人生最大とも言えるマイホーム購入。
そんな一大イベントの思い出を良くも悪くも左右しかねないのが不動産・ハウスメーカーの営業マンです。
契約前に気づけばいいですが、引き返せないところまで行ってから最悪な営業マンと気付くと、そこからは地獄の始まりです。
私のように「ちょっとお前、マジで本気で仕事しろ。」と面と向かって文句を言える方ならいいと思いますが、日本人はとかく穏やかで、我慢して、諦めて、泣き寝入りする美学がありますから、深入りする前に見極めておくことが大切なのです。
今回はそんな営業マンの見分け方を紹介していきます。
私が不動産の営業にがっかりした話
まずは私が実際に家を建てたときに本当にがっかりした営業さんに付いて紹介します。これは2019年、元号が令和になる年の実話です。相手は超大手ハウスメーカーの営業さんです。一部上場企業の社員さんです。そして社会人です。
資金計画で金額ミス100万円
注文住宅でマイホームを建てると、まずは建物価格や税金、諸経費などベースの金額が決まります。そして、内装打ち合わせの時に照明追加やオプション設備で追加料金、さらに駐車場のコンクリートなど外構でさらに追加料金となっていくのですが、ここまでで総費用はいくらなのかを確認するため資金計画を営業さんに出してもらいました。
すると、
「とっくに予算オーバーですよ!もう駐車場のコンクリートとか諦めるんですか?」
と、若干高圧的な言葉で言われ、
「すみません。そんなにいっているとは思わなかったので。もしオーバーしても自己資金で対応しますから。」
と電話をきり、おかしいなぁと思いまながらも泣く泣く妻と妥協点を見つけて理想の家を徐々に現実の家へプラン変更。自己資金に余裕があったとはいえ、やはり当初の予定と狂うことはできるだけ避けたかったのです。
しかし、どうしても納得がいかなかったので必死で勉強し、資金計画を自分で算出しなおしてみると、どう見積もっても当初の設定金額から100万円以上はまだ余裕があるはず。
そこで再度電話をし、
「前回頂いた資金計画、私なりに計算したらまだ100万円以上余裕があるはずなのですが、今度どこが間違っているのか1項目ずつ教えてください。」
と伝えました。
すると次の日、
「ごめんなさい!前回の計算間違っていました。まだ100万円以上余裕ありした〜。あははは。」
だそうです。
高圧的な態度でこんな大きな買い物をしてくれるお客様をまくしたてておいて、100万円という大金の計算ミスを素人のお客様に見つけていただいておいて、間違ってることに気づいたらゴメンナサイで照れ笑い。
許せませんよね。100歩譲って人間だからミスは仕方ない。でももっと緊張感もってやってくれよと。
レスポンスが遅い・言葉が足りない
これもずっと気になっていたことなのですが、この会社は決定事項などを家族LINEを利用して共有します。夫婦の片方だけが打ち合わせに来ている時など、そこでの取り決めに「言った」「言わない」を発生させないためです。
なるほどそれはいいなと思ったのですが、なにしろ営業マンのレスポンスが遅い上に言葉が足りないこと。
例えば、私からこんなLINEを送ります。
「お世話になります。〇〇です。いま検討している仕事スペース横のウォークインクロゼットは、居室に標準でつくものと捉えて良いのでしょうか?それともオプション料金の扱いになるのでしょうか?リビング続きで仕切りもない仕事スペースなので、居室と認識されるのかどうかがわかりませんので、念のため確認させていただきたくご連絡を差し上げました。お忙しいところ申し訳ありませんが、ご回答よろしくお願い申し上げます。」
と送ったところ、待つこと2時間、
「標準です。」
のたった一言。
目を疑いました。私とあなたは友達じゃないんですけど?君、社会人として、人間として大丈夫?
不動産・ハウスメーカーの営業マンはどこまで影響する?
あまり悪口ばかり書いていても仕方ないのでいよいよ本題です。ただ、営業マンがマイホーム購入のイメージや思い出や、時には金額を大きく左右するのだということは知っておいてください。
まずは、不動産・ハウスメーカーの営業さんはどこまでマイホーム購入の流れでかかわってくるのでしょうか?
