- 住宅ローンは変動と固定どっちがいい?まず押さえたい判断基準
- 2026年の住宅ローン金利と、変動・固定を選ぶ人の割合
- 変動金利・固定期間選択型・全期間固定の違い
- 変動金利はなぜ上がる?固定金利とは動き方が違う
- 金利が1%・2%上がったら返済額はいくら変わる?
- 変動金利の5年ルール・125%ルールとは?
- 変動・固定金利が向いている人
- ペアローン・共働きなら変動金利でも安心?
- 迷うならミックスローン?「半分ずつなら安心」とは限らない
- FP視点|金利が上がっても返せるか、家計の数字で確認する
- すでに変動金利で借りている人は固定へ変更すべき?
- 宅建士視点|購入契約前に確認したい金利と融資のタイミング
- 住宅ローン比較は金利だけでは不十分
- 変動か固定か決める前のチェックリスト
- 住宅ローンの変動・固定についてよくある質問
- まとめ|変動と固定は「上がるか」より「上がったらどうなるか」で考える
住宅ローンは変動と固定どっちがいい?まず押さえたい判断基準
「今から変動金利を選んでも大丈夫?」「固定金利にすると返済額が高くなるけれど、その分の安心は必要?」。住宅ローンを選ぶときは、当初の負担と将来の安心のどちらを優先するかで迷いやすいものです。
結論からいうと、金利が上昇しても教育費や必要な貯蓄を確保できるなら変動金利、将来の金利変動を避けて返済計画を立てたいなら全期間固定金利が候補になります。ただし、どちらでも家計が苦しくなる借入額なら、住宅予算の見直しが先です。
この記事では、宅建士・FP2級の視点から、金利タイプの違い、4,000万円を借りた場合の返済額、家計への当てはめ方、購入契約から融資実行までの注意点を解説します。すでに変動金利で返済している方に向けて、固定への変更や借り換えを検討する際の確認事項も紹介します。
※本記事には広告が含まれます。情報確認日:2026年9月11日。
金利タイプごとの選び方
将来の金利を正確に予測することはできません。まずは、金利が変わるリスクを家計で引き受けるか、返済計画を確定させるための負担を受け入れるかで考えましょう。
| 金利タイプ | 考え方 |
|---|---|
| 変動金利 | 金利が上昇して返済負担が増えても、貯蓄や収入で対応できる |
| 全期間固定金利 | 多少当初金利が高くても、完済まで住宅ローンの金利を固定したい |
| 固定期間選択型 | 一定期間の金利と返済額を固定したい |
| ミックス型 | 変動と固定へ借入を分け、金利変動の影響を分散したい |
どのタイプを選ぶ場合でも、金利タイプだけで家計の安全性が決まるわけではありません。借りすぎないことが前提です。
2026年の住宅ローン金利と、変動・固定を選ぶ人の割合
2026年9月11日時点で、日本銀行は短期政策金利の誘導目標を1.0%程度としています。ただし、政策金利と、実際に借りる住宅ローンの適用金利は同じではありません。適用金利は、金融機関の基準金利や金利引下げ幅、審査結果、商品条件などによって決まります。
住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)」では、利用した金利タイプは次の割合でした。
| 金利タイプ | 利用割合 |
|---|---|
| 変動型 | 75.0% |
| 固定期間選択型 | 14.9% |
| 全期間固定型 | 10.1% |
前回調査と比べて変動型は4.0ポイント減少していますが、引き続き多数派です。ただし、これは利用者が選んだ結果であり、変動金利の安全性や将来の有利不利を証明するものではありません。調査時点と現在の金利環境も区別して考える必要があります。
「多くの人が変動だから」「利上げのニュースが出たから固定」と決めず、自分の借入条件と家計で比較しましょう。
出典:日本銀行、住宅金融支援機構「住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)」

ニュースで「金利上昇」と聞くと、今から変動を選ぶのは危ない気がします。

金利が上がっている事実と、「あなたは固定を選ぶべき」という話は別なんだ。まずは金利が1%、2%上がった場合でも返せるか確認してみよう。
変動金利・固定期間選択型・全期間固定の違い
住宅ローンの金利タイプは、大きく3つに分けるとわかりやすくなります。
| 項目 | 変動金利 | 固定期間選択型 | 全期間固定型 |
|---|---|---|---|
| 金利 | 定期的に見直される | 一定期間固定 | 借入時に完済までの金利条件が決まる |
| 借入当初の金利 | 比較的低い傾向 | 固定期間などによる | 比較的高い傾向 |
| 返済計画の立てやすさ | △ | ○ | ◎ |
| 将来の金利上昇の影響 | 受ける | 固定期間終了後に受ける可能性 | 原則受けない |
変動金利とは
変動金利は、市場金利などの動きに応じて適用金利が見直される住宅ローンです。
