毎日のことだから、キッチン選びはとても重要です。
そしてどのキッチンが使いやすいのかは、キッチンに立つ人によって違います。
今回はシステムキッチンの種類と選び方を、メリット・デメリットを用いて紹介していきます。
マイホーム購入計画中の方も、キッチンリフォームを検討中の方も、キッチン選びの決め手にお役立ていただければ幸いです。
システムキッチンとは?
そもそもシステムキッチンの定義がよくわからないという方が多いのでおさらいです。
システムキッチンは、昨今では多くの家庭で採用されているキッチンなので、いざ定義と言われると困るのですが、昔のキッチンと比較すれば簡単に理解できます。
システムキッチンが主流になる以前は、「セクショナルキッチン」と呼ばれていて、「コンロ台」「調理台」「シンク」がそれぞれユニット単位で独立していました。
一方「システムキッチン」は、シンク・コンロ・調理台、そしてキッチン収納までの各ユニットをワークトップとと呼ばれる1枚の天板で連結したものです。欧米ではビルトインキッチンとも呼ばれています。
大きく分けると、
- キッチンスペースや形状に合わせて、各ユニットの配置やサイズを調整していく「部材型」
- ある程度パターン化されたパーツやサイズから選択してオーダーする「簡易施工型」
とがあります。
システムキッチンのメリット
システムキッチンにするメリットとしては、
- ユニットごとの隙間がないので掃除がしやすい
- キッチンに段差がないため料理がしやすい
- 各ユニットやドアに統一感が出る
- オーダーメイド感覚でカラーやデザインが選べる
などが挙げられます。
すべてのユニットが一体となることで、サイズやデザインに統一感が生まれ使いやすく、しかもセミオーダー感覚でデザインのアレンジも好みに合わせて豊富なバリエーションから選択できるのが人気の秘密です。
よほどこだわりのあるコンロやシンク、天板の素材がある方でなければ十分満足できます。
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システムキッチンの選び方・考慮すべきポイント
さて、今度はどんなシステムキッチンを選べば良いのか、選び方・選定に考慮すべきポイントを確認していきましょう。
なぜならシステムキッチンは形状の種類が豊富で、実際にキッチンに立つ人によって満足度が大きく変わってくるからです。
考慮すべきポイントは以下
- 調理の作業効率を上げたい
- キッチンをみせたいか・隠したいか
- メンテナンス・掃除のしやすさ
- 急な来客時に目隠しができる
- 収納を多くとりたい
- キッチンでも家族とコミュニケーションをとりたい
- キッチンでの作業中もテレビや子供の様子をみたい
- 料理に集中したい
- マメに掃除や片付けができる
- 大人数で料理したい
- 夫婦2人で料理したい
- 子供にお手伝いしてもらいたい
- 最新の機能で利便性を追求したい
- 今の冷蔵庫の開閉方向
このあたりのチェックポイントで明確に答えが出るならば、システムキッチン選びはかなりスムーズに進みます。
さらにキッチン選びの際に重要なポイントとなるので、ぜひシミュレーションしておきたいのがキッチンでの「動線」です。
少し掘り下げて確認します。
キッチンの動線=料理の流れで考える
キッチンでの動きを時系列でシミュレーションすると、動線は確認しやすくなります。
キッチンの動線・料理の流れ | ||
時系列 | 行動 | 動線 |
1 | 買い物したものをしまう | 収納・冷蔵庫 |
2 | 食材を取り出す | 収納・冷蔵庫 |
3 | 食材を洗う | シンク |
4 | 食材を切る・下ごしらえ・混ぜる | ワークトップ |
5 | 味付け | ワークトップ・調味料収納 |
6 | 煮る・炒める・焼く・揚げる | ガスコンロ・IHヒーター |
7 | 盛り付け | ワークトップ・食器棚 |
8 | 配膳 | ダイニングへ移動 |
9 | 後片付け | キッチンへ移動 |
10 | 食器洗い | シンク・食器洗い洗浄機 |
上の表を確認しながら自分の動線を知り、その順番に各ユニットを配置していくのが理想的です。
加えて「シンク」「コンロ」「冷蔵庫」それぞれの距離や通路幅も大事です。狭ければ作業がしづらいですが、広ければ歩数がかかり作業効率が落ちます。