結論から言えば、基本的に最初から最後までです。
その中でも特に重要なのは、
- 物件探し・土地探し
- 住宅ローン・資金計画関連
- 契約に関わる部分
といった部分です。
営業マンのスキルは、いい土地、いい物件との出会いに大きく影響します。
営業マンのスピードは、引渡しまでの時間にダイレクトに影響します。
また、基本的に担当外となる
- 設計
- 建築
- 内装・インテリアコーディネート
- 外構
においても、有能な営業マンは第三者の目線で切り込み指摘、提案をするので緊張感が生まれます。
ですから、引渡しのその日まで、そしてその後のアフターサポートでもお世話になる営業マンはマイホーム計画のキモと言えるのです。
注意すべき不動産・ハウスメーカーの営業マンの特徴
まずは注意したほうがいい営業マンの特徴を紹介します。
契約を急がせる営業マン
まずは契約を急かす営業マンです。
これから何十年も住む家、土地の決定を急かす時点で営業マン失格です。
「今決めていただければこの値段で」
「人気の土地なので明日にはないかもしれません」
と今の今で決めさせようとしたり、
「お仕事は?」「年収は?」「会社は?」
などとまだそこまで知り合いでもないのに、顧客を品定めしてくる営業マンも注意です。
また、
「とりあえず住宅ローンの事前審査出しちゃいましょう」
などと、顧客の信用を確かめるような場合も注意です。特に、ローンの事前審査は金融機関で共有されてしまいます。仮に審査に落ちてしまえばその事実も共有され、住宅ローンを他で組むことも困難になる場合があります。
他社批判をする営業マン
不動産やハウスメーカーの営業にかかわらず、他社を批判するのは自社に自信がないと言っているも同然ですから、こんな営業マン、会社は要注意です。
例えば、もう一社はこのくらい安かったと質問したときに、
「確かにあの会社はローコストですが、耐震等級3が最高と言われる中で、あちらは1ですよ?冬、部屋が寒いって噂を聞いたこともありますし、断熱材とかでコスト抑えているんじゃないですかね。」
などと返ってくるようではまだまだです。耐震等級の勉強もできていませんし、ローコストの技術やしくみも勉強不足が露呈されています。
「確かにあの会社もローコストで素晴らしい家を建てていますが、私たちは想定外の地震が発生した場合にも安心できる家に住んでいただきたいのです。揺れに強いだけでなく、そもそも揺れにくい、ほとんど揺れない構造に力を入れているため、他社よりもコストは高いです。ただ、万が一の際にはこの会社で建てて良かったと必ずご満足頂けると自負しております。」
最低限、このくらいの切り返しレベルは欲しいです。
知識がない営業マン
知識がない営業マンは論外です。
何を質問しても的を射た回答がなく、ふわふわとしています。数値や専門用語も使いこなせず、説明に根拠も見当たらないし、目が泳いでいるようなら注意です。
「この会社の売り・強みはなんですか?」
という質問ぐらいなら答えられるかと思いますが、
「他社に対する強みはなんですか?」
など、業界の勉強までできているのかは確認をすべきです。
また、その場で答えられなくとも、
「確認させてください」
と切り返し、後日にでもしっかりとした回答が得られればOKです。
「ちょっとわからないですね。」
と、諦めたり放置をする営業は容赦なく切りましょう。
契約以外には興味がない営業マン
あまりにしつこい営業も困りものですが、契約と関係のないことにあまりに興味がなさすぎる営業さんも注意です。
前述の通り、営業さんとはマイホーム購入計画中、そしてその後のアフターサービスなどでもお世話になる可能性があります。
契約以外に興味がない営業マンは、家を買うと決まって契約書に印鑑を押した途端に次の契約を獲得することに夢中になり、疎遠になってしまいます。
営業と客という関係でありつつ、人と人としての付き合いを大事にする営業さんを選びましょう。
「できる営業マンは商品を売るのではなく、自分の人柄と信頼を売る」ものです。「どの会社で買いたい」かではなく「この人から買いたい」と思えることが大切です。
信頼できる不動産・ハウスメーカーの営業マンの特徴
次に、信用できる不動産・ハウスメーカーの営業マンの特徴を紹介します。
話を最後まで聞いてくれる営業マン
私たちお客は、素人です。ましてやマイホーム購入なんて人生で一度あるかないかのイベントですから何も知らなくて当然です。
プロの方達からしたら「なんだその質問は」と思うようなことでも最後まで聞いてくれることが大事です。
