最近、SNSやニュースで
「ハウスメーカーの倒産が急増」
という話題を目にした人も多いのではないでしょうか。
東京商工リサーチの調査によると、2026年上半期(1~6月)のハウスメーカー(木造建築工事業)の倒産件数は118件となり、前年同期比で87.3%増と約9割も増加しました。上半期の倒産件数が100件を超えるのは、2013年以来13年ぶりです。
では、なぜこれほど倒産が増えているのでしょうか。
また、これから家づくりを始める人は何に注意すればよいのでしょうか。
今回は、倒産が急増している背景と、施主が契約前に確認しておきたいポイントを宅建士の視点から解説します。
なぜハウスメーカーの倒産が急増しているの?
今回の倒産急増には、複数の要因が重なっています。
特に大きいとされているのが、次の4つです。
- 建築資材価格の高騰
- 深刻な人手不足
- 住宅ローン金利の上昇
- 新築住宅需要の減少
建築費はここ数年で大きく上昇し、木材や鉄鋼、設備機器などの価格も高止まりしています。
さらに職人不足によって人件費も上昇し、以前より利益を確保しにくい状況になっています。
住宅ローン金利の上昇も逆風に
以前からこのサイトでも紹介しているように、住宅ローン金利は上昇傾向にあります。
住宅価格が高くなっただけでなく、
住宅ローンの返済額も増えるため、
「家を買いたいけれど予算が合わない」
という家庭も増えています。
その結果、新築住宅の販売が思うように進まず、中小ハウスメーカーの経営を圧迫しているとみられています。
大手と中小の差が広がっている
今回のニュースで特に影響を受けているのは、中小規模のハウスメーカーや工務店です。
大手ハウスメーカーは、
- 資金力
- 仕入力
- ブランド力
があるため、資材価格の上昇や販売の停滞にも対応しやすい一方で、中小企業は価格転嫁が難しく、利益を確保できずに倒産へ追い込まれるケースが増えています。
契約したハウスメーカーが倒産したらどうなる?

HOMEくん:
「先生、もし契約した会社が倒産したら、家づくりはどうなってしまうんですか?」

先生:
「状況によって異なりますが、工事の進み具合によっては大きな影響を受ける可能性があります。」
住宅会社が倒産した場合、考えられるケースは次のとおりです。
- 工事がストップする
- 引き継ぐ建築会社を探す必要がある
- 完成時期が大幅に遅れる
- 追加費用が発生する可能性がある
特に注意したいのが、契約後に着工したものの、建物が完成する前に倒産したケースです。
工事を引き継ぐ会社が見つかれば完成できる場合もありますが、契約内容や支払い状況によっては施主が負担を求められるケースもあります。
倒産リスクを減らすために確認したいポイント

HOMEくん:
「契約前に見分ける方法はあるんですか?」

先生:
「100%見抜くことは難しいですが、チェックしておきたいポイントはあります。」
家づくりを始める前には、次のような点を確認すると安心です。
- 創業年数や施工実績
- 決算情報が公開されているか
- 完成保証制度の有無
- 住宅瑕疵担保責任保険への加入状況
- 口コミや評判だけでなく経営状況も確認する
また、「今だけ値引き」「今日契約すれば特典」など、契約を過度に急がせる営業には慎重になることも大切です。
完成保証制度とは?

HOMEくん:
「完成保証制度って何ですか?」

先生:
「万が一、施工会社が倒産した場合でも、一定の条件で工事の継続をサポートする制度です。」
完成保証制度とは、住宅会社が倒産して工事が続けられなくなった場合に、
- 引継ぎ会社の紹介
- 工事費用の一部補償
などを受けられる制度です。
ただし、
- 利用できる会社が限られる
- 補償額には上限がある
- すべてのケースをカバーするわけではない
といった注意点もあります。
契約前に「完成保証制度に対応しているか」を確認しておくと安心です。
倒産件数が増えても、必要以上に不安になる必要はない

HOMEくん:
「ニュースを見ると、家を建てるのが怖くなってしまいます……。」

先生:
「確かに心配になるニュースですが、すべての住宅会社が危ないというわけではありません。」
今回の118件という数字は確かに大きな増加ですが、日本全国には数多くの住宅会社や工務店があります。
そのため、
「ハウスメーカーは危険」
と考えるのではなく、
信頼できる会社をしっかり見極めること
が重要です。
住宅会社選びでは、
- 価格だけで決めない
- 財務状況や実績も確認する
- アフターサービスや保証内容を見る
といった視点を持つことで、リスクを減らすことができます。
今後も倒産は増える可能性がある?
現在も、
- 建築資材価格の高止まり
- 人手不足
- 住宅ローン金利の上昇
- 新築需要の低迷
といった課題は続いています。
そのため、専門家の間では、中小住宅会社を中心に厳しい経営環境が続く可能性が指摘されています。
一方で、
- リフォーム事業の強化
- 中古住宅市場への参入
- 高性能住宅へのシフト
など、新しい分野へ挑戦する住宅会社も増えています。
今後は「価格競争」だけではなく、特色や専門性を持つ会社が生き残っていく流れになるかもしれません。
FP・宅建士の見解

HOMEくん:
「家づくりって、建物だけじゃなく会社選びも大切なんですね。」

先生:
「その通りです。人生で最も高い買い物だからこそ、価格だけでなく『安心して完成まで任せられる会社か』を見極めることが重要です。」
今回のニュースは、住宅業界全体が厳しい環境に置かれていることを改めて示しました。
建築費や人件費の上昇、住宅ローン金利の上昇など、住宅会社だけでは解決できない課題も多くあります。
だからこそ施主側も、
「安いから」
「キャンペーン中だから」
だけで決めるのではなく、
会社の実績や保証制度、アフターサービスまで含めて比較することが大切です。
住宅会社選びは、家づくりの成功を左右する重要なポイントと言えるでしょう。


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