一般的には全期間固定より借入時の金利が低く設定されやすく、当初の返済負担を抑えやすいのがメリットです。
一方、金利が上昇すれば支払う利息が増え、商品によってはその後の毎月返済額も増加します。
固定期間選択型とは
「5年固定」「10年固定」など、決められた期間の金利を固定するタイプです。
固定期間中は適用金利が変わりませんが、期間終了後は、その時点の条件で変動金利へ移行したり、再び固定期間を選んだりします。
「10年固定=完済まで同じ金利」ではありません。
当初の固定期間だけでなく、固定期間終了後の金利や優遇幅がどのようになるのかまで確認しておきたいところです。
全期間固定金利とは
借入時に完済までの金利条件が決まるタイプです。代表的な商品にフラット35があります。
変動金利より借入時の金利が高くなることがありますが、その後市場金利が上昇しても、借入時に決めた金利は原則変わりません。
全期間固定の大きな価値は、「絶対に得になること」ではなく、将来の住宅ローン返済計画を立てやすいことです。
なお、フラット35などで当初一定期間の金利引下げを利用する場合は、引下げ期間が終わると、あらかじめ決まっている金利・返済額へ変わります。市場金利の上昇によって変わるわけではありませんが、当初の低い返済額だけで予算を組まないようにしましょう。
参考:フラット35 ご利用条件
変動金利はなぜ上がる?固定金利とは動き方が違う
変動金利と固定金利は、同じタイミングで同じように動くわけではありません。
変動金利は短期金利の影響を受けやすい
多くの銀行では、住宅ローンの変動金利の基準金利を短期プライムレートなどをもとに決めています。
日銀の政策金利の変更が短期金利へ影響し、その後、金融機関の基準金利や住宅ローンの適用金利へ波及することがあります。
ただし、見直し時期や実際に返済へ反映されるタイミングは金融機関や契約内容によって異なります。
固定金利は長期金利の影響を受けやすい
固定金利は、一般的に長期金利などを参考に決められます。
長期金利には将来の景気や物価、金融政策への予想も反映されるため、日銀が実際に政策金利を変更するより先に固定金利が動くこともあります。
そのため、「変動金利が実際に上がってから固定へ変更すればいい」と考えていても、その頃には固定金利も上昇している可能性があります。
金利が1%・2%上がったら返済額はいくら変わる?
変動金利を検討するときは、将来の金利を予想するだけでなく、実際に上昇した場合の負担を数字で確認してみましょう。
借入時の金利が違う場合の比較
4,000万円を35年・元利均等返済・ボーナス返済なしで借り、完済まで金利が変わらないと仮定した比較です。年0.7%は試算の基準であり、現在申し込める金利を示すものではありません。
「1%・2%上昇」は、ここでは年0.7%から年1.7%・年2.7%への上昇、つまり1・2パーセントポイントの上昇を意味します。
| 金利 | 毎月返済額の目安 | 0.7%との差 | 年間負担増の目安 |
|---|---|---|---|
| 0.7% | 約10.7万円 | - | - |
| 1.7% | 約12.6万円 | 約+1.9万円 | 約+22.8万円 |
| 2.7% | 約14.7万円 | 約+4.0万円 | 約+47.9万円 |
※元利均等返済による概算です。実際の変動金利では、金利が上昇する時期、その時点のローン残高、適用時期、5年ルール・125%ルールの有無などによって返済額は異なります。
ここで重要なのは、「将来2.7%になる」と予測することではありません。
年間で20万円、40万円以上住宅ローンの負担が増えた場合に、教育費や貯蓄を大きく削らず生活できるかを考えるための試算です。
もし金利が少し上がっただけで家計が赤字になるなら、金利タイプを悩む前に、借入額そのものを見直した方がよいケースもあります。
年0.7%で借り、5年後に金利が上がった場合
同じ4,000万円・35年返済でも、5年間返済した後に金利が上がる場合は、その時点の残高と残り期間で計算します。
当初5年間を年0.7%・元利均等返済・ボーナス返済なしで返済すると、5年後の残高は約3,487万円です。この残高を残り30年で返す場合の毎月返済額は、次のようになります。
| 6年目以降の金利 | 毎月返済額の概算 | 年0.7%のままの場合との差 |
|---|---|---|
| 年0.7% | 約10万7,408円 | - |
| 年1.7% | 約12万3,710円 | 約1万6,302円増 |
| 年2.7% | 約14万1,423円 | 約3万4,014円増 |
※筆者試算。5年間返済した直後に金利が変わり、その時点で残り360回の返済額を再計算する仮定です。実際の商品における返済額の見直し時期や125%ルール等は反映していません。諸費用・金利上乗せは含まず、計算途中では端数を丸めていません。
すでに返済中の方は、当初の借入額ではなく、現在の残高・残り期間・適用金利を使って試算してください。
変動金利の5年ルール・125%ルールとは?