また、一度にいろいろな質問をする場合も、遮ることなくメモを取りながら最後まで聞いてくれる営業マンは信頼できます。なぜなら、質問1つごとに話を切られてしまうと、こちらも何を質問したかったのか忘れてしまうことがあります。そういったことを想定できる営業マンは、今後もさまざまなリスクや不安を想定した行動・対処をしてくれるでしょう。
お話が得意な営業マンでも、客が話し出したら最後まで聞くというのが信頼できる営業マンの証です。
知識があり、わかりやすく説明できる営業マン
知識がない営業マンは論外ですが、知識があっても説明が下手な方がいます。
難しいい言葉をそのまま使ったり、早口でまくしたてたりするのではなく、噛み砕いてわかりやすく説明できる営業マンは、お客様の立場を想像出来る素晴らしい営業マンです。
耐震構造や、契約に関わる流れや専門用語など、自分たちは毎日のことなので当たり前のように使っているかもしれませんが、お客様は初めて聞く言葉ばかりで話が入ってこないものです。
難しい言葉を噛み砕き説明でき、難しい部分ではあらかじめ準備しておいたイラストや図、比較表などを用いてくれるような営業マンは信頼していいでしょう。
アイディアが豊富な営業マン
知識があることが大前提ですが、アイディアが豊富な営業マンは非常にありがたいです。マイホーム計画は「希望」を並べて、予算によって「妥協」していくだけではありません。
将来的な不確定要素にいかに対応出来るようにしておくかも大切で、そこには想像力やアイディアが必要です。
「これから2人目の子供が増えるかもしれないので、部屋数をどうするべきか悩んでいる」
といった時に、
「次のお子様の性別によっては、部屋を分ける必要もないかもしれませんし、もし分ける必要が出たときには、収納棚を使った仕切りも最近は人気です。耐震性能的に、あとで壁を取ることは難しいので、まずは大きな一部屋で検討してはいかがですか?また、どうしても壁が必要になる場合も想定した設計も検討しましょう。」
といった提案力は大事です。
他にも、
「採光のために2階にリビングを検討した際に、老後には階段がきつくなるかもしれない」
「各階にトイレを設置を検討した際に、あまり使わないトイレでも、お掃除は必要」
など、理想と現実、未来の想定なども提案してくれる営業さんは信頼できます。
悪いところも教えてくれる営業マン
特に他社と比較した際に、正直に劣っている部分を行ってくれる営業さんは信頼できます。
これから一生住むであろうマイホーム購入で、あとであっちのハウスメーカーの方が性能が高かったなどと知るのは悔しいものです。
自社の悪いところを全てをさらけ出す必要はないですが、「寒いのだけは絶対に嫌!」という絶対に譲れない部分が明確なお客様の要望に対し、
- 省エネ等級
- 床暖房が標準装備
- 熱交換型の換気システム
- 複層ガラスと樹脂サッシ
- 断熱材の厚みや素材
こういった設備がない物件の会社が、実はもう少し予算を追加すれば搭載できる会社の存在を正直に教えてくれる営業マンは信頼できます。
レスポンスが早い営業マン
不動産やハウスメーカーの営業さんも忙しいとは思いますが、客だって忙しいのです。
一生住むマイホームとはいえ、割ける時間は限られます。
わからないことがあった時に、すぐに返事があったり、契約書に不備があったときにすぐに自宅まで修正の書類を届けてくれたりと小回りのきく営業さんは非常に助かります。
同時に、会社での仕事ぶりも想像できます。
「仕事ができる人はすぐにやる。仕事ができない人はギリギリまでやらない。」という特徴からも見て取れるとおり、レスポンスはその人の会社での働きも浮き彫りにします。
ぽんぽん仕事をこなしてくれる方と組めれば、引渡しまでの手続きも無駄なくスムーズに進むことでしょう。
将来的にその営業さんが偉くなっていれば、アフターサポートで相談した時もスピーディーに対応してくれたり、多少の融通を利かせてきれるかもしれません。
まとめ|信頼できる営業・注意すべき営業
ということで、不動産・ハウスメーカーの信頼できる営業と注意すべき営業を紹介させていただきました。
人生最大とも言える買い物・イベントを大きく左右する営業は、信頼できる方に出会えれば将来まで最強のパートナーとなるでしょう。
逆に、見分けられずダメな営業に担当されると、期間中ももやもやの連続、その後も家に住んでいる間、何かにつけて嫌なことを思い出してしまうかもしれません。
信頼できる営業や会社に出会うには、ある程度自分でも知識をつけ、少しでも多くの会社を比較検討するしかありません。
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ぜひ参考にしてみてください。
それでは。
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