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【実録】私道の家を買って後悔?10年住んで起きた補修費・通行・近隣トラブル

ある日、弁護士事務所から封筒が届いた

ある日、弁護士事務所から私道の件で封筒が届いた

ある日、我が家のポストに一通の封筒が入っていました。

差出人を見ると、弁護士事務所。

「え?弁護士事務所?」

「私なんかやったかな?」

心当たりがない。

恐る恐る封筒を開けると、そこに書かれていたのは、わが家が毎日使っている私道についてでした。

ざっくり言えば、

  • 私道とつながる土地に将来修繕が必要になった場合、道路を利用する住民にも費用負担について協力してほしい
  • それが難しい場合、私道の通行料を求めることも検討する

という内容です。

土地を買って約10年。

道路が狭くて使いづらいことはありました。

道路が陥没し、住民側で補修したこともありました。

でもまさか、

弁護士事務所から「私道」について通知が届くところまで行くとは思っていませんでした。

そして思い出します。

約10年前、この土地を紹介されたときの営業さんの言葉を。

眺めもいいですし、日当たりもいいです。近くに公園もある。駅にも近くて。まあ、あとはこの道が私道ってことくらいですかね。あっ!ここ花火大会が家から見えるんですよ!

一言一句同じとは言いません。

でも、かなり記憶に残っています。

私も当時、

「私道かぁ……」

くらいには思いました。

ただ、

「私道の家で10年暮らすと何が起こるのか」までは、まったく理解できていませんでした。

私はこの土地を買った当時、まだ宅建士ではありません。

その後宅建士になり、約10年この私道を使って暮らした今だからこそ、

「購入前にここまで確認しておけばよかった」

と思うことがあります。

この記事では、私道の一般論だけではなく、私の家で実際に起きた、

  • 車のすれ違い
  • 私道上の駐車トラブル
  • 道路の陥没
  • 補修業者探し
  • 住民による費用負担
  • 弁護士事務所からの通知
  • 通行料の話

まで紹介します。

「私道の家を買って大丈夫かな」と迷っている方には、購入前に一度知っておいてほしい話です。

土地購入時、「私道」を私はそこまで重く考えていなかった

土地購入時、「私道」を私はそこまで重く考えていなかった

わが家へ行くには、一本の細い道路を通ります。

この道路は公道ではありません。

私道です。

そして、この道を通らなければ公道へ出ることができません。

土地購入時にも私道であること自体は説明されています。

だから、

「私道だなんて知らなかった」

という話ではありません。

知っていました。

でも、

知っていることと、その意味を理解していることは別でした。

当時の私は、

「普通に車で通れる」

「ほかの家の人も使っている」

「今まで問題なく使われている」

それくらいしか見ていません。

約10年暮らしてわかったのは、私道は単に、

「国や自治体ではなく個人が持っている道路」

というだけの話ではないということです。

誰が所有しているのか。

誰がどんな権利で通っているのか。

壊れたら誰が直すのか。

費用は誰が負担するのか。

上下水道などの工事が必要になったらどうするのか。

売却するときに影響はないのか。

道路なのに、不動産そのものなんです。

宅建士メモ
宅地・建物の売買では「私道に関する負担」は重要事項説明の対象です。ただし、「私道」という言葉だけでは十分ではありません。道路の種類、所有者、持分の有無、負担内容など、個別の条件を確認する必要があります。