また、2人以上で調理をすることがある場合はそのシミュレーションやスペースの確保もしておきましょう。
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対面式キッチンと壁付キッチン
キッチンでの自分を想像できたら、いよいよシステムキッチンの種類を決めていきましょう。
システムキッチンの種類を決める際に、まず決定したいのが「対面式キッチン」と「壁付キッチン」のどちらにするかです。
対面式キッチン(オープンキッチン)
対面式キッチンはオープンキッチンとも呼ばれますが、その名の通りダイニングやリビングに向かって開放的に設置されているキッチンです。
対面式キッチンのメリット
- 家族とのコミュニケーションをとれる
- 子供の様子をチェックしながら作業できる
- 料理や洗い物中もテレビを見たりできる
- 孤独感がない
- 開放感がある
対面式キッチンのデメリット
- 匂い・臭いが部屋に広がる
- コンロ周りに仕切りがないと油がダイニング側にもはねる
- キッチンが丸見えになるのでマメに片付けや掃除が必要
壁付キッチン(クローズキッチン)
壁付キッチンとは、名前の通り壁側につけて配置するキッチンです。
壁付キッチンのメリット
- 調理に集中できる
- キッチンのスペースを抑えられる
- 目隠ししやすい
- 窓に面して設置することも可能
- 換気に適している
壁付キッチンのデメリット
- リビングやダイニングから料理している姿が丸見え
- 窓がないと閉塞感がある
- 作業中は振り返らないと子供を確認できない
- 食器棚も見えるので整理整頓が必要
システムキッチンの種類
対面式キッチンか壁付キッチンかが決まったら、いよいよシステムキッチンの種類を決めていきます。
システムキッチンの種類には、
- I型キッチン
- II型キッチン
- L型キッチン
- U型キッチン
- アイランド型キッチン
- ペニンシュラ型キッチン
などがあり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。1つずつ確認していきましょう。
I型キッチンのメリット・デメリット
I型キッチンとは、文字の「I」のようにコンロからシンクまで横一列に並んでいるキッチンのことです。
壁付にも対面式にも対応します。
対面式にした場合、後述するペニンシュラ型との差はキッチン前のカウンターがあることで、手元を隠せます。セミオープンキッチンとも呼ばれます
I型キッチンのメリット
- ポピュラーな型のため、デザインやグレードが豊富
- 間口サイズも幅広くラインナップされている
- 比較的値段が安い
- リフォームにも最適で工事費用も抑える
- カウンターがあるので、手元にコンセントを設置しやすい
I型キッチンのデメリット
- 動線が一本しかないため、複数人での作業に不向き
- キッチン幅を広くすると、移動距離が長く効率が下がる
II型キッチン(セパレート型)
II型キッチンとは、文字の「II」のように並び、シンクとコンロが別々にあるレイアウトのキッチンです。
II型キッチンのメリット
- 動線が短く狭い範囲での移動が可能となり、効率よく作業できる
- ワークトップの作業スペースが広い
- 通路幅を広くとれば二人でも作業がしやすい
- ワークトップの配置を工夫することで、対面式と壁付の両方のメリットを得られる
II型キッチンのデメリット
- 2列の幅が広くなりすぎると、作業効率が悪くなる
- LDKの間取りが広くないとスペースが確保できない
- シンクで洗ったり、カットした食材をコンロの鍋に入れる際に水滴が落ちる
L型キッチンのメリット・デメリット
L型キッチンとは、文字の「L」の形をしたキッチンです。
対面式キッチンにも、壁付キッチンにも対応します。
L型キッチンのメリット
- ワークトップの作業スペースが広く確保できる
- 動線が短いため、楽に動くことができる
- 対面式に設置すればセミオープンキッチンとなり、程よく目隠しができる
- 部屋の角の形状を効率的に使用することができる
- 2人同時の調理も作業を分担すれば可能
L型キッチンのデメリット
- キッチン配置が限定され空きスペースの確保が難しいため、冷蔵庫や食器棚の配置で悩む
- コーナー部のデッドスペースの活用が難しい
- 本体価格が高め
- リフォーム費用が高め
U型キッチンのメリット・デメリット
U型キッチンとは、文字の「U」の形をしたキッチンです。
L型キッチンとII型キッチンを合わせたキッチンで、「シンク」「コンロ」「ワークトップ」に囲まれています。
U型キッチンのメリット
- 動線が短いため、楽に動くことができる
- L型キッチンよりも更にワークトップの作業スペースが広い
- 収納スペースが多い
- 通路幅をとれば、複数人での作業も可能
U型キッチンのデメリット
- L型よりもデッドスペースが出来やすい
- 配置が固定されるため、冷蔵庫や食器棚を配置しずらい
- 本体価格が高い
- リフォーム費用が高い
アイランド型キッチンのメリット・デメリット
アイランド、つまり「島」のように4面が壁から離れています。
どの方向からでもワークトップを利用できるので、複数人で作業をする場合も動きやすく、料理教室などで使われるタイプのキッチンです。
アイランド型キッチンのメリット
- 開放感はトップクラス
- ダイニングテーブルへ料理を運ぶ時など短距離で移動可能
- キッチンに立つ人も家族団らんに参加しやすい
- キッチンの周りの動線が非常に良い
- オシャレなデザインのキッチンが多い
- 手元が見えるので子供が手伝いしやすい
アイランド型キッチンのデメリット
- 設置のためには大きなLDK空間が必要
- 換気扇を引っ張ってくる必要があるため、取り付けが困難
- 本体価格が高い
- リフォーム費用が非常に高い
- 周囲から丸見えなので、常に綺麗にしておく必要がある
- 油はねしやすい
- 部屋に匂い・臭いが広がる
ペニンシュラキッチンのメリット・デメリット
ペニンシュラ、つまり「半島」のように、一面だけが壁に面している対面式型キッチンで、カウンターもなく開放的で手元も隠さないキッチンです。
アイランドキッチンのメリットを残しつつ、デメリットも軽減できる構造です。ただし、動線は通常のキッチンと同じになります。
ペニンシュラ型キッチンのメリット
- 人気の形状なので種類が豊富
- デザインが豊富
- 価格が比較的安い
- リフォームもしやすい
- 壁側にコンロを設置すれば、換気扇も設置しやすい
- 臭いの問題もアイランドよりもかなり改善される
- コンロ前に仕切りをすれば、油はねも解決する
- 吊戸棚やカウンターを設けてセミオープンスタイルにすることもできる
- 対面でありながら見せたくない部分を隠すこともできる
- 手元が見えるので、子供が手伝いしやすい
ペニンシュラ型キッチンのデメリット
- LDKスペースを広く確保する必要がある
- 動線の確保はアイランドキッチンに劣る
- 大人数での調理は制限される
- 片付け、掃除をマメにしておく必要がある
システムキッチン比較表
最後にここまで紹介した内容を簡潔に比較表でまとめます。
システムキッチン比較表 | ||||||
I型 | II型 | L型 | U型 | ペニンシュラ | アイランド | |
対面式 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
壁付 | ◯ | × | ◯ | × | × | × |
動線確保 | △ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ |
調理人数 | △ | △ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ |
収納 | △ | ◯ | ◯ | ◯ | △ | △ |
省スペース | ◯ | △ | ◯ | △ | △ | × |
価格 | ◯ | △ | △ | △ | △ | × |
リフォーム | ◯ | △ | ◯ | △ | ◯ | × |
調理効率 | △ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ |
壁付けにするか対面式にするかで必要スペースが変わりますし、通路幅を確保できれば動線もよくなり複数人での調理も可能なので一概には言えませんが、ざっくりとした比較表としてお役立てください。
システムキッチンのリフォーム料金を簡単に相見積もりする方法
キッチンのリフォームを検討中の方は、リフォーム会社によって価格の差がかなりあるので注意です。
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