変動金利を検討するなら、「5年ルール」と「125%ルール」は理解しておきたいポイントです。
5年ルール
変動金利・元利均等返済の一部商品では、適用金利が上昇しても毎月の返済額を5年間変えない仕組みがあります。
ただし、毎月の返済額が変わらない=金利上昇の影響を受けていない、ではありません。
同じ返済額でも利息へ充てられる割合が増えるため、元金の減り方が遅くなることがあります。
125%ルール
返済額を見直す際、新しい返済額の上限を直前の返済額の125%までとする仕組みです。
例えば毎月10万円を返済していた場合、次の返済額は最大12万5,000円までとなります。
こちらも、利息の増加そのものを25%以内に抑える制度ではありません。125%は見直しのたびに直前の返済額へ適用する上限であり、借入当初の返済額の125%で完済まで止まるという意味でもありません。
金利が大きく上昇し、その月の利息が毎月返済額を上回ると、払いきれなかった利息が「未払利息」として繰り延べられる商品もあります。支払いを後ろへ送っても、その負担がなくなるわけではありません。
契約前には、未払利息や最終返済日に残る元金が発生した場合の扱いも確認してください。
5年・125%ルールがない住宅ローンもある
5年ルール・125%ルールの有無は、金融機関や商品、返済方式によって異なります。同じ金融機関でも元利均等返済と元金均等返済で扱いが違うことがあるため、商品説明書と契約内容で確認してください。
参考:三菱UFJ銀行「金利タイプの選び方」。同行の商品例であり、他行の契約にそのまま当てはまるものではありません。
なお、「5年・125%ルールがある=必ず優れた住宅ローン」という意味でもありません。
返済額の急増を抑えられる一方、金利上昇による負担を後ろへ送る面もあります。ルールがない商品では返済額が早く増える可能性がありますが、その分、金利上昇の影響が返済額へ早く反映されます。
どちらがよいかではなく、契約する住宅ローンがどの仕組みなのかを理解しておくことが重要です。

5年ルールがあれば、5年間は金利が上がっても大丈夫という意味ではないんですね。

そうなんだ。毎月返済額が据え置かれても、利息の割合が増えて元金が減りにくくなることがある。返済額だけでなく、残高の減り方も見ておきたいね。
変動・固定金利が向いている人
変動金利が向いている人
変動金利を選びやすいのは、金利が上昇した場合でも家計に余力を残せる人です。
- 住宅ローン返済後も継続して貯蓄できる
- 生活防衛資金を確保できている
- 借入額が大きすぎない
- 収入に対して住宅費の負担が重すぎない
- 金利が1%・2%上昇した場合でも返済を続けられる
- 必要な貯蓄を残したうえで繰り上げ返済できる余力がある
とくに注意したいのが、「いずれ繰り上げ返済するから変動で大丈夫」という考え方です。
繰り上げ返済へお金を回しすぎて、教育費や病気・収入減への備えがなくなってしまっては本末転倒です。
まずは生活防衛資金や近い将来必要になるお金を確保し、そのうえで余裕資金から繰り上げ返済を考えましょう。
全期間固定金利が向いている人
全期間固定金利は、金利上昇を絶対に避けたい人だけでなく、住宅ローンの返済計画を確定させて長期の家計計画を組みたい人に向いています。
- これから子どもの教育費が増える
- 片働きなどで収入減への余裕が小さい
- 住宅ローンの返済計画を確定させたい
- 金利ニュースを気にしながら返済したくない
- 長期間かけて返済する予定
毎月の住宅ローン返済額を把握しやすいため、教育費や老後資金などを含めた長期のキャッシュフローも作りやすくなります。
ただし、家計に余裕がないから固定金利を選べば安心、というわけではありません。
全期間固定の返済額でも毎月ぎりぎりなら、金利タイプより住宅価格や借入額の見直しが先です。
固定期間選択型が向いている人
固定期間選択型は、「一定期間だけ返済額を安定させたい」という家庭で検討しやすいタイプです。
例えば、
- 子どもの教育費が大きい期間を固定したい
- 育休・時短勤務中の返済額を安定させたい
- 一定期間後にまとまった繰り上げ返済を予定している
といったケースです。
一方、固定期間終了時に金利が上昇していれば、その後の返済額が増える可能性があります。
当初金利の低さだけを見るのではなく、固定期間終了後の金利優遇や選択できる金利タイプまで商品説明書で確認しましょう。固定期間終了時の返済額の見直しには、変動金利の125%ルールと同じ上限があるとは限りません。
ペアローン・共働きなら変動金利でも安心?