毎日の生活で最初に感じたのは「とにかく道が狭い」こと

毎日の生活で最初に感じたのは「とにかく道が狭い」こと

わが家が利用している私道は狭く、車同士がその場ですれ違えるほど余裕がありません。

向こうから車が来たら、どちらかがバック。

すれ違える場所まで戻ります。

前から来たのが私道の所有者さんなら、私は自分から下がるようにしています。

所有者さんから強制されたわけではありません。

私なりの配慮です。

宅配便や工事業者の車が停まっていると、さらに狭くなります。

近所には高齢の方もいるため、デイサービスなどの車が停まることもあります。

利用者を介助しながら乗り降りするので、宅配便より時間がかかることもある。

必要なことなので仕方ありません。

でも朝の出勤時間に重なると、

「あー、今日ここ通れないか」

となる。

土地購入時の私は、

「車が入れる道路だから大丈夫」

と思っていました。

今なら、

「車が入れるか」ではなく「毎日ストレスなく使えるか」

まで見ます。

私道は、道路の問題と人間関係の問題がくっつきやすい

私道は、道路の問題と人間関係の問題がくっつきやすい

この土地で暮らし始めて2年ほど経った頃、生活道路である私道に一台のバイクが停められるようになりました。

もともと狭い道路なので、バイク一台でも通行に影響します。

ところが持ち主がわからない。

当時、たまたま町内会の役員だった私は、私道所有者から、

「あのバイク邪魔だから、どけるように言ってくれ!」

と頼まれます。

持ち主を探して事情を説明したところ、今度はバイク所有者側から反論され、結果的に双方の間へ入ることになりました。

この出来事そのものは、近隣トラブルの実録記事で詳しく書いています。

【実録】戸建ての近隣トラブル|土地を買って10年、購入前に知りたかったこと

私道について私が感じたのは、道路の権利関係だけでなく、人間関係まで一緒に問題になりやすいということです。

公道なら普段、「この道路は誰のものか」を意識して暮らす場面はそれほど多くありません。

私道には所有者がいます。

そこを利用する住民がいます。

駐車する人もいれば、宅配業者や介護車両が入ることもあります。

何か起これば、最後は人と人との話し合いになります。

宅建士メモ
私道の通行・駐車については、「私道だから○○できる」と一律には判断できません。所有関係、持分、契約内容、通行権などによって扱いが異なります。この記事で紹介しているのは、あくまで私が実際に経験した一例です。

道路が陥没。私たちで補修することになった

道路が陥没。私たちで補修することになった

私道で暮らしていると、当然ながら道路も傷みます。

ひび割れ。

陥没。

舗装の劣化。

わが家が利用する道路にも、補修が必要な場所が出てきました。

自治体にも相談しましたが、私たちのケースでは自治体による補修の対象にはならず、住民側で対応することになりました。

そこで始まります。

業者探し。

見積もり。

近隣住民への説明。

工事内容の相談。

費用分担。

業者とのやりとり。

工事当日の立ち会い。

集金。

道路に穴が開いただけなのに、

やることが多い。

これが実際に補修した道路です。

補修済みの陥没した道路

そして、実際の見積書がこちらです。

道路陥没補修の見積書

費用も住民で分けて負担しました。

道路補修の金額だけではありません。

誰かが業者を探す。

誰かが住民へ説明する。

誰かが集金する。

誰かが立ち会う。

こうした見えない手間もあります。

公道に面した家を買っていたら、私は道路補修業者を探す人生にはならなかったかもしれません。

宅建士メモ
「私道は必ず住民だけで全額補修しなければならない」という意味ではありません。自治体によっては、一定条件を満たす私道の舗装・排水設備などに助成制度があります。購入前には、所在地の自治体に私道整備の助成制度がないか確認しておく価値があります。

そして、弁護士事務所から通知が届いた

そして、弁護士事務所から通知が届いた

道路補修だけでも、

「私道って大変だな」

と思っていました。

ところが、さらに大きな話が出てきます。

冒頭で触れた、弁護士事務所からの封筒です。

通知は私だけではなく、この私道を利用している複数の世帯へ送られたものでした。

問題になったのは、普段私たちが車で通っている道路部分だけではありません。

登記上、道路部分からその先の斜面付近まで、同じ一筆の土地になっていました。

その中には、普段私たちが立ち入らない場所もあります。

私道所有者側としては、

「将来その土地に大規模な修繕が必要になったとき、道路を利用している住民にも費用負担について協力してほしい」

という考えです。

もし斜面に大きな問題が起きれば、補修費が高額になる可能性もあります。

私からすると、

「毎日使っている道路の補修ならまだわかる。でも、普段立ち入らない場所まで?」

という感覚です。

そして、協議がまとまらない場合には、

私道の通行料

という話まで出てきました。

土地を買った10年前。

そんな未来は1ミリも想像していません。

宅建士メモ
ここで書いているのは、「道路利用者に斜面を含む土地の修繕費を負担する法的義務がある」と結論づける話ではありません。実際にこのような趣旨の通知が届き、現在も当事者間で協議しているという私の体験です。同じ一筆の土地だからという理由だけで、私道利用者全員の費用負担が当然に決まるとは限りません。権利関係、契約、これまでの経緯などを踏まえた個別判断が必要です。

「通行料を請求する」と言われたら、購入者はどう考える?

「通行料を請求する」と言われたら、土地購入者はどう考える?

正直、この話を聞いたとき一番驚いたのが通行料です。

私はこの私道を使わなければ、自宅から公道へ出られません。

今まで普通に使っていた道です。

それがある日、

「場合によっては通行料を」

という話になる。

家は動きません。

道路も動きません。

住み始めてから道路の権利関係で揉めるということが、どれだけ生活に直結するのか。

私はそこで初めて実感しました。

宅建士メモ
私道の通行については、所有関係だけでなく、通行権の有無や土地の状況などによって法律上の扱いが変わります。「私道所有者に言われたら必ず通行料を払う」「長年使っているから必ず無料で通れる」と一律に判断することはできません。実際に紛争になった場合は、不動産会社だけでなく弁護士など専門家への確認が必要になることもあります。

私道は補修だけでなく、ライフライン工事にも関係する

私道は補修だけでなく、ライフライン工事にも関係する

私自身が今まで一番困ったのは、通行と道路補修です。

ただ、私道の確認で忘れたくないのが、上下水道などのライフラインです。

家を建てるとき。

建て替えるとき。

給排水管を更新するとき。

道路の下を掘る必要が出る場合があります。

共有私道などでは、所有関係や工事内容によって、誰の同意が必要なのかが問題になることがあります。

国土交通省の案内でも、共有私道の補修やライフライン工事については、必ずしも所有者全員の同意が必要とは限らず、具体的なケースごとの検討が必要とされています。

宅建士メモ
購入前には「今、水道や下水が使えているから大丈夫」で終わらず、将来の更新や建て替えまで考えたいところです。私道内に給排水管等がある場合は、配管の位置、所有関係、将来工事するときの条件なども不動産会社へ確認しておきましょう。

宅建士になった今なら、私道の土地はここまで確認する

宅建士になった今なら、私道の土地はここまで確認する

私自身、

私道という言葉を知らなかったわけではありません。

問題は、

「私道です」

と聞いて、その先を深掘りしなかったことです。

今の私なら、少なくとも次を確認します。

確認すること なぜ確認するか
公道か私道か まず道路の所有・管理の前提を確認するため
建築基準法上の道路種別 建築・再建築に関わるため
私道の所有者 誰が道路を所有しているのか把握するため
自分に私道持分があるか 権利関係や将来の売却にも関係するため
通行に関する権利・取り決め 日常の通行が何に基づいているのか確認するため
維持管理・補修費の取り決め 道路が傷んだときの負担を確認するため
過去の補修履歴 今まで誰がどのように管理してきたかを見るため
上下水道等の配管状況 将来の修理・建て替え時に影響する可能性があるため
自治体の私道整備助成 補修費の一部を助成してもらえる場合があるため
実際の道路利用状況 書類だけでは日常の使い勝手まではわからないため

ここで大事なのは、

重要事項説明書を読むだけで終わらないこと。

です。

重要事項説明は重要です。

ただ、

朝の出勤時間に車がどうすれ違っているか。

路上駐車があるか。

宅配車が停まると通れるか。

道路所有者と利用者の関係はどうか。

こうした生活実態まで重要事項説明書に全部載るわけではありません。

書類と現地。

両方見ます。

なお、近隣環境そのものの確認方法については、こちらの記事で詳しくまとめています。

土地購入前の近隣調査は必要?隣人・騒音・自治会の確認方法を宅建士が解説
土地購入前の近隣調査で何を確認すべきかを宅建士・FP2級が解説。朝昼夜の現地確認、騒音・臭い・ゴミ集積所、自治会、不動産会社への質問、近隣住民への聞き込み、自分で調べても分からない場合の近隣調査サービスまで紹介します。

私道以外も含めて、実際にこの土地で約10年暮らして起きた近隣トラブルはこちらです。

戸建てに約10年住んで実際に起きた近隣トラブルを見る

「私道だからやめとけ」ではない。でも私は次なら慎重になる

「私道だからやめとけ」ではない。でも私は次なら慎重になる

元の記事では、

私道はやめとけ。

と書きました。

10年住んだ本人の感情としては、今でもそう言いたくなることがあります。

ただ、宅建士として言えば、

私道だから全部ダメというわけではありません。

条件のいい私道物件もあるでしょう。

所有関係が明確。

持分もある。

通行や掘削について問題がない。

管理方法も決まっている。

幅員も十分。

過去にもトラブルがない。

そういう物件なら、私が経験したような問題が必ず起きるわけではありません。

逆に、

「今までみんな普通に通ってるから大丈夫ですよ」

だけでは、私はもう買いません。

確認します。

かなり確認します。

そして、私道のデメリットを含めてもその土地を買いたいのか考えます。

私道が気になるなら、その土地だけにこだわらなくてもいい

私道が気になるなら、その土地だけにこだわらなくてもいい

ここまで読んで、

「候補の土地が私道なんだけど、急に不安になってきた」

という方もいるかもしれません。

まずは、不動産会社に道路関係を詳しく確認してください。

私道だからという理由だけで、その土地を即やめる必要はありません。

一方、

「まだ契約前だし、ほかの土地も見てから決めたい」

と思ったなら、それもひとつの判断です。

土地選びは、その候補地を買うか買わないかの二択ではありません。

別の土地と比べてみて、

それでも、

「やっぱりこの土地がいい」

と思えるなら、その判断にも意味があります。

タウンライフ土地探しでは、希望条件に合う土地情報を住宅会社から提案してもらう方法があります。

今の候補地だけで進めるか迷っている方は、比較材料を増やしてから決めても遅くありません。

今の候補地以外の土地も比較してみる

私道そのものだけでなく、近所でどう使われているかも確認したい

私道そのものだけでなく、近所でどう使われているかも確認したい

もうひとつ。

登記や重要事項説明でわかるのは、主に道路の権利関係です。

でも私が10年暮らして困ったのは、

バイクの駐車。

車のすれ違い。

介護車両。

道路所有者との関係。

こうした実際の使われ方でした。

そこは書類だけではわかりません。

自分で曜日や時間を変えて現地を見るのが基本です。

それでも、

「道路を近所の人が普段どう使っているのか」

「周辺住民がこの道路について何か困っていないか」

「近隣の雰囲気まで確認してから契約したい」

という場合は、近隣調査という方法もあります。

トナリスクについては、料金・調査内容・デメリットまでこちらの記事で確認しています。

トナリスクの評判・口コミは?料金・デメリット・バレる?宅建士が検証
トナリスクの評判・口コミを最新情報で検証。料金55,000~242,000円、デメリット、調査で何が分かるか、近所にバレる可能性、自分で行う近隣調査との違い、売買契約前に依頼するタイミングまで宅建士・FP2級が解説します。

候補地がほぼ決まっていて、道路の利用状況や周辺住民についても購入前に確認しておきたい方は、調査できる内容を確認してみてください。

トナリスクで購入前の近隣調査について確認する

まとめ|私は「私道ってことくらい」を、もう聞き流さない

まとめ|私は「私道ってことくらい」を、もう聞き流さない

約10年前。

「まあ、あとはこの道が私道ってことくらいですかね」

と聞いた私。

今の私なら、

「ちょっと待ってください。その私道について全部教えてください」

となります。

誰の土地なのか。

自分に持分はあるのか。

何を根拠に通っているのか。

壊れたら誰が直すのか。

お金はどうするのか。

配管はどうなっているのか。

これまで揉めたことはないのか。

質問は山ほどあります。

私道の家を買ったからといって、必ず後悔するわけではありません。

でも、

よくわからないまま私道の家を買うのはおすすめしません。

道路は毎日使います。

そして家を買ったあと、

道路だけ別の場所へ取り替えることはできません。

私は10年住んで、そこをかなり重く見るようになりました。

私道以外の近隣トラブルも含め、同じ土地に約10年住んでわかったことはこちらでまとめています。

【実録】戸建ての近隣トラブル|土地を買って10年、購入前に知りたかったこと

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この記事を書いた人

名前:早坂

プロフィール:不動産のプロである現役の宅地建物取引士(令和6年11月26日合格・令和7年5月7日宅地建物取引士資格登録あり)。また

  • マンション管理業協会 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 国家資格ファイナンシャル・プランニング技能士2級
  • ファイナンシャル・プランニング(資産設計提案業務・生保顧客資産相談業務)
  • 日本商工会議所主催 簿記検定2級

など、その他の不動産に関連する国家資格も多数保有するだけでなく、FPや簿記などお金や企業経営、財務分析の知識も活用しながら、わかりやすく、公平かつ正確な情報の提供に努めています。

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