住宅ローンを検討していると、「団信(団体信用生命保険)」という言葉をよく目にします。
しかし、
- 「団信って何?」
- 「生命保険と何が違うの?」
- 「どの団信を選べばいい?」
- 「がん団信や三大疾病団信は必要?」
と疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。
実際、団信は住宅ローン選びで金利と同じくらい重要なポイントです。
万が一のときに家族を守るための制度であり、保障内容によっては住宅ローンの安心感が大きく変わります。
この記事では、団信の基本から種類、選び方、メリット・デメリット、金融機関ごとの違いまで、FP2級・宅建士の視点でわかりやすく解説します。
団体信用生命保険(団信)とは?
団信とは、住宅ローン契約者が死亡または所定の高度障害状態になった場合などに、保険金で住宅ローン残高が返済される保険です。
つまり、万が一のことが起きても、家族に住宅ローンの返済負担を残さないための制度です。
イメージ
住宅ローン契約
│
▼
毎月返済
│
万が一
▼
団信が住宅ローン残高を返済
│
▼
家族はローン返済不要

HOMEくん
「つまり、家族が家を失うリスクを減らせるんですね。」

先生
「そう。だから住宅ローンでは非常に重要な保障なんだ。」
団信は生命保険と何が違う?
多くの方が混同しますが、役割は異なります。
| 項目 | 団信 | 生命保険 |
|---|---|---|
| 目的 | 住宅ローン返済 | 家族の生活保障 |
| 保険金受取人 | 金融機関 | 家族 |
| 使い道 | 住宅ローン返済 | 自由 |
| 加入目的 | 住宅ローン契約 | 生活保障 |
FP2級コメント
団信だけでは生活費や教育費はカバーできません。
そのため、
「団信があるから生命保険は不要」
とは限りません。
団信にはどんな種類がある?
現在は非常に多くの団信があります。
代表的なものを紹介します。
① 一般団信
もっとも基本となる団信です。
対象
- 死亡
- 高度障害
★★★★☆
もっとも加入者が多いタイプです。
② がん団信
最近もっとも人気があります。
対象
- 死亡
- 高度障害
- 所定のがん
★★★★★
住宅ローン利用者の選択率も高くなっています。
③ 三大疾病団信
対象
- がん
- 急性心筋梗塞
- 脳卒中
★★★★★
働けなくなるリスクまで考える人に人気です。
④ 八大疾病団信
さらに保障範囲が広がります。
対象例
- がん
- 心疾患
- 脳血管疾患
- 糖尿病
- 高血圧
- 慢性腎不全
- 肝疾患
- 慢性膵炎
★★★★☆
⑤ 全疾病団信
近年増えているタイプです。
多くの病気やケガによる長期就業不能なども対象になる商品があります。
★★★★★★

先生
「最近はこのタイプを採用する銀行も増えているよ。」
団信比較表
| 種類 | 死亡 | 高度障害 | がん | 三大疾病 | 八大疾病 | 就業不能 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 一般団信 | ○ | ○ | × | × | × | × |
| がん団信 | ○ | ○ | ○ | × | × | △ |
| 三大疾病団信 | ○ | ○ | ○ | ○ | × | △ |
| 八大疾病団信 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | △ |
| 全疾病団信 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
金利はどう変わる?
保障が充実すると、
一般的には金利上乗せとなるケースがあります。
あくまで一例ですが、参考までに↓
| 団信 | 金利 |
|---|---|
| 一般団信 | 追加なしの商品も多い |
| がん団信 | +0.1%程度の商品例あり |
| 三大疾病 | +0.2%程度の商品例あり |
| 全疾病 | 商品によって異なる |
※金融機関や商品により異なります。
金利が変わると毎月の返済額はいくら違う?
「金利が0.1%違うだけ」と聞くと小さな差に感じますが、毎月の返済額にも確実に影響します。
ここでは35年ローン(元利均等返済)の概算で比較してみましょう。
毎月返済額の差(35年返済・概算)
| 借入額 | 金利差0.1% | 金利差0.2% | 金利差0.3% | 金利差0.5% |
|---|---|---|---|---|
| 2,000万円 | 約900円/月 | 約1,800円/月 | 約2,700円/月 | 約4,500円/月 |
| 3,000万円 | 約1,350円/月 | 約2,700円/月 | 約4,050円/月 | 約6,750円/月 |
| 4,000万円 | 約1,800円/月 | 約3,600円/月 | 約5,400円/月 | 約9,000円/月 |
| 5,000万円 | 約2,250円/月 | 約4,500円/月 | 約6,750円/月 | 約11,250円/月 |
※35年・元利均等返済・概算
年齢別おすすめ団信
| 年代 | おすすめ |
|---|---|
| 20代 | 一般団信〜がん団信 |
| 30代 | がん団信 |
| 40代 | 三大疾病 |
| 50代 | 三大疾病・全疾病 |
FP2級コメント
年齢が上がるほど疾病リスクも高まるため、保障内容もあわせて検討する価値があります。
家族構成別おすすめ
| 家族構成 | おすすめ |
|---|---|
| 独身 | 一般団信 |
| 夫婦のみ | がん団信 |
| 子どもあり | 三大疾病以上 |
| 共働き | ペアローン対応団信も確認 |
ペアローンはどうなる?
ペアローンでは、
夫婦それぞれが住宅ローン契約者になります。
つまり、夫婦それぞれ団信加入となるケースが一般的です。

団信加入時の注意点
・健康状態の告知が必要
・既往歴によって加入できない場合がある
・ワイド団信という選択肢もある
・保障条件を必ず確認する
ワイド団信とは?
健康上の理由で一般団信へ加入できない方向けの商品です。
特徴
- 持病がある人でも加入しやすい
- 一般団信より金利が上乗せされる場合が多い
よくある質問
団信は絶対必要?
多くの民間住宅ローンでは加入が条件です。
一方、フラット35では商品によって取扱いが異なるため確認しましょう。
がん団信は必要?
家族構成や保険加入状況によります。
子育て世帯では検討する価値があります。
団信があれば生命保険はいらない?
いいえ。
生活費や教育費までは保障されないため、生命保険との役割を整理して考えましょう。
FP2級・宅建士としての考え
私が住宅ローン相談でまず確認するのは、
「金利」ではありません。

まず確認するのは
①家族構成
②子どもの人数
③教育費
④生命保険
⑤老後資金
です。
その上で、
「どの団信が必要か」を考えています。
団信は住宅ローンの付属サービスではなく、家族を守るための重要な保障という視点で選ぶことをおすすめします。
まとめ
団信は、住宅ローン契約者に万が一のことがあった際、住宅ローン残高を保障する重要な制度です。
一般団信だけでなく、がん団信・三大疾病団信・全疾病団信など選択肢が増えているため、「保障が多いほど良い」と考えるのではなく、家族構成やライフプラン、現在加入している生命保険とのバランスを考えて選ぶことが大切です。
住宅ローンは数十年にわたる契約だからこそ、金利だけでなく団信も比較し、自分と家族に合った保障を選びましょう。





コメント