの表を参考に、自分たちのライフプランにあった家の広さや間取りを決めていきましょう。
家の間取りや広さに悩んだら
様々な角度から何度も検討し、決定していかなくてはならないマイホーム計画では、間取りや家の広さで悩んだり、意見が分かれたりすることも多いでしょう。
そんな時は独りよがりにならず、素直に設計士さんや建築士に相談しましょう。
- 将来両親を受け入れるかもしれない
- 子供をもう1人検討している
- 後継なので地元に帰ることになるかもしれない
など理想と現実と、それぞれの事情は話さなければ伝わりません。逆に相談することでとても素敵な間取りの提案をいただけることもあります。すでに間取り決めまで進んでいる場合は相談してみましょう。
また、これからマイホーム購入計画という方は、今回のような家の広さや間取りだけでなく、資金計画や土地探しまで無料サポートしてくれる「タウンライフ」をおすすめします。
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それでは。
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