「樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシ、結局どっちを選べばいい?」
注文住宅や建売住宅を検討していると、窓の仕様で迷う人は少なくありません。
一般的には「断熱性を重視するなら樹脂サッシ」「価格やデザインとのバランスならアルミ樹脂複合サッシ」と説明されることがあります。
ただし、サッシの素材だけで決めるのはおすすめできません。
実際の窓の性能は、サッシだけでなく、ガラスの種類や窓の大きさ、開き方などを含めた「窓全体」で決まるからです。
この記事では、樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシの違いを、断熱性・結露・価格・使い勝手などから比較します。
さらに、住宅購入や家づくりで後悔しないために、契約前に確認しておきたいポイントも解説します。

樹脂サッシの方が断熱性が高いなら、予算が許す限り全部樹脂にすればいいんじゃないですか?

必ずしもそうとは限らないよ。窓はサッシだけではなく、ガラスを含めた性能や大きさ、使い勝手まで見て選ぶことが大切なんだ。

それにしても「家づくりの用語」って難しい。

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- 結論|断熱性を優先するなら樹脂、価格やデザインとのバランスならアルミ樹脂複合
- 樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシの違い
- 重要|窓の性能はサッシだけでは決まらない
- 樹脂サッシのメリット
- 樹脂サッシのデメリット・後悔しやすいポイント
- アルミ樹脂複合サッシのメリット
- アルミ樹脂複合サッシのデメリット
- 結局どっち?地域・窓・予算から選ぶ
- 宅建士視点|「樹脂サッシ採用」という広告だけで判断しない
- FP視点|樹脂サッシの差額は「元が取れるか」だけで考えない
- 契約前に確認したい窓のチェックリスト
- 樹脂サッシ・アルミ樹脂複合サッシのよくある質問
- さらに断熱性や質感を重視するなら木製サッシもある
- まとめ|「樹脂か複合か」だけで決めず、窓全体を見て選ぼう
結論|断熱性を優先するなら樹脂、価格やデザインとのバランスならアルミ樹脂複合
先に結論をまとめると、断熱性や窓まわりの結露をできるだけ抑えたいなら、樹脂サッシが有力です。
一方、価格、大きな窓、フレームの細さなども含めてバランスを取りたいなら、アルミ樹脂複合サッシも十分に候補になります。
| 比較項目 | 樹脂サッシ | アルミ樹脂複合サッシ |
|---|---|---|
| 断熱性 | 高めやすい | 樹脂より不利になりやすいが、高性能商品もある |
| 結露 | 抑えやすい | 一般的なアルミサッシより抑えやすい |
| 価格 | 高くなることがある | 樹脂より抑えやすい傾向 |
| 大きな窓 | 商品やガラスによって重量・製作範囲を確認 | 大開口に対応しやすい商品も多い |
| フレーム | 商品によって太く見えることがある | スリムな商品を選びやすい |
| 向いている人 | 断熱性・結露対策を優先したい人 | 性能・価格・デザインのバランスを取りたい人 |
注意したいのは、これはあくまで傾向だということです。
「樹脂だから高性能」「アルミ樹脂複合だから性能が低い」と、素材名だけで順位をつけるのは適切ではありません。
樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシの違い
樹脂サッシとは
樹脂サッシは、主にPVC(ポリ塩化ビニル)などの樹脂をフレームに使用した窓です。
樹脂はアルミに比べて熱を伝えにくいため、室内外の熱がフレームを通して移動するのを抑えやすい特徴があります。
寒冷地だけでなく、住宅全体の断熱性能を高めたい場合にもよく検討される窓です。
アルミ樹脂複合サッシとは
アルミ樹脂複合サッシは、一般的に室外側にアルミ、室内側に樹脂を組み合わせた窓です。「複合サッシ」「ハイブリッド窓」などと呼ばれることもあります。
アルミの強度や加工性を生かしつつ、室内側に樹脂を使うことで、一般的なアルミサッシより断熱性や防露性を高めています。
住宅会社の標準仕様として採用されていることも多く、性能と価格のバランスを取りやすいのが特徴です。
重要|窓の性能はサッシだけでは決まらない
樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシを比較するときに知っておきたいのが、Uw値(窓の熱貫流率)です。
Uw値は、ガラスとフレームを合わせた「窓全体がどのくらい熱を通すか」を表す数値で、基本的には数値が小さいほど断熱性能が高いと考えます。
例えば、同じ樹脂サッシでも、組み合わせるガラスが複層ガラスなのかトリプルガラスなのかによって性能は変わります。
反対に、アルミ樹脂複合サッシでも、高性能なガラスやフレーム構造を採用した商品があります。
そのため、住宅会社から提案を受けたときは、「樹脂ですか?複合ですか?」だけでなく、商品名と窓全体のUw値まで確認すると比較しやすくなります。

「Low-E複層ガラスを使っています」と言われただけでは、まだ比較できないんですね?

そうだね。同じLow-E複層ガラスでも、サッシや中空層、スペーサーなどによって窓全体の性能は変わるよ。できれば商品名やUw値まで確認しよう。
樹脂サッシのメリット
断熱性能を高めやすい
樹脂サッシの大きなメリットは、フレームそのものが熱を伝えにくいことです。
冬は室内の熱が逃げるのを抑え、夏は外から熱が入るのを抑えやすくなるため、窓際の寒さや暑さを軽減する効果が期待できます。
特に寒冷地や、高断熱住宅を計画している場合には検討する価値が高いでしょう。
窓枠の結露を抑えやすい
室内側のフレーム表面が冷えにくいため、アルミを多く使用する窓より結露を抑えやすいのもメリットです。
ただし、樹脂サッシにすれば結露がゼロになるわけではありません。
結露は、外気温、室温、室内湿度、換気、ガラス性能などにも左右されます。
窓の断熱性能を高めることに加えて、適切な換気や湿度管理も必要です。
樹脂サッシのデメリット・後悔しやすいポイント
変更すると追加費用がかかることがある
住宅会社の標準仕様がアルミ樹脂複合サッシの場合、樹脂サッシへ変更すると追加費用が発生することがあります。
ただし、「樹脂サッシなら必ず○万円高い」と一律には言えません。
メーカー、窓数、サイズ、ガラス、防火仕様などによって差額が変わるため、自分の家の見積もりで変更差額を出してもらうのが確実です。
大きな窓では重さや操作感を確認したい
樹脂サッシについて「窓が重い」という感想を見かけることがあります。
ただし、窓の重さはフレームだけでは決まりません。窓が大きく、さらにトリプルガラスなどを採用すれば、窓全体として重くなりやすくなります。
特にリビングの大きな掃き出し窓は、可能であればショールームなどで実際に開閉してみるのがおすすめです。
毎日使う場所だからこそ、断熱性能だけでなく操作性も確認しましょう。
商品によってはフレームが太く見える
アルミは強度を確保しやすいため、細いフレームをつくりやすい素材です。
樹脂窓では、商品によってフレームが太く感じられることがあります。
大きな窓から景色を楽しみたい人や、フレームをなるべく目立たせたくない人は、カタログの寸法だけでなく実物も確認すると安心です。
現在はフレームをスリム化した樹脂窓もあるため、「樹脂サッシは必ず太い」と決めつける必要はありません。
アルミ樹脂複合サッシのメリット
性能と価格のバランスを取りやすい
アルミ樹脂複合サッシは、アルミの強度と樹脂の断熱性を組み合わせた窓です。
樹脂サッシほど断熱性を最優先しない場合には、価格とのバランスを取りやすい選択肢になります。
住宅会社の標準仕様が十分な性能を持つアルミ樹脂複合サッシであれば、あえて追加費用を払って変更する必要があるかを検討する余地もあります。
大きな窓やスリムなデザインを選びやすい
アルミの強度や加工性を生かし、大きな開口や細いフレームを実現している商品があります。
リビングから庭を大きく見せたい場合や、窓枠をなるべく目立たせたくない場合にはメリットがあります。
高性能なアルミ樹脂複合サッシもある
「アルミ樹脂複合サッシ=断熱性能が低い」と決めつける必要はありません。
高性能なガラスや断熱構造を組み合わせ、断熱性能を高めた商品もあります。
樹脂と複合のどちらかだけで判断せず、実際に採用する商品の性能を確認しましょう。
アルミ樹脂複合サッシのデメリット
同じアルミ樹脂複合でも性能差がある
「アルミ樹脂複合サッシ」と書いてあっても、すべて同じ性能ではありません。
フレーム構造、ガラス、中空層、スペーサーなどによって断熱性能は変わります。
住宅会社から「アルミ樹脂複合なので十分高性能です」と説明された場合も、できれば具体的な商品名や性能値まで確認してください。
結露対策では樹脂サッシが有利になりやすい
一般的には、フレーム全体が樹脂でできている窓の方が室内側の表面温度を保ちやすく、結露対策では有利です。
一方、アルミ樹脂複合サッシでも、一般的なアルミサッシより結露を抑えやすく、高性能なガラスとの組み合わせで防露性能を高められます。
「結露する・しない」の二択ではなく、住宅の条件に合わせてどこまでリスクを抑えたいかで考えましょう。
結局どっち?地域・窓・予算から選ぶ
寒冷地なら樹脂サッシを優先して検討しやすい
外気温が大きく下がる地域では、窓際の冷えや結露の影響が大きくなります。
そのため、寒冷地では樹脂サッシやトリプルガラスなど、窓の断熱性能を高めるメリットを感じやすいでしょう。
温暖地ならアルミ樹脂複合サッシで十分?
温暖地だからといって、アルミ樹脂複合サッシなら何でも十分とは言えません。
住宅全体の断熱性能、窓の大きさ、方角、ガラス仕様などによって必要な性能は変わります。
また、暖かい地域では冬の寒さだけでなく、夏の日射対策も重要です。
特に西日が強い窓では、サッシの種類だけでなく、ガラスの遮熱性能や庇、シェードなども合わせて検討しましょう。
大きな窓を重視するなら操作性も比較する
リビングに大きな掃き出し窓を設けたい場合は、断熱性能だけでなく、窓の重さやフレームの見え方も重要です。
「性能が一番高いもの」を選ぶより、毎日の使いやすさも含めて選んだ方が満足しやすいケースがあります。
宅建士視点|「樹脂サッシ採用」という広告だけで判断しない
住宅広告や営業資料では、「樹脂サッシ採用」「Low-E複層ガラス採用」「高断熱窓」といった表現を見かけます。
しかし、それだけでは実際にどの程度の性能なのかまでは分かりません。
建売住宅でも注文住宅でも、できれば契約前に次のような項目を確認しておきましょう。
- サッシメーカー
- 商品名
- 樹脂かアルミ樹脂複合か
- ガラスの種類
- Uw値
- 窓によって仕様が違わないか
- 標準仕様かオプションか
広告のキャッチコピーだけではなく、実際の仕様書を見ることが大切です。
また、防火地域・準防火地域など、土地や建物に関する法令制限によって窓の仕様に影響が出る場合もあります。
宅建士の視点では法令制限の有無を把握しておくことが重要ですが、具体的にどの窓にどの防火仕様が必要になるかは、設計者や施工会社に確認してください。
FP視点|樹脂サッシの差額は「元が取れるか」だけで考えない
樹脂サッシを検討すると、「光熱費が安くなるなら何年で元が取れる?」と考える人もいるでしょう。
しかし、光熱費は地域、窓面積、住宅全体の断熱性能、冷暖房の使い方などによって変わるため、「○年で元が取れる」と一律には言えません。
FPの視点では、まず樹脂サッシへ変更した場合の差額を確認し、住宅全体の予算の中で考えます。
住宅ローンに追加費用を含めるなら、単純なオプション価格だけでなく、借入額が増えることも意識しておきたいところです。
一方、窓は設備機器のように後から簡単に交換できるものではありません。
「元が取れるか」だけでなく、後から変更しにくい部分にどこまで予算をかけるかという視点で考えると、優先順位をつけやすくなります。
契約前に確認したい窓のチェックリスト
- サッシのメーカー・商品名は何か
- 樹脂サッシかアルミ樹脂複合サッシか
- 窓全体のUw値はいくつか
- 複層ガラスかトリプルガラスか
- Low-Eガラスの仕様は何か
- スペーサーや中空層の仕様はどうなっているか
- 窓によって仕様が違わないか
- 方角に合わせてガラスを使い分けるか
- 大きな窓の開閉は重くないか
- 防火仕様が必要な箇所はあるか
- 樹脂サッシへ変更する場合の総額差はいくらか
すべて細かく比較するのが大変なら、まずは「商品名」「ガラス」「Uw値」「変更差額」の4点を確認してください。
ここまで分かれば、「樹脂の方がいいらしい」というイメージだけで選ぶより、かなり判断しやすくなります。
樹脂サッシ・アルミ樹脂複合サッシのよくある質問
樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシは結局どっちがいい?
断熱性や結露対策を重視するなら樹脂サッシが有力です。
価格、大きな窓、デザインなども含めてバランスを取りたいなら、アルミ樹脂複合サッシも十分候補になります。
樹脂サッシなら結露しませんか?
いいえ。樹脂サッシでも条件によって結露することがあります。
窓の断熱性能を高めれば結露は抑えやすくなりますが、室内の湿度、外気温、換気などにも左右されます。
アルミ樹脂複合サッシでは寒いですか?
一概には言えません。
高い断熱性能を持つアルミ樹脂複合サッシもあるため、素材名だけでは判断できません。採用する商品の性能を確認しましょう。
樹脂サッシは重いですか?
大きな窓やトリプルガラスでは重く感じる場合があります。
ただし、重量はサッシ素材だけではなく、ガラスやサイズ、商品の構造にも左右されます。
樹脂サッシは紫外線で劣化しやすいですか?
住宅用の樹脂窓では、紫外線による変色や劣化を抑えるための材料や表面処理などが採用されています。
経年変化がまったくないわけではありませんが、「樹脂だから日本ではすぐに劣化する」と一括りにする必要はありません。
樹脂サッシの方が防音性能も高いですか?
防音性能はサッシ素材だけでは決まりません。
ガラスの構成、窓の気密性、開閉方式なども影響するため、防音を重視する場合は窓全体の遮音性能を確認しましょう。
ペアガラスとトリプルガラスならトリプルの方がいいですか?
一般的には、トリプルガラスの方が断熱性能を高めやすくなります。
一方で、価格や重量も増えやすいため、地域や住宅全体の断熱計画とのバランスで選ぶことが大切です。
さらに断熱性や質感を重視するなら木製サッシもある
窓枠には、樹脂やアルミ樹脂複合だけでなく木製という選択肢もあります。
木は熱を伝えにくく、独特の質感やデザイン性も魅力ですが、価格やメンテナンスなど確認したいポイントがあります。
詳しくは「木製サッシのメリット・デメリット」も参考にしてください。
まとめ|「樹脂か複合か」だけで決めず、窓全体を見て選ぼう
断熱性や結露対策を優先したいなら、樹脂サッシは有力な選択肢です。
一方、価格、大きな窓、デザインなども含めてバランスを取りたい場合は、アルミ樹脂複合サッシも検討する価値があります。
大切なのは、サッシの素材名だけで優劣を決めないことです。
商品名、ガラス、Uw値、変更差額まで確認し、自分の家に必要な性能と予算のバランスで選びましょう。
また、窓は完成後に簡単に変更できる部分ではありません。住宅会社の標準仕様をそのまま受け入れるのではなく、契約前に一度確認しておくと後悔を減らせます。
※商品仕様や性能は変更される場合があります。採用時はメーカー・住宅会社の商品情報をご確認ください。
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