ペアローンや収入合算を利用する場合は、現在の世帯収入が続く前提で借入額を決めないようにしましょう。
共働きなら世帯収入が大きくなり、変動金利の上昇にも対応しやすく見えるかもしれません。
ただし、住宅ローンは長期間続きます。
- 出産・育休
- 時短勤務
- 転職
- 病気や休職
- どちらか一方の退職
などで、一時的または長期的に世帯収入が下がる可能性もあります。
とくに夫婦それぞれが大きな変動金利ローンを抱える場合、金利上昇と世帯収入の減少が同時に起きたケースまで想定しておくと安心です。
「共働きだから借りられる額」ではなく、「一時的に収入が減っても返していける額」を基準に考えましょう。
迷うならミックスローン?「半分ずつなら安心」とは限らない
変動金利と固定金利を組み合わせる「ミックスローン」という方法もあります。
例えば4,000万円を借りる場合、2,000万円を変動、2,000万円を固定に分ける方法です。
固定部分が全期間固定であれば、市場金利上昇の影響を受けるのは変動部分なので、全額変動より影響を抑えられます。固定部分に固定期間選択型を使う場合は、その期間が終わった後の金利上昇リスクも残ります。
一方、金利がほとんど上昇しなければ、全額変動より返済負担が大きくなる可能性があります。
また金融機関や契約方法によっては、契約が複数になり、事務手数料や登記関連費用などを確認する必要があります。
「変動か固定か決められないから半分ずつ」ではなく、自分がどこまで金利上昇リスクを負えるかを考えて割合を決めるのが基本です。
FP視点|金利が上がっても返せるか、家計の数字で確認する
金融機関の審査に通る金額と、教育費や老後資金を確保しながら返せる金額は同じではありません。年収に対する返済額の割合だけでなく、必要な支出と貯蓄を差し引いた後に、毎月いくら残るかを確認しましょう。
毎月5万円の余裕が、金利上昇後にいくら残るか
例えば、毎月の手取り収入が40万円、生活費などが20万円、住宅ローン返済が11万円、教育費・老後資金などの積立が4万円なら、残るお金は5万円です。
| 家計の条件 | 必要な支出・積立後に残るお金 |
|---|---|
| 現在の返済額 | 毎月5万円 |
| ローン返済が毎月2万円増える | 毎月3万円 |
| ローン返済が毎月4万円増える | 毎月1万円 |
| 返済が毎月4万円増え、手取りも毎月5万円減る | 毎月4万円の赤字 |
※家計への影響を説明するための仮定例です。生活費などには、固定資産税・保険料・修繕費といった年間支出の月割り分も含め、積立との二重計上を避けてください。マンションでは管理費・修繕積立金・駐車場代も確認します。返済額の増加幅は特定の金利上昇幅に対応させたものではありません。
この家計では返済が4万円増えるだけなら黒字ですが、収入減が重なると積立の見直しや預貯金の取り崩しが必要です。赤字を一時的に補う預貯金があるか、収入が戻る見込みがあるかまで確認して判断します。
固定金利との返済差額を、使わずに残せるか
変動金利の返済額が全期間固定より低い場合、その差額を生活費に使い切らず、金利上昇への備えとして残せるかも判断材料になります。例えば毎月2万円を5年間積み立てれば、運用益を考慮しなくても120万円になります。
ただし、教育費や車の購入費として使う予定のお金を、金利上昇への備えにも重ねて数えないようにしてください。変動金利の低い返済額でしか成立しない家計なら、金利タイプを選ぶ前に借入額を下げる必要があります。
すでに変動金利で借りている人は固定へ変更すべき?
金利上昇のニュースを見ると、「今すぐ固定へ変更した方がいいのでは?」と焦るかもしれません。
しかし、ニュースだけを理由に変更する必要はありません。
まず次の項目を確認してください。
- 現在の適用金利
- 現在の住宅ローン残高
- 残りの返済期間
- 金利が1%・2%上昇した場合の負担
- 固定へ変更した場合の金利
- 金利タイプ変更の条件・手数料
- 他行へ借り換える場合の諸費用
例えば住宅ローン残高が少なく、完済までの期間も短ければ、金利上昇による影響が比較的小さいことがあります。
反対に、借入直後で残高が大きく、30年以上返済期間が残っている場合は、金利変動の影響を長く受けます。
また、固定金利は変動金利より先に上昇することもあるため、「変動が上がってから固定へ変えれば必ず間に合う」とは限りません。
まず現在の契約内容と、変更後の返済額を並べて比較しましょう。
他行への借り換えには新たな審査があります。収入や勤務先、健康状態、物件の評価などによって、希望する条件で借り換えできない場合もあります。団信を変更する場合は、金利だけでなく保障内容と加入条件も確認してください。
宅建士視点|購入契約前に確認したい金利と融資のタイミング
住宅ローンは、金利タイプが決まれば準備完了というわけではありません。住宅の購入・建築では契約から引き渡しまで時間がかかるため、金利がいつ決まり、必要なお金がいつ借りられるかも確認する必要があります。
固定金利でも、申込時の金利を確保できるとは限らない
例えばフラット35は、申込時ではなく資金受取時の金利が適用されます。固定金利を選んでも、申し込んだ月の金利で借りられるとは限りません。
注文住宅などで融資実行まで期間がある場合は、資金計画を作った時点より金利が高くなるケースも試算しましょう。金融機関には、金利の決定時点と、実行予定月が変わった場合の扱いを確認してください。
注文住宅は土地代・着工金・中間金の支払いにも合わせる
土地を購入して家を建てる場合、建物が完成する前に土地代や工事代金の一部を支払うことがあります。候補の住宅ローンでその支払いに対応できるか、つなぎ融資や分割融資が必要かを確認しましょう。
比較する際は、住宅ローン本体の金利だけでなく、完成までに必要となる借入の利息や手数料も含めます。表示金利が低くても、必要な支払日に融資が間に合わなければ、そのままでは資金計画が成立しません。
売買契約の融資利用特約と、銀行を選ぶ期限を確認する
売買契約に融資利用特約がある場合は、対象の金融機関・融資額・融資承認の期限・解除の手続きなど、契約に定めた内容を確認してください。
契約後に申込先や借入条件を変えたいときは、自己判断で進めず、仲介担当者と金融機関へ早めに相談しましょう。住宅ローンの比較は、契約上の期限と決済日に間に合うように進める必要があります。
住宅ローン比較は金利だけでは不十分
住宅ローンを比較するとき、「金利0.○%」という数字だけに目が向きがちです。
しかし、実際の負担や使いやすさは金利だけでは決まりません。
| 比較項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 適用金利 | 実際に自分へ適用される金利 |
| 金利優遇 | 優遇幅・条件・適用期間 |
| 事務手数料 | 定額型か借入額に応じるタイプか |
| 保証料 | 別途必要か、金利に含まれるか |
| 団信 | 基本保障・疾病保障・金利上乗せ |
| 繰り上げ返済 | 最低金額・手数料・手続方法 |
| 変動金利の見直し | 見直し時期・5年ルール・125%ルール |
| 固定期間終了後 | 適用金利・優遇条件・返済額の見直し方法 |
わずかな金利差でも、借入額が大きく返済期間が長ければ、総返済額には差が生じます。
反対に、表示金利が低くても、団信の保障を追加すると金利が上乗せされたり、事務手数料が高かったりする場合があります。
金利・諸費用・団信・返済ルールをセットで比較すると、自分に合った住宅ローンを選びやすくなります。
候補の住宅ローンを比較したいなら、モゲチェックも選択肢
比較するときは借入額・返済期間をそろえ、変動金利と全期間固定金利の毎月返済額、諸費用、団信の保障を並べてみましょう。固定金利の負担差がわかれば、返済計画を確定させるためにその差額を受け入れるか考えやすくなります。
複数の銀行を自分で調べるのが大変な場合は、無料の住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」を利用する方法もあります。住宅ローン診断のほか、アドバイザーへの無料メッセージ相談も案内されています。
住宅会社から紹介されたローンと比較したい方や、借り換え先の候補を探したい方は、提案された条件を比較材料にしてみてください。
ただし、診断や提案は融資承認を保証するものではありません。実際の適用金利・借入可否・諸費用は金融機関の審査や商品条件によります。希望する固定金利商品が提案に含まれない場合は、その取扱金融機関にも直接確認しましょう。
先に家計から返済予算を決め、その予算に合う住宅ローンを探す順番で利用すると、借入可能額に引っ張られずに比較できます。
自分の条件で住宅ローンを比較する:モゲチェック
変動か固定か決める前のチェックリスト
- □ 金利が1%上昇した場合の返済負担を確認した
- □ 金利が2%上昇したケースも試算した
- □ 教育費が最もかかる時期を把握した
- □ 収入が一時的に減った場合も返済できる
- □ 生活防衛資金を残している
- □ ペアローンなら片方の収入が減ったケースも考えた
- □ 5年ルール・125%ルールの有無を確認した
- □ 固定期間選択型なら期間終了後の条件を確認した
- □ 団信・手数料まで含めて比較した
- □ 複数の金融機関を比較した
- □ 融資実行時の金利と、購入・建築代金の支払日を確認した
このチェックをしても十分な余裕があるなら、変動金利は有力な選択肢になります。
反対に、少しの金利上昇や収入減だけで家計が苦しくなるなら、固定金利を検討するだけでなく、住宅予算や借入額そのものを見直してみてください。
住宅ローンの変動・固定についてよくある質問
これから変動金利はどこまで上がりますか?
正確に予測することはできません。
住宅ローン金利には、日銀の金融政策だけでなく、物価、賃金、景気、市場金利など多くの要因が関係します。
「○%まで上がる」と決め打ちするより、金利が1%・2%上昇した場合の負担を試算しておく方が、住宅ローン選びには役立ちます。
金利上昇局面なら固定金利の方が得ですか?
必ずしもそうとは限りません。
今後の金利動向によっては変動金利の方が総返済額を抑えられる可能性もあります。
全期間固定金利は「必ず得をするための商品」というより、将来の金利変動による返済計画の不確実性を減らす選択肢と考えるとわかりやすいでしょう。
5年ルールがあれば変動金利でも安心ですか?
返済額の急増を抑える効果はありますが、金利上昇そのものを防ぐ制度ではありません。
毎月の返済額が変わらない間でも、利息に充てられる割合が増えて元金の減り方が遅くなることがあります。
また、5年ルールを採用していない金融機関や、適用されない返済方式もあります。
変動金利から固定金利へ途中で変更できますか?
変更できる住宅ローンもありますが、条件や手数料は金融機関によって異なります。
現在利用している商品の契約内容を確認し、変更後の金利・返済額まで試算してから判断しましょう。
変動と固定で迷ったらどちらを選べばいいですか?
変動金利を選ぶなら、金利上昇後でも教育費や貯蓄を確保できるかを確認してください。
返済額を確定して長期の家計計画を立てたいなら、全期間固定金利が候補になります。
どちらの場合も、無理のない借入額になっていることが最優先です。
共働きなら変動金利を選んでも大丈夫ですか?
共働きというだけでは判断できません。
現在の世帯年収が高くても、育休・時短勤務・転職などで一時的に収入が下がる可能性があります。
夫婦それぞれが住宅ローンを組む場合は、金利上昇と収入減が同時に起きたケースまで試算しておくと安心です。
まとめ|変動と固定は「上がるか」より「上がったらどうなるか」で考える
変動金利と固定金利の選択では、未来の金利を当てることより、返済負担が変わっても生活を維持できるかを優先しましょう。金利上昇に対応できる余力があるなら変動金利、返済計画を確定させたいなら全期間固定金利が候補です。
- 現在の家計に加え、金利上昇・教育費の増加・収入減が重なる場合を試算する
- 同じ借入額・返済期間で、変動と固定の返済額・諸費用・団信を比較する
- 契約条件と融資実行までの支払日程を確認して、申込先を決める
どちらの金利タイプでも無理があるなら、住宅価格や借入額を見直してください。借りる銀行を探す前に、家計から返済予算を決めることが、後悔しにくい住宅ローン選びにつながります。

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