マイホーム計画もいよいよ大詰め。
建物が竣工し、完成検査も済み検査済証が交付されると、現場監督と施主が立ち会う竣工検査(完成検査・施主検査)が行われます。
主にクロスなどの仕上げ具合やドアの開閉、住宅設備の点検や操作やメンテナンス方法の説明がなされます。そしてその際に、不備などがあれば「駄目工事」で引渡しまでに直してもらいます。
引っ越しして家具などを配置してからクロス破れに気づいてやり直しとなると大変ですから、竣工検査時にはもれなく不具合を見つけておきたいところです。
ということで、今回は竣工検査(完成検査・施主検査)時のチェックポイントを、実例と合わせて紹介してまいります。
実際に私が竣工検査でチェック、指摘した部分は写真も掲載しますので、ぜひお役立てください。
竣工検査(完成検査・施主検査)のチェックポイント
建具(ドアやクロゼット)の開閉・鍵の開閉
まずは、建具(ドアやクロゼット、床下収納)の開閉・鍵の開閉をチェックします。
- ドアの開閉はスムーズに開閉できるか
- 開閉方向は間違いがないか
- 鍵の開閉はスムーズか
- 鍵の設置面は間違い無いか
- 建具の反りや隙間は無いか
- 建具関連の金具
などをチェックします。
私がチェックをした時は鍵をかけるハンドルが非常に重く改善してもらいました。床下収納もかなり固く、開けるのが困難だったので同じく改善してもらいました。また、トイレの鍵が外側に付いていたなんて不備も報告されていますので実際に利用する場合を想定してチェックしましょう。
さらにドアストッパー↓
このストッパーが折れたり、汚れたり、そもそも設置されていないことも指摘しました。
次にドア上部の金具↓
明らかにひん曲がってしまっています。これも高い位置なので見落としがちですが、しっかりチェックしましょう。
クロスの破れ・継ぎ目
次にクロスのチェックをしましょう。特に目立ちやすいのが角の継ぎ目です。
↑のように、角に隙間ができています。通常はここに専用の塗料で仕上げをするのですが、施工忘れもわりとあります。この隙間はちょっとみっともないので必ずチェックしましょう。
さらに↓はクロスのヨレです。
施工ボードの形にくっきりと壁紙が浮いてしまっているのがわかるかと思います。
さらには↓
住宅設備機器を搬入する際にぶつけたのでしょうか?思い切り壁紙が破れてしまっています。
このように、壁紙・クロスの破れや継ぎ目、汚れは厳しくチェックすればするほど出てきます。入居し家具を配置してからでは貼り替えなども大変ですから、隅々までチェックしましょう。
階段
階段もしっかりチェックしましょう。
↓はささら桁の傷です。
これも、住宅設備搬入の際にぶつけたのかもしれませんが、思い切り傷が付いています。
その他階段に関しては、
- 設計図通りか
- 浮きや隙間、音鳴り
- 手すり
- 笠木の施工状況
などもチェックしましょう。
ケーシング材など
ケーシング材などとしましたが、巾木や廻り縁、上り框、窓枠などもチェックしましょう。
例えば私は↓を指摘しました。
こちらは巾木が浮いてしまっています。これは素人では簡単に直せませんので大工さんを呼んで直していただきました。
スイッチやリモコンの配置
スイッチやリモコンの配置もチェックをしましょう。
なにも指定しないと↓のように謎の配置になります。
縦も横も、一体どのラインに統一したらこんな配置になるのか、ちょっとセンスを疑いました。気にならない人もいるかもしれませんが、これはちょっとということで直していただきました。
同じように、コンセントの配置などもしっかりチェックし、必要に応じて手直ししてもらいましょう。
さらに↓はペーパーホルダーの位置です。
実際に座ってペーパーホルダーを使うシミュレーションをしてみると、ほぼ真横にあり使い勝手が悪いので位置の手直ししていただきました。マニュアル通りの位置ですと言われましたが、ここはわがままを言わせていただきました。
住宅設備機器
その他住宅設備機器に関しては私の場合不備などは見つかりませんでしたが、
- シンクやトイレの排水チェック
- 設備が正常に運転できるのかをチェック
こういったことをもれなくチェックしていきましょう。
それにしても、一棟の新築だけでこんなにも指摘事項があることに驚きました。やはり家づくりはプロだからと業者に任せっきりにするのではな、自分も勉強し積極的に参加しなくてはなと痛感いたしました。
竣工検査(完成検査・施主検査)で見逃してしまった場合
ここまで、竣工検査のチェックポイントを紹介してまいりましたが、プロでない方にとっては見落としや、判断に困ることもあるかと思います。
そういった場合でもご安心ください。
竣工検査(完成検査・施主検査)で見つからなかった不良個所でも、引渡しから2年以内であれば、クロスのよれや建具の開閉、住宅設備の不良などを施工主の責任で補修してもらえます。
特に木造住宅では高温多湿の夏、乾燥の冬を越えることで構造材が変化し、壁紙のよれや継ぎ目に隙間が生じます。おそらく引渡し時に「1年ほどして木がなじむまでは様子をみてください」と言われるでしょう。ただ、2年を越えると有償になるハウスメーカーも多数ですので、2年以内に一度点検と補修をしてもらうのを忘れないようにすべきです。
また、主要構造部や雨漏りなどの防水に関わることで、竣工時にすでに発生していたと判断されるものに関しては、竣工後10年の間に見つかれば、施工主の責任で補修してもらうことができます。
住宅瑕疵担保責任というものですので、しっかりおさえておきましょう